とろっとした馬刺しと馬モツを煮込んだ「おたぐり」が絶品!長野県伊那市で馬肉文化に触れる「焼肉のいたや」

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友人の仕事の手伝いで、しばらく長野県に足を運ぶことになりました。夜は時間があるので、ローカルフードを食べるのが楽しみです。あれ? でも長野の名物ってなんだっけ? 蕎麦?

「でも、きっと行けば行ったでなにか美味しいものがあるはず」友人とそんな話をしながら、クルマを走らせました。

今回の宿泊地は長野県伊那市。伊那市のソフルフードとしてローメンがあることは分かりましたが、どうも酒の肴になるような食べ物ではなく、どちらかというとシメに食べるイメージです。

いざ宿についてどこに行くかとGoogleマップを開いて検索してみるも、それらしい地元フードが見つかりません。さすがに長野まできて焼肉はないかなと思いつつ近所の焼肉屋のクチコミを読むと‥‥あ‥‥馬肉!

そうなんです。南北に広い長野県では地域によっても食の特色が違うようなのですが、信州、長野の馬肉を食べる文化のはじまりは、この伊那市だったのです!

「焼肉のいたや」で馬肉を食す夜

そぼ降る雨の中、ホテルから数百メートルのところにある「焼肉のいたや」に向かいました。場所はJR伊那市駅と伊那バスターミナルのすぐ近く。ほとんど駅前です。

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歴史を感じる建物の入口には「いたや」と書かれた白いのれんが掛けられています。「井の頭」の文字も。「井の頭」は、伊那市の酒蔵である春日酒造のお酒です。

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まずは大生ビールで乾杯。仕事の後のビールは美味しい。

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お通しはもつ煮かと思いきや、きのこ類でした。これもなかなかの美味。

なお、裏手には「板屋」という馬刺しと桜鍋の店もあります。店構えは老舗の料亭のような雰囲気でした。「いたや」とは、恐らく厨房を介して中で繋がっているのでは、という距離感です。「板屋」について調べようと思ったのですが、ネットに情報がありませんでした。

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「焼肉のいたや」のメニュー

「焼肉のいたや」とは言いつつも、鍋から食事から一品料理から色々とメニューはあります。他のお客さんも必ずしも焼肉を食べているわけではなく、飲み屋感覚でつまみながら呑んでいるグループもありました。

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鍋は桜鍋です。1人前1,800円。馬肉を食べ尽くしたいなら、桜鍋、馬刺し、おたぐりなどがセットになった4,000円の馬づくしコースもあります。

食事にも桜たたき丼、桜丼などがあり、伊那市には馬肉文化が根付いているのだということがよく分かります。

他にはカツ丼、焼きそば、豚かつ定食、焼肉定食、茶漬けなどもあり、焼肉目当てではないお客さんも多そうだと思いました。

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普通に居酒屋ではないと思えるくらいの一品料理の数。恐らく普段遣いの地元の人たちには居酒屋感覚なのでしょう。観光客の我々が目を引かれたのは、やはり馬肉です。

馬刺し(ヒレ)850円、おたぐり(馬モツ煮)600円、桜ヒレステーキ2,100円、桜肉の煮込み500円、桜納豆500円あたりがそそります。

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飲み物は生ビール、日本酒、焼酎、チューハイなど一般的ですが、よくよく考えたら長野県は地酒どころでもあるんですよね。もっと日本酒にも気を配ればよかったです。

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一番うしろに大事な焼肉のメニューがありました。牛豚に並んでマトン(羊)があるのが気になったのですが、実は伊那市では古くから羊肉も食べていたということを、後から知るのでありました。

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子供の頃に信州の親戚の家を訪ねた記憶があるのですが、その時はイナゴの佃煮を食べましたね。ざざむしや蜂の子なんてのも、伊那らしい珍味のようです。

「焼肉のいたや」の美味しい馬肉料理

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まずはヒレの馬刺し(850円)から。美しい濃いめの赤身肉です。

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生姜をちょこんとのせて頂きます。うーーーん、濃厚でとろっとして美味しい! 肉の生食が難しくなってきた時代にあって、馬刺しというのは生肉好きにとっては救いの一つですね。

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続いて桜肉の煮込み(500円)です。もつ煮ぽいものを想像していたのですが、そうか馬肉をそのまま煮込んでいるのですね。けっこうな量の肉が入っていて500円はなかなかにお得。

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クセはほとんどないのですが、それでもかすかに羊肉ぽさというか、獣感が微妙にあってかなり好みの味でした。肉質は赤身らしいすっとほぐれるような繊維質でした。

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チューハイを投入。

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続いて桜納豆(500円)です。これは完全にイカ納豆の馬肉版。イカ刺しのように細切りの馬肉がたっぷりと入っています。納豆、ネギ、カラシとともに、醤油をたらりとかけてよくかき混ぜれば完成。

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これはアイデア賞ものですね。酒のあてに良いのですが、いやむしろ白米が欲しくなるような味でした。がっつりとご飯で食べてみたいです。

伊那名物の「おたぐり」は馬のもつ煮

そうか、信州は馬肉文化だったかぁ、ということに感動しながら「焼肉のいたや」で最後に注文したのが、その最たるものであろう「おたぐり」です。

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「おたぐり」というのは馬のモツ煮のことで、代表的な馬肉料理となります。最近は馬のモツが入手しにくくなり豚のモツでも作られるそうですが、しっかりと馬モツでした。

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ふわっとした柔らかい触感に、煮込みらしい醤油と味噌は優しい味付けです。馬のモツって、ぜんぜんクセがないんですよ。どんどん食べられちゃいます。これは美味しいと、友人と感動しながら食べました。

他の居酒屋でもメニューに「おたぐり」はありましたし、家庭料理としても食べられているそうです。他の地域ではそうそう馬モツって手に入らないと思うので、まさに郷土料理です。

ランチに食べた小諸の「中華そば やまさだ」も美味しかったし、長野の地元グルメ旅は上々のスタートを切りました(メインはもちろん仕事です)。

ごちそうさま!!!!!

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「焼肉のいたや」住所と地図

>>焼肉のいたや – 伊那市/焼肉 | 食べログ

住所:長野県伊那市伊那西町春日町第一4873