友人の仕事の手伝いで、しばらく長野県に足を運ぶことになりました。1軒目に馬肉料理に舌鼓を打った「焼肉のいたや」の隣にあって、昭和から時間が止まったかのような店の佇まいが気になっていた「安兵衛」が2軒目のはしご先です。
後から知ったのですが、繁華街は伊那市駅を挟んだ反対側にあり「焼肉のいたや」や「安兵衛」がある地域は、そちらから比べると落ち着いた地域なのかもしれません。雨が降っていたので、そちらまでは足を伸ばさなかったのですが。
日本酒場遺産に推薦したい「安兵衛」
そぼ降る雨に濡れる、創業70年に大衆酒場。赤ちょうちんの雰囲気がたまりません。しっとりと赤い灯りが地面に反射しています。
看板にはラーメン、丼もの各種、中華各種といった文字も踊り、酒処としてだけでなく、往時は食堂としても盛り上がっていたのかな、などと昭和に思いを馳せます。
店内は紛うことなきコの字カウンターでして、やはり食堂というよりは酒場なのかな‥‥と思いました。
飲みもの類にはつまみが付いているのが特徴です。「安兵衛」のスタイルなのか、それともこの一帯でそのようなカルチャーがあるのか、今回の伊那旅では分かりませんでした。
すっかり色の変わった壁のメニューには、馬刺し(500円)、おたぐり(500円)など地元フードも並びつつ、カツ丼、カレー、玉子丼など食堂ぽさもあります。昭和を感じますね。
年季の入ったカウンター上の調味料類。
つまみ付きのちゅうはい(450円)です。実家で父親が作ってくれたような、なんだかホッとするチューハイが出てきました。つまみはキャベツとイカをボイルしたもの。
お一人で営業されている店主に話を聞くと、父の代から続く創業70年の2代目だそう。84歳とおっしゃっていました。まさに伊那市の酒場の生き字引なのでしょう。空間の空気も濃く感じます。
いかの塩辛(400円)。
最近は「平成レトロ」という言葉も聞くようになりましたが、やはりレトロといったらこれだよなぁ。レトロスペクティブ。昭和を懐かしく思い出す酒場に立ち寄りました。
しかし、これだけ歴史のある酒場に出会えることって、そうそうないと思うんですよね。70年も続いているというのは、まさに奇跡です。1952年(昭和27年)は、連合国軍最高司令官総司令部(GHQ)が廃止され、日本の主権が回復された年でした。
強く生き続ける生命を感じる昭和の酒場。もしも日本酒場遺産なるものがあるならば、真っ先に「安兵衛」を推薦したいと思いました。
ごちそうさま!!!!!
追記:
動画を探してみたら1940年(昭和15年)創業と言っている‥‥もしかして本当は創業82年だった!?
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「安兵衛」住所と地図
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住所:長野県伊那市春日4873