2016年5月、今回のマレーシアサバ州コタキナバル旅行の最大の目的は、東南アジア最高峰である「キナバル山登山」でした。前回の訪問ではとてもじゃありませんが、自分が富士山よりも標高の高い4,000m級の登山をするなんて考えられなかったのですが、2年ほどIngressを続け、歩くことに自信が持てたので、思い切って挑戦してみることにしました。
ちなみに、普段は山歩きや登山のようなことはしていない、至って普通の43歳のオジさんです。運動はIngressと月一のフットサル。そんなオジさんが、初めての本格的な登山で4095.2mの「キナバル山」の登頂に成功した様子を時系列そのままにレポートします。
なお、今回のコタキナバル旅行はサバ州政府観光局(Sabah Tourism Board)の招待によるものです。
キナバル山登山の装備と準備
事前に2年半ぶりに熱帯雨林の島・コタキナバルへ!4,000m級のキナバル山登山に挑戦してきます 〜準備編という記事を書きましたが、改めて装備と準備を紹介します。
キナバル山はボルネオ島の北部にある、標高4,095.2mの山です。マレーシアでは最高峰、東南アジア最高峰とも言われています。山域はキナバル自然公園として、ユネスコの世界遺産(自然遺産)にも登録されています。
キナバル山は普段は雪も降りませんし、登山に当たっては高度は高いものの、技術的に難しい所は無いというのが特徴の山でもあります。そこで、ゴリゴリの登山アイテムを揃えずとも、ユニクロやワークマンで揃うような衣類でも登るとアドバイスしてくれたのが、一緒に登山した「熊山准のおブログ」の熊山さんです。
熊山さんに教えてもらったキナバル山登山に必要な一式は以下の通りです。
・レインウエア上下→ワークマンでも良い
これは登山には絶対に必要です。キナバル山の天候は変わりやすく、午前中は快晴でも初日も2日目も夕方から雨に降られました。以前、バイク用に購入したコロンビアのレインウェアがあったので、それを使いました。
・コンパクトダウン→小さくなるやつ、フード付き
レインウェアと重ね着できる服があれば絶対に必要ではないかもしれませんが、標高が高くなれば気温は下がります。歩いている時は汗をかくほどに暑いのですが、少し休憩すると冷えを感じます(雨が降るとなおさら)。ユニクロのダウンを持参しましたが、出し入れしやすい小さくて軽いものがあると便利だと思いました。
・中間着→ジャージのジャケットみたいなものか、薄手のフリース
ジャージを持っていきました。2日目に山小屋から頂上を目指す際に、長袖のTシャツと組み合わせて重宝しました。コンパクトダウンでも代用できるかもしれません。
・肌着→できれば長袖のTシャツ、吸水速乾。薄手か中厚。ヒートテック不可
ユニクロの吸水速乾のTシャツを2枚(フットサルで着ているもの)と、ナイキの吸水速乾の長袖のTシャツを1枚持っていきました。Tシャツ1枚は着替え用です。
・パンツ、靴下→気持ち悪ければ翌日分を。冷水シャワーしかありません
いちおういずれも着替え用には持っていきましたが、使用したのは靴下のみです。宿泊した山小屋はシャワーはありませんし、部屋も男女相部屋で、トイレで着替えする体力の余裕もなく、着の身着のままで就寝しました。
・ズボン→長ズボンでジーパン不可。ジャージOK
これは唯一、新調したものです。mont-bellのコンバーチブル1/2パンツです。長くなったり短くなったりするもの。
結局、登山中はハーフパンツにすることはありませんでしたが、街歩きでハーフパンツにしたので、旅行に1本あると万能だと思いました。ちなみに一緒に登った熊山さんと小林さんは、水着とタイツを履いてました。雨に降られて濡れても乾きやすいし、これはなかなかよいアイデアだと思いました。
・靴→できたら登山靴ですが、アウトドア用のスニーカー、トレランシューズみたいなのでも登れなくはありません
登山靴で登りましたが、もう少し軽めのシューズでも良かったかと思いました。スニーカーだと厳しいですが、アウトドア用のスニーカーくらいだと調度よいかも。熊山さんはこんな感じのシューズを履いていました。
