「森記念秋水美術館」刀剣乱舞ファンも訪れる日本刀の美術館

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森記念秋水美術館」は富山県富山市千石町にある美術館です。なんの美術館でしょうか? 実は「秋水」というのは、日本刀のことです。つまり「森記念秋水美術館」は日本でも珍しい、日本刀専門の美術館なのです。

最初は「日本刀の美術館のどんなところが楽しいのだろう‥‥」と思っていたのも事実です。しかし、学芸員さんの巧みな話術と知識により、日本刀の見方、魅力が分かり始めると、なるほど日本刀を見比べる楽しさの入口に立つことができたのです!

日本人なら時代劇などで日本刀を目にする機会こそ多いと思いますが、日本刀の見方や魅力などについての知識はないという人がほとんどではないかと思います。しかし、昨今はアニメ「刀剣乱舞」などの影響もあり「森記念秋水美術館」に足を運ぶ若い女性も増えているんだそうですよ!

それでは少しだけ、日本刀の魅力に迫ってみたいと思います。

「森記念秋水美術館」は「秋水」の美術館

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「森記念秋水美術館」は2016年にオープンしたばかりなので、まだとてもキレイな美術館です。黒を基調としたデザインは、どっしりとした重厚感のある印象を見る者に与えます。

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アクセスは富山駅から徒歩でも20分。セントラムを使えば10分ほど(200円)。富山駅からは直線ですし、途中には富山城址公園や富山市郷土博物館などの見どころもあります。富山市ガラス美術館と美術館のハシゴをするのも良いでしょう。

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カフェも併設されていますので、歩き疲れたらこちらで一休みもできますね。

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ミュージアムショップもあります。

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刀剣をテーマにしたガチャガチャがあるのもユニークでした。

館内には、コレクションを展示するため「森記念秋水美術館」を設立した森氏の肖像画があります。

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リードケミカル株式会社の森政雄代表取締役会長が収集してきた刀剣などの美術品を公開することために設立されたのが「森記念秋水美術館」です。

日本刀 地鉄の秘密 刃文の不思議

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訪れた際の開催中だった展示は「日本刀 地鉄の秘密 刃文の不思議」です。期間は2018年5月27日までで、この間にも展示されている刀剣は何度か入れ替わるそう。

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刀剣ビギナーのために、鑑賞のポイントがまとめられたものもあります。併せて学芸員の方の説明によれば、次のような魅力があるとのことでした。

・刀は何度も折り重ねながら作る
・模様が刀鍛冶によって違う
・その味わいが面白い
・刃文の模様も様々
・違いを見て楽しむ

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この説明を聞いている時は「そんなものなのかなぁ」と思っていたのですが、実際に説明を聞きながら刀剣を見比べるとその違いがよく分かり、見学が終わる頃には刀剣に興味を持っている自分がいることに気づきました。

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「森記念秋水美術館」はただ単に刀剣を並べるのではなく、照明や展示方法にもこだわっています。学芸員の方は、全国の美術館の中では見やすさはトップレベルと自負しているとおっしゃっていました。

照明はメーカーと共同開発した刀剣専用のLEDライトです。これは、昔はロウソクの光で刀剣を鑑賞していたので、LEDライトをロウソクに近い波長にしているのだそうです。かつては白熱電球を使用していましたが、それをLEDで再現できるよう開発したとのことでした。

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それぞれの刀剣の前はカウンターのようになっており、これにも意味があります。カウンター部分に肘をついて見ることで、下から刀剣を覗き込むことができるようになります。

これは刃文を見るなら上から、地金を見るなら下からという、刀剣の鑑賞の仕方によるものなのです。輝いて見えるのが刃文、木目のような文様が地鉄です。

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ひと口に日本刀と言っても「刀」と「太刀」で違いがあることをご存知でしょうか? この写真は「太刀」です。

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そしてこちらが「刀」です。

何が違うかというと、置いている際の刃の向きが違います。これは腰にさした時の刀の向きでもありますが、主に「太刀」が騎馬戦で使われたもので、戦国時代を境に「太刀」は廃れていったそうです。鉄砲の伝来により騎馬戦をしなくなったからですね。日本刀が好きな人は、展示の方法でひと目でそれが「太刀」か「刀」か分かるというわけです。

それでは「太刀」と「刀」をどう見分けるかということですが、柄の部分に刀の銘が掘っており、それが見せる方向で刃の向きが決まるということでしたし、腰にさす「刀」は抜いてすぐに使えるように刃を上に向けて持つということでした。

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今回の展示の中で最も高価と思われる、目玉展示の「正宗」です。

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もちろん貴重な刀ですが、今回の展示の中ではまずまずの刀と見比べると、確かに刃文の部分の美しさの違いがあることが分かります。刃文が滑らかな「正宗」に対して「兼」はギザギザしています。なるほど、こういうところを見比べるのが日本刀鑑賞の1つの楽しさなのです。

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これは名前を聞いたことがある人も少なくないと思いますが「妖刀」として有名な「村正」です。徳川家に祟ると家臣が噂し、家臣が「村正」を持つのはタブーになったことから「妖刀」と呼ばれるようになったそうです。

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滑らかな刃文が美しいですね。

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天皇家には専属の刀鍛冶がおり、これは皇太子(今上天皇)に献上されたという太刀です。

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柄の部分には「皇太子殿下」と掘られているのが分かります。なぜそんなに貴重なものが出回っているのかと思ったのですが、日本刀というのは、何振りか作られるもので、最も良いものが「真打ち」と呼ばれるのだそうです。実は落語の「真打ち」はこれに由来しています。そして、市中に出回るのは「影打ち」と呼ばれるそうです。

学芸員の方から日本刀の鑑賞は「鉄に美を見出すアート」と教えていただきましたが、これだけの数の刀、太刀を見ると、確かにそれぞれの違い、味わいが分かり、これまでは知らなかった刀剣の魅力に引き込まれていくのが分かりました。

ゲーム「刀剣乱舞」の影響で、若い女性が1人で刀剣を見に「森記念秋水美術館」を訪れることも増えているのだとか。

安達博文の世界展

2階は刀剣の展示が常時、行われていますが、3階の展示室は展示が入れ替わります。

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今回、開催されていたのは富山県出身の画家である安達博文による「安達博文の世界―僕の中のぼく―」展です。

安達博文は1952年富山県朝日町に生まれ、東京芸術大学院を修了後、文化庁派遣芸術家在外研修員となり、イタリア・フィレンツエに留学。97年には第40回安井賞展で栄えある特別賞を受賞。以来、全国を舞台に活躍している作家です。

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9メートルのロール紙に描かれた絵日記。半年間分が描き入れられるそう。

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他にも、年ごとに印象に残ったことが描いた絵画などの展示も行われています。

こちらは2018年5月27日までの開催となっています。

33富山旅、美術館巡りでスタンプ

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自由にスタンプの押せるアートブックがありますので、美術館巡りをしている人はぜひこちらも手にとってみてください。

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スタンプラリーというよりはアートブックなので、用意されているスタンプを自由に押し、自分なりのアートブックを作り上げます。

「森記念秋水美術館」の入館料・住所・地図

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「森記念秋水美術館」の入館料は一般1,000円、高校生500円、中学生以下は無料です。

>>森記念秋水美術館 -MORI SHUSUI MUSEUM OF ART-

住所:富山県富山市千石町1丁目3番6号

「大人の遊び、33の富山旅。」富山プレスツアーについて

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