時とともに日本語の意味は変化していきますが、文化庁が実施する国語に関する世論調査を見ていくと、それがよく分かります。例えば「なし崩し」の本来の意味は「少しずつ返していく」なのですが、分かる人は19.5%に留まったそうです。スミマセン、ぼくも勘違いしてました。
「なし崩し」本来意味正しく理解は2割、文化庁調査という記事になっています。
借金の「なし崩し」や「げきを飛ばす」の本来の意味を理解している人が2割程度にとどまり、指揮をすることを意味する「采配を振る」を「采配を振るう」と認識している人は5割超を占めることが25日、文化庁の2017年度国語に関する世論調査で分かった。
「なし崩し」が、まさか借金を「少しずつ返していく」ことだったとは。「なかったことにする」だと勘違いしていました。きちんと理解している人は19.5%で、勘違いしている人は65.6%にも上ります。
他にも次のようなものがあります。
檄を飛ばす → 自分の考えを広く人々に知らせ同意を求める
やおら → ゆっくりと
他にも次のようなものが過去にはありました。
噴飯もの → おかしくてたまらないこと
役不足 → 力量に比べて役目が不相応に軽いこと
気が置けない → 遠慮したり気をつかったりする必要がなく心から打ち解けることができる
憮然 → 失望・落胆してどうすることもできないでいるさま
煮詰まる → 討議・検討が十分になされて結論が出る段階に近づく
姑息(こそく) → 一時しのぎ
にやける → なよなよしている
まったり → 柔らかさのなかにコクがある様子
割愛 → 惜しいものを手放す
いかがでしょうか? 本来の意味で理解していたでしょうか?
日本語は変化していく
ただし日本語は変化していくもので「檄を飛ばす」本来の意味とは?でも書いたのですが「檄を飛ばす」や「姑息」「憮然」などは誤用が定着しつつあるようです。
一方で、2017年度の長沙では、言葉を大切に思う傾向が強まり「正しく使うべきだ」と考える人は、同じ質問をした9年前より大幅に増えているということです。
「日本語は変化するもの」という認識が広まったと思っていたのですが「正しく使うべきだ」と考える人が大幅に増えたのは興味深い傾向です。