・帽子→日差しと怪我よけ、風で飛ばないもの
雨が降った時くらいしかかぶらなかったのですが、小さく折りたためて首周りまで日差しをカバーできるものがあると良いと思いました。熊山さんはこんな感じの帽子をかぶっていました。
・リュックサック→荷物は預けられるので1泊分のお手回品だけ。目安は25〜30リットルくらい。普段使いのものでもOK。雨に濡れることを想定しておいてください
普段使いのリュックに、防水用のリュックカバーを持参しました。ポーターがいて荷物を預けることも可能です。その際は、預ける荷物をまとめる小袋のようなものがあると便利だと思います。
・サングラス→あるとよい
山小屋まではジャングルのようなものなので、日差しはほとんど気になりませんでした。山小屋から頂上へ出発するのも2時30分なのであたりは真っ暗。早い人だと夜が明けた7時くらいから、遅い人だと下山するくらいからサングラスがあると便利だと思います。必須ではないと思いますが。
・軍手→ちょっと手をついてしまうときなど。スマホ操作できる軍手でいいかも
岩場を登ることがあるので、あった方が良いと思います。たまたまコンビニで250円くらいのゴムの付いた手袋を見つけたので購入して持っていったのですが、滑り止めもあって使いやすかったです。唯一、ゴム臭がひどかったですが。
以上が準備した装備と、それに対する感想です。もし次に登山をするなら、最も気をつけるのはシューズだと感じました。
ちなみに熊山さんの装備です。
帽子ではなくサンバイザーですね。
キナバル山登山には予約が必要
キナバル山登山はふらりと行って誰でもできるものではありません。2日間かけて登山するため、宿泊する山小屋の予約が必要になります。山小屋に泊まれる人の数が限られるため、誰でも自由に登れないということになります。また、必ず現地ガイドもつける必要があります。キナバル山のプロたちですから、一緒に登山してくれると本当に心強いです。ガイドとマンツーマンで登っているような人たちも多くいました。
個人旅行で全て自分で手配する人もいますし、旅行代理店のツアーに参加する人もいるようです。
クルマで向かう途中に見えたキナバル山。割りと断崖絶壁で険しい山に見えました。こんな山に登れるのか‥‥正直なところ、少しビビりました。
キナバル山登山の初めから山小屋まで
それでは時系列でキナバル山登山の様子をレポートします。
10:00 公園本部に到着
道中に朝食を済ませ、登山の受付をするために公園本部にやってきました。
名前を書いてサインをします。
登山者はIDカードで管理されます。Eというのは5月のこと(A,B,C,D,Eで5)。
レンタルのトレッキングポール。必需品ではありませんが、あった方が初心者も登りやすいと思います。ただし、2本だと両手が塞がってしまうので、まずは1本の方が良いかと思いました。
今回、ガイドをお願いしたギンスンさんです。ベテランガイド。ゴムの靴でひらりひらりと登っていきます。本当に凄い。本当にお世話になりました。
公園本部から登山口「Timpohon Gate(ティンポーンゲート)」にはバスで移動します。
10:30 登山口「Timpohon Gate(ティンポーンゲート)」より登山開始
ガイド、ポーター含めてみんなで記念撮影です。SELAMAT MENDAKIはマレー語でウェルカム。
キナバル山ではクライムソン、日本だとトレイルランという呼び名が一般でしょうか、登山マラソンの大会で開催されています。2014年にはDAI MATSUMOTOという日本人男性が優勝しています。タイムは頂上までの往復で4時間11分です。距離にすると往復で17kmくらいなのですが、あの山道を‥‥信じられません。
ここが最初のチェックポイントとなる「PONDOK TIMPOHON」です。PONDOKというのは、マレー語で小屋という意味のようです。
IDカードを提示し、サインをして登山開始です。
コースの全体像です。頂上までは8.72kmです。途中1時間くらいごとに休憩するための小屋があります(トイレ付き)。
いよいよ、出発です!
