世界最大のフルーツスピリッツの会社「R.JELINEK(イェリネック)」はチェコにある #チェコへ行こう #cz100y #Zlin #ズリーン

世界最大のフルーツスピリッツの会社「R.JELINEK(イェリネック)」

ハードリカーやフルーツを使ったお酒が好きならば、チェコのズリーンのほど近くにある酒造メーカー「R.JELINEK(イェリネック)」を訪れてみるのはいかがでしょう?

フルーツスピリッツの伝統が最もあるのは中央ヨーロッパ、まさにチェコのあたり。「イェリネック」はフルーツスピリッツの会社としては世界最大の規模を誇り、プラム(梅)やアプリコットのお酒を醸造しています。

世界最大のフルーツスピリッツの会社「R.JELINEK(イェリネック)」
ショップ

工場見学に入る前に代表的なブランドの「スリボビッツェ」が振る舞われました。これをカツーンと一気飲みするのがチェコスタイルですが”家”に入る前にお酒が振る舞われるのには意味がありました。

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あとで教えて頂いたのですが、モラヴィア人(チェコ共和国モラヴィア地域の民族学的集団)は家に入る前に乾杯し、味があえば仲良くなって家に入る、という風習があるのだそう。つまり、これはモラヴィア人としての風習だったというわけです。

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カツーンと景気よく「スリボビッツェ」を飲み干した我々は、無事に工場に迎い入れて頂くことができました!

「イェリネック」では年間に6,500トンのフルーツを使います。70%がプラム(梅)、20%がアプリコット、10%がその他のフルーツで、割合が大きいのはプラム(梅)です。

昨今ではフルーツの供給者が減ってきたことから、自社製品も行っているとのことでした。

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工場とは別に小さな蒸留設備があります。これはどのように利用されているのでしょうか?

チェコ人は自家製のアルコールを作っているそうで、これはフルーツを持ち込みするとスピリッツを作ってくれる装置だったのです。

通常はアルコールにかかる税金は1リットルあたり295コルナですが、自家製のフルーツスピリッツなら半分となるのだそうです。

フルーツを持ち込んだら発酵に5週間をかけ、さらにこの機械に入れて200kgのフルーツであれば4時間で完成するのだそう。それを寝かし1年後に飲めるようになります。10リットルのお酒をつくるには100kgのフルーツが必要です。

フルーツは同じ種類でも、採取された時期や場所が違うと、味も変わってくるのだそう。今年は暑かったため、甘いお酒ができるようです。

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「R.JELINEK(イェリネック)」はバチャと同じ1894年に誕生しました。それを1921年にユダヤ人のイェリネックファミリーが買収しました。

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1928年に「コシェル(カーシェール)」のスピリッツを作ります。「コシェル(カーシェール)」は「カシュルート(ユダヤ教の食のタブー)の規則に従う食品」で、それに対応したスピリッツを作ることで、1929〜30年の景気が悪い時期を乗り越えることができたのだそうです。

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アメリカは1934年までアルコール禁止で、解禁と同時に「スリボビッツェ」を宣伝することで「R.JELINEK(イェリネック)」はアメリカで大成功を収めます。現在でもチェコの次に大事なマーケットになっています。

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ちなみに「イエリネック」は「小さい鹿」という意味なのだとか。そのためトレードマークには鹿が描かれています。

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1948年に共産主義革命で「R.JELINEK(イェリネック)」は国有化されました。その後、共産主義時代はいろいろな大きな会社の子会社でした。

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1998年のビロード革命で自由主義になり、1999年に「R.JELINEK(イェリネック)」は再び民営化されます。

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現在では「R.JELINEK(イェリネック)」はチェコの中で4番目に大きいお酒関係の会社となっています。100パーセントチェコ人が持っている会社の中では2番目の大きさで、ブルガリアやチリにも醸造所があるということです。

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「R.JELINEK(イェリネック)」の見学コースはいろいろあって、大人140コルナくらいからとなります。事前予約が必要です。

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「GoldCock」というