マレーシアはコタキナバル、滞在3日目は「北ボルネオ鉄道」蒸気機関車の旅に行ってきました。日本でも蒸気機関車に乗ったことがありますが、ただ乗るだけではなく、途中下車して観光したり、お茶したり、食事したりしながらの往復になります。座席も指定席で、少しリッチな気分で鉄道旅を楽しむことができるのです!
それでは、写真レポートで「北ボルネオ鉄道」の旅の様子をご紹介します!
「北ボルネオ鉄道」の駅は、コタキナバルの市街地に近いところにあります。空港の近くです。宿泊していた「Horizon Hotel」からは、クルマで10分くらいでした。9時半から乗車が可能で、10時出発です。これはチケット販売所です。
今回はチケットをパスポートに引き換えるだけでしたが、席が限られるため、予約は必須だと思います。週に2度、水曜日と土曜日に乗れます。
これがパスポートと呼ばれるチケットです。日本の10年パスポートとそっくりで、同じ場所に入れていると、ちょっと間違えてしまいそうです。
「北ボルネオ鉄道」の駅舎です。マレーシアとサバ州の国旗が掲げられています。
いざ、ホームへ!
ああ、なんかめっちゃテンション上がります! まだ蒸気機関車も見ていないのですが、テレビで観ていたような、外国の旅情緒に溢れていて、妙に興奮するのです。
座席は完全に指定席となっています。スタッフに声をかけると、席まで案内してくれます。今回は、手前が行きの席、奥が帰りの席となりました。行きと帰りで席がチェンジするのも、嬉しい配慮ですね。
席を確認すると、慌てて先頭車両の蒸気機関車の写真を撮影しに行きました。黒に赤というカラーリングがカッコいいです。
これが製造した会社の証明書でしょうかね?
蒸気機関車を走らせる乗務員の方をパチリ。恐らく、右のおじさんは記念撮影で上がっているのだと思います。日本だと運転席に入るなんて考えられないかもしれませんが、ここはけっこう牧歌的です。
オイルを補充している様子も間近で見られます。残ったオイルは車輪と車輪を動かす長い鉄の棒(?)あたりにドバドバとかけていました。
ああ、この先に進んでいくのだなぁ、なんて物思いにふけっていると‥‥
スタスタとおじさんが線路に降りていくので、着いて行って写真撮影してしまいました。かなり牧歌的です。
運行している鉄道の線路に立ち入るなんて、なかなかできませんよ!?
誰もガツガツしていない、こののどかな雰囲気がとても素敵に感じました。
改めてパスポートを確認します。駅を通過、または停車すると、乗務員がやってきてスタンプを押してくれるシステムです。
スケジュールとマップはこのようになっています。10時に出発、途中下車を一度挟み、11時45分に目的地であるPapar Townに到着です。コタキナバルから、海沿いを南下していく感じです。そしてランチを食べながら、復路を折り返してきます。
いい雰囲気なんですよね、本当に。日差しも強く、南国の鉄道です。列車もかわいいし、乗務員の服装もかわいいし、駅もかわいいし、あらゆるものがフォトジェニックなんだと気付きました。
これは車両の一部にある、コーヒーやジュースを準備するスペースです。
トイレもあるので、グビグビとドリンクを飲んでも安心です。
各車両には、沿線にある町(駅)の名前が付けられています。
ぼくが乗車したのはPUTATANでした。
乗客はイギリスからの観光客が多いと聞きましたが、日本人のファミリーや、アジア系の観光客も多くいたと思います。特に、コタキナバル自体にも、今は中国からの観光客が多いそうです。
家族連れもいたのですが、夫婦で旅をしている人が多い印象でした。いつか、ぼくも夫婦でこんなところを旅してみたいと思います。あ、でもやっぱりまずは家族で来たいな。子供にこの汽車旅を経験して欲しいです。
さて、ここがぼくの座席です。どの席もそうだと思うのですが、ちょっと足元が窮屈なんですよね。ちょっと出入りが厄介ですが、でも慣れれば大丈夫。
着席した時には、こんな感じでカップなどがセッティングされていました。
ウェルカムドリンクも出てきます。なんというか、いたれりつくせりなんです。
メニューを見ると、ブレックファストとランチとありました。朝食まで出てくるんだ! と、朝御飯をもりもり食べてしまったことを少し後悔しました。
10時に「北ボルネオ鉄道」の蒸気機関車に引かれた列車は駅を出発、まずは市街地を抜けていきます。これはコタキナバル空港の滑走路の横を通過するところです。
すぐにパンが出てきました。こ、こんなに!?
でも、どのパンも美味しくて、全部食べてしまったんですよ。我ながら、この時ばかりは食べ過ぎていると思いましたね。
ジャムやバターも、色々と取り揃えられています。
これはコタキナバル空港です。
途中、駅を通過すると乗務員がスタンプを押しに来てくれました。
列車は進むよ、どこまでも〜♪
ちょっと身を乗り出しているような写真なのですが‥‥実際に、わずかですが身を乗り出して撮影しています。
だって、暑いからってドアが開きっ放しなんですよ!
日本だと考えられないですよね〜。かといって、無茶する人がいる訳でもなく。ベストポジションから思う存分、動画や写真を撮影することができました。
頭の中には、ずっと「世界の車窓から」の音楽が流れています。
この、カーブからの写真も良いですよね!
このあたりツイキャスしていました。マレーシアからでも、ちゃんと3Gでツイキャスできました!
最初の停車駅であるKinarut Townです。
駅前には、第二次世界大戦で残ったという建物がありました。
線路を渡り‥‥といっても、なんとなく横断している感じなのですが、とにかく牧歌的な感じで、すぐそばの寺を見学しに行きます。
鎮南寺(Tien Nam Shi)という寺です。
この街には、中国系の住民が多いのだそうです。
先ほどの建物のそばで見つけた、ミネラルウォーターの自動販売機です。水筒などを持ってきて、自分の容器に水を入れるのだとか! なるほど、こういうシステムもあるのですね。
日本でいうおもちゃ屋さんでしょうか?
どこに行ってもあるSIMカード屋さん。
20分ほどの途中下車の旅を終え、汗をかきかき「北ボルネオ鉄道」に戻ると‥‥
テーブルの上には、冷たいおしぼりが用意されていました!
なにこのホスピタリティ!! 感動しました!!
途中、小学校の横を通りました。
みーんな、列車に向かって手を振ってくれるんです。ささいなことなんですけど、嬉しいです。楽しくなっちゃって、行きも帰りも、たくさんの子供に手を振りまくりました。みんな、笑顔で手を振り返してくれました。
マングローブの森なども抜け。
大きな高校の脇を過ぎると!
お土産屋さんが回ってきました。用意周到です。キーホルダーや絵はがきのようにちょっとしたものから、帽子やタオルといったものまで、ロゴ入りグッズが用意されています。
既に乗客は「北ボルネオ鉄道」の世界に入り込んでいる訳ですから、こりゃあ、買っちゃいますよね〜。
そして「北ボルネオ鉄道」の旅は続きます。続くんですが、思っているよりも遥かに早く、時間が過ぎていきます。間違いなく、旅が充実している証拠です。
あまりにもテンションが上がりすぎてしまったので、少し落ち着くためにクールダウンしました。お馴染みのTigerビールです。
田んぼの横も通りすぎました。
また駅を通りすぎたので、スタンプです。
鉄橋を通れば、目的地のPapar Townです。
「北ボルネオ鉄道」は単線のため、この終着駅で、ターンテーブルを使った蒸気機関車の方向転換が見られます。蒸気機関車を前から後ろに、方向を変えます。生ターンテーブルですよ!
列車から降りると、すぐに方向転換の作業が始まります。あれに見えるは転車台です。大宮の鉄道博物館でしか見たことないかもしれません。
ターンテーブル(転車台)で蒸気機関車が方向転換する様子は、ツイキャスに収めているのでぜひご覧ください!
蒸気機関車の方向転換を見たら、橋を渡り、30分弱の途中下車の旅に出発です!
Papar Townでの滞在時間は約30分、ターンテーブルでの蒸気機関車の方向転換を見た後は、残り時間でマーケットを見学しました。
日用品、雑貨やお菓子などの他、生鮮食品なども売られています。
特に、カレーの香りのするあたりのコーナーは気になりました。そういえば、今回の旅行中はどんだけカレーを食べたことか。色々な宗教の人がいるし、色々な国から観光客がくるので、最大公約数的にカレーが良いのでしょうかね。
地元の野菜も売られています。
ここは日本で言うところの駄菓子屋さんといった風情でしょうか? ビビッドで懐かしいパッケージの色合いのお菓子が並んでいます。
おもちゃも、なんだか懐かしいような、そうでないような!?
どこかで見たことあるような、そうでないような!?
子供が遊ぶおもちゃというのは、世界共通なんだなぁ、と思ったり。もしかすると、日本のおもちゃがベースになっているのかもしれませんが。
と、そんな駄菓子屋さんで購入したのがこちら。見つけて、真っ先に選びました。日本でも子供ドリンクの定番「ミロ」です。「ORIGINAL」と書いてありますが、モカバージョンもありました。
日本では、缶のミロなんて見たことなかったのですが、マレーシアでは一般的!? 味はもちろん、普通のミロでした! 冷えてて甘くて美味い!
こうしてマーケットを見学するのって、外国からの観光客が築地を見学するような感覚に近いのでしょうかね‥‥なんてことを思いながら、マーケットを後にしたのでした。
駅に戻ると、ローカル列車が発車する寸前でした。
エアコンの搭載された車両です。
ディーゼルエンジンで、煙がもくもく出ていました。
ローカル列車を見送り「北ボルネオ鉄道」の座席に戻ったら、テーブルクロスがセットされ、なんとランチが用意してあったのです!
しかも、なんだか弁当箱が4段じゃないですか!
これは想定外だ!
イギリス領時代の文化であるコロニアル風な積み上げ式のお弁当箱は「Tiffin」というそうです。
重箱というカルチャーがある日本人にとっても、この段々重ねの弁当というのはテンションが上がりますよね。4段を独り占めとか、見たことないですし!
ランチのメニューはこちら。
パカッ!
う〜ん、ビューティフル!
ご飯にスープ、肉料理にフルーツと、美味く4段が使い分けられています。
Chicken Biryani Rice
Mixed Vegetables with Prawns
Chicken Satay, Cucumber & Pineapple Salad, Fried Spiced Mackerel Fillet
Fruits
食事をしていると、蒸気機関車が進行方向に移動していくために、横を通りすぎていきました。方向転換だけして、まだ移動していなかったのです。
程なくして出発です。来た線路を戻っていきます。
帰りもツイキャスしています。
行きは真っ暗だったトンネルの中でしたが、帰りは照明がつきました。真っ暗なのも悪くなかったですけどね。
シュッシュッシュッシュッ♪
蒸気機関車は、本当にシュッシュッという音を立てて進むんだということが、しみじみ分かりました。もと来た線路を、戻ります。
もうじき到着だな〜、なんて思っていたところに、最後にアイスまで出てきてビックリ!
本当にいたれりつくせりです。
バニラとチョコとストロベリーなこの感じ、日本ではあまり見かけなくなった(?)、懐かしい感じのアイスでした。味も含めて。暑いので美味しかった!
コタキナバルの町に近づき、いよいよ「北ボルネオ鉄道」の旅も終わりを迎える時間です。名残惜しすぎます。
「WELCOME TO KOTA KINABALU」
嗚呼!
駅が見えてきてしまった!!
まだまだ乗っていたい!!
と思ったのですが、蒸気機関車はゆっくりと駅のホームに入線していきます。繰り返します、名残惜しすぎる。こんなに充実した列車の旅は、これまでの人生で初めてかもしれません。
最後は乗務員のみなさんにご挨拶です。左端のおじさん、ぼくに気を遣って、何かあると「Masato, OK?」と声をかけてくれたんです。もちろん帰り際のこの時にも。短い時間でしたけど、本当に嬉しかったです。ありがとう、おじさん。
日本でも蒸気機関車に乗ったことがありますし、だから最初はちょっと舐めているところがあったのですが、全てを堪能した後には考え方は全く変わってしまいました。これは素晴らしい旅です。「北ボルネオ鉄道」ならではのホスピタリティは最高です!
最初に”牧歌的”と書きましたけど、決して無理、無茶する人のいない、ジェントルな旅路でもあると思うんですね。時間はゆっくり流れ、そこに上手に身を任せることのできる人たちが集まっているという。
「俺が、俺が!」という暮らしに少し疲れたならば、コタキナバルまでブーンと飛んで、ゆっくり「北ボルネオ鉄道」に乗ってみて下さい。「そこまでするの!?」と思うかもしれませんが、そこまでする価値はあると思います。
また乗りたいです「北ボルネオ鉄道」に!