「クワガタのメスがいる」「わー」なんて楽しくやっていたころ。
2015年6月にキナバル山では大きな地震がありました。現在は登山道も復旧し普通に登山ができるようになっているのですが、ドンキーイヤーと呼ばれる奇岩が崩落したり、このように水が枯れてしまった滝もあるそうです。
早い人たちのペースについていこうとして、いきなり息が上がってしまいました。自分のペースでゆっくり進む大事さを痛感しました。ついでに、左膝の内側も痛めてしまい、この後の登山に難儀することになりました。
すぐに5km、1935mの標識が出てきます。
珍しい草花の話を聞く余裕もありました。
10:59 PONDOK KANDIS
最初の休憩所です。
500m刻みで標識が現れます。
黒いきのこ。
茶色いきのこ。
11:20 PONDOK UBAH
2つめの休憩所です。
地震で崩落した後、新たに作られた道のようです。
ツツジのような花です。
1.5km、2164mの標識。
つぼみ。
この頃はなんと登山経験者たちについていきますが、徐々に遅れます。
2.0km、2252m。山小屋まで1/3のところで11時49分です。
雨が降り始めました。
12:03 PONDOK LOWII
3つめの休憩所です。
この先の休憩所が少し遠いということで、ここでランチを食べました。小ぶりのリンゴ、ゆでたまご、チーズのサンドイッチ、スニッカーズ的なお菓子です。そんなに食欲はなく、サンドイッチを一つ残しました。
2.5km、2350m。12時32分です。
周りの様子はジャングルです。キナバル山には12の植生があるそうで、次々に変わる景色が楽しめるのもキナバル山登山の醍醐味の一つです。
3.0km、2455m。山小屋まで1/2のところで12時51分です。登山開始からは2時間20分経過です。
13:09 PONDOK MEMPENING
4つめの休憩所です。
ここで雨が強くなってしまい、しばし休憩を取りました。濡れていることもあり、身体休息に冷えました。ウィンドブレーカーかコンパクトダウンが欲しいところです。
【閲覧注意】巨大なヒルと巨大なミミズに出会う
ここから閲覧注意の写真が出てきます。苦手な人はスクロールしてください。
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キナバル山では雨が降ると地中からミミズが這い出てきます。ミミズが酸欠で地上に出てくるというのは世界は共通のようですが、驚くのはそのサイズです。
30cmはあろうかと! 太いヤツが! ぎょえー。
さらに、そのミミズを捕食するために、同じように巨大なヒルが出てくるのです。ぎょえー。
コブラのように薄く広がったりして、変形っぷりが気持ち悪いことこの上ない‥‥。
そして、ヒルはミミズを食べようとします。今回はミミズがでかすぎたのですが、ヒルがミミズを丸呑みするそうです。
キナバル山では雨が降ると、こんな風に普段は見られないものが見られたりします。
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3.5km、2634m。14時5分。
引き続き小雨が降ります。現地ガイドやポーターの雨具は折りたたみ傘でした。レインウェアを着ると中で汗だくになり、雨で濡れているのか汗で濡れているのか分からなくなるのは確かです。登山道は幅もありますし、危険なところでなければ折りたたみ傘という選択肢もありかと思いました。
14:25 LAYANG LAYANG
5つめの休憩所です。
ここでは人懐っこい台湾つぐみに出会いました。
寄って写真を撮っても平気。好奇心旺盛のようです。
図鑑によるとPYGMY WHITE-EYE、台湾つぐみです。
ちなみに、九官鳥にも似ていますが、九官鳥は九官鳥で飛んでいるそうです。それも驚きましたが。
徐々に雨も上がりました。この休憩所には水道があります。恐らく沢かどこかから水を引いているのだと思いますが、ぼくは飲めました。水が足りなくなった人は、ここで補給すると良いかもしれません。
徐々に草花も変わってきます。
バードウォッチング、草花が好きな人にも楽しい山ではないでしょうか。
キナバル山は岩山なんだな、と感じる光景が増えてきます。
4.0km、2745m。14時57分。山小屋まで2/3、頂上まで1/2の地点です。
下が見えると、標高が上がっていくことを実感します。
木いちご。酸っぱくて美味しかったです。
ウツボカヅラの群生地
食虫植物、ウツボカヅラの群生地にも出会いました。
赤ちゃんウツボカヅラ。
成長すると蓋がパカリと開きます。
野生のウツボカヅラが見られるなんて!
ジャングルにウツボカヅラ。
ウツボカヅラ、ウツボカヅラ。
完全に図鑑の世界です。
横からウツボカヅラ。
後ろからウツボカヅラ。
もっとサイズの大きなウツボカヅラもあり、なんでもネズミが落ちることもあるのだとか。
ウツボカヅラの品評会。
中には心ない人がいて、ウツボカヅラを無断で採取してしまう人もいるのだそうです。
4.5km、2898m。15時37分。
道中、職業ポーターたちと何度もすれ違います。基本、山小屋への荷物の搬送は、こうしたポーターたちの人力によって行なわれています。建物の建築資材も、ポーターたちが背負って担ぎあげていました。
キナバル山の山頂が見えました。明日はあそこに行くんだ!
登る。
登る。山小屋まで1.5kmを切っていますが、登山開始から5時間以上が経過し、正直、身体は相当しんどかったところです。左足を上げられない状態が続いていたので、亀の歩みのようにゆっくりでした。
地震により崩れた岩肌も見えました。
改めて写真で見返してみても、よくこんなところを登っていったなぁ、と自分でも思いました。
16:00 PONDOK VILLOSA
6つめの休憩所です。
すぐに短い眠りで休息が取れる小林さんはさすがだと思いました。ぼくはMAXISという携帯電話のキャリアを使っていましたが、山中では電波は途切れ途切れでした。
5.0km、3001m。16時17分。ついに標高が3,000mを超えました。山小屋まで1kmほどです。
再び天気も良くなりました。
青い空をバックにキナバル山。
山の麓も見えます。
植生も変わります。
16:45 PONDOK PAKA
7つめ、山小屋まで最後の休憩所です。
すっかり天気も回復、日が傾き始め、後は登るだけです!
宿泊する山小屋が見えました!
17:00 「LABAN RATA(ラバンラタ)」に到着
歩き始めてから6時間半、ついに「LABAN RATA」に到着です!
「LABAN RATA」は標高3272.7mにあります。初日の目標達成です。
よくやった! ラバンラタレストハウスに辿り着いたよ!
ラバンラタというのはレストランの名前で、ここで夕食を食べることになります。
と、その前にまずは水分補給です。
売店があります。
下での価格と比べると、恐らく4〜5倍です。でも仕方ありません。全て人力で運んでいるのですから納得です。
とにかく途中からコーラが飲みたくて、飲みたくて。真っ先に売店でコーラを購入し、人生で最も美味いコーラを飲みました。
「LABAN RATA」での食事
キナバル山の登山を申し込むと、ランチ弁当やラバンラタでの食事は含まれています。
到着しての夕食はビュッフェスタイルです。
これが意外に、というとアレですが、山小屋の食事ですが、とても美味しかったのです。
ラムにビーフにチキン。特にラムが美味しかったです。
空芯菜? ローカル野菜も美味い!
フルーツもパイナップルが美味しかったですよ。さすが南国。
コーヒーや紅茶も。
1杯目。UFO的な麺の焼きそばが美味しいね、と熊山さんと。
2杯目。焼きそばお代わり。そしてできたて熱々のラムも!
〆はフルーツとコーヒーです。パイナップル甘すぎて美味しい。
キナバル山と高山病
ここまで一切触れませんでしたが、もちろん標高3,000mを超える山ですので、キナバル山でも高山病になる人がいます。幸いなことにゆっくりペースだったためか、ぼくは高山病の兆候もありませんでした。
同行した小林さんはかなりの登山経験者ですが、体質なのか、山小屋に到着したあたりから頭痛を発症してしまいました。早寝して翌日には回復しましたが。
高山病ではありませんが、空気が薄いことを感じるシーンはたびたびありました。それは写真撮影のタイミングです。シャッターを切る際に息を止めるのですが、それだけクラクラとくるのですね。頭がふわ〜となるんです。その時ばかりは、酸素が薄いことを痛感しました。
キナバル山の夕焼け
標高3,272.7m、山小屋ラバンラタからのキナバル山の夕焼けの景色です。
自分の足でたどり着いた景色。眼下に広がる雲。
オレンジ色に染まる雲。忘れません。
宿泊は「Pendant Hut(ペンダントハット)」
ランバラタで宿泊したのは、ドミトリーの「Pendant Hut(ペンダントハット)」です。本来はヴィアフェラータアクティビティに参加する人専用の宿のようですが、地震の影響で宿泊施設が少なくなったので、もしかするとそれ以外の人も泊まれるようになっているのかもしれません。
ランバラタからペンダントハットまでは5分ほど登ります。普段ならなんてことない距離ですが、ここまで登った後はきつかったです。
入口で登山靴を脱ぎ、サンダルに履き替えて室内へ入ります。
入口すぐにはテーブルの並んだリビングがあります。ここでは早朝食や朝食を食べます。
ヴィアフェラータアクティビティの開発に協力したらしい4賢者たち。日本人プロフリークライマーのYUJI HIRAYAMA氏も名を連ねます。
だからかもしれませんが「OYAYUBI」という部屋もありました。
宿泊はドミトリー。男女相部屋です。2段ベッドに寝袋が置かれ、どこで寝るかは早い者勝ちです。寒いかと思いきやそんなことはなく、翌朝はみんな「2時くらいから暑くなった」と言っていました。暖房施設があった訳でもないと思うので、宿泊者が一斉に熱を持ち始めたのでしょうか。
20時過ぎにベッドに入り、1時半まで眠りました。途中、疲労のせいか、高熱があるときのように不思議な夢をたくさん見ました。
ちなみに、ペンダントハットの下にはマレーシアで最も標高の高いところにあるポストがあります。ポーターが代理で回収するのではなく、郵便局員が登ってくるそうです。
1時半にみんな起床してきました。ぼくの左足の痛みも、いくぶん引いたようです。
お湯が使えて、用意されているスティックコーヒーを飲むことができます。
早朝食は食パンです。
カフェオレにピーナツバター、ジャムで食べました。
キナバル山登山の山小屋から山頂まで
2:30 ペンダントハットを出発
真っ暗闇の中、山小屋を出発しました。
ヘッドライトの明かりを頼りに、山道を登っていきます。この時、左足の痛みが復活してしまい、かなり歩くスピードはゆっくりになってしまいました。しかし、自分のペースで進んでも着くだろうということで、少しずつキナバル山を登って行きました。ゆっくり、ゆっくりと。
どんなところを登っているのか真っ暗で検討もつきませんでしたが、どうやら草木がなくなり、岩肌になっているらしいことは分かりました。
設置されているロープを使わないと登れないようなところもありました。
7km、3653m。登り始めてから2時間、4時24分でした。
途中、チェックポイントと呼ばれる場所を通過します。ここでIDカードを提示します。
徐々に夜が明けていきます。
完全に登っているところは岩肌です。
キナバル山から見える朝焼けです。
8.0km、3929m。5時46分。富士山の標高を超えました。
サウスピーク。
朝焼けをバックに記念撮影しました。サバ州政府観光局のHaradaさんとギンスンさん。この2人が一緒に登ってくれなければ、ぼくは山頂まで辿りつけなかったでしょう。
朝焼けの雲海。
目指す山頂がようやく見えてきました!
朝日に照らされ輝く岩肌が美しいです。
山頂に向けて歩みを進めますが、最後の最後が難所に思えます。ぼくは高所恐怖症なのです。あの岩山を登り切ることができるだろうか‥‥不安になります。
8.5km、4008m。6時19分、ついに4,000mを超えました。
4,000mからの景色です。
心臓をバクバクさせながら、最後の岩山にとりかかります。少しでも呼吸を誤ると、ふらりと後ろに倒れてしまいそうな感覚になります。自分の中にある恐怖心と闘いながら、登りました。
ついに、その瞬間はやってきました。
6時53分、4095.2mのキナバル山の山頂に到達しました!!!
実に山小屋をスタートしてから4時間半かかりました。
すぐ横が断崖絶壁になっており、感動半分、恐怖半分といった心持ちでした。登頂したのは嬉しいけれど、早く下山したいという気持ちにも。
登り始めてすぐに足を痛めてしまい、かばいながら山小屋に到着しました。数時間で回復するわけもなく、山頂へ向けての登山を開始。途中、何度か心折れそうな場所はありました。登っても登っても近づかないチェックポイントの明かり。ああだめかもしれない。でも頑張りたい。そんな気持ちのせめぎあいでした。
でも、無謀な挑戦とも思いませんでした。一歩一歩進めば、必ずゴールに到達するいう確信のようなものもあったからです(何時間かかるか分からないけれど)。妥協したい自分と、最後までやり遂げたい自分の戦いだったのだと思います。山頂に辿り着いた瞬間、少し涙がこぼれました。
Haradaさんは、なんと今年2回目のキナバル山登頂。
小林さんも体調回復。
下山途中、すぐのところにある祈りの泉で地震で亡くなった被災者に線香を手向けました。
キナバル山を下山
暗くてよく見えなかった場所の帰りの写真です。明るければこんなところを登ってきます。
チェックポイント。
キレイなトイレもできていました。
ランバラタが見えます。
地震で崩れた岩。
山小屋に戻ったのは10時15分頃でした。恐らく7時30分くらいに下山を開始したので、ここまでで2時間45分です。
朝食を食べ、さらに下山を開始したのが10時45分でした。登山口に戻ったのが15時45分でした。最後の1kmで雨に降られました。
キナバル山登山の所要時間
キナバル山の山頂まで登山し戻ってくるまでの所要時間をまとめると次のようになります。
1日目 6時間30分
2日目 4時間30分+2時間45分+5時間=12時間15分
合計 18時間45分
普段、登山をしていない43歳のオジさんの記録です。恐らく山に慣れている人であれば 3〜4時間くらいは早いのではないかと思います。コチラの記事も参考になるかと思います。残念ながら山頂目前で断念する人もいます。
キナバル山登山を終えて
登り終えた瞬間は「もう二度と登らない」と思っていた自分がいるのですが、翌日になると「また行きたいな」という思いに変化したので、登山は本当に不思議なものなんだな、ということを実感しました。他では見られない景色を見たり、素晴らしい体験があったりもしたけれど、反面、あんなに辛かったのに。大変だったのに。でもまたキナバル山に行きたいと思っている自分がいます。
キナバル山は4,000m級の山ですが、山初心者にとっても登りやすい山だったのだと思います。
・登山道が整備されている
・必ずガイドがつく
・人数制限がある
山道も人で渋滞するようなことはなく、心強いガイドと共に安心して登山することができます。それなりに岩場もありますが、ゴリゴリの装備をしなくても登れる山でもあるでしょう。海外登山に初挑戦してみたい人や、そもそも登山に挑戦してみたいという人、世界遺産に登ってみたいという人にも、キナバル山はオススメの山なのではないかと思います。
今後、海外登山、登山に挑戦する人の参考になれば幸いです!
#マレーシア・サバ州政府観光局(Sabah Tourism Board)の招待によりコタキナバルを旅してブログでレポートします。
旅のまとめ動画
前半にキナバル山登山も出てきます!
▼4095mキナバル山登山から-15mダイビングまで5泊6日を6分38秒で!マレーシアサバ州コタキナバル旅 – YouTube
撮影に使用したカメラアプリは「QueuingCam(キューイングカム)」です。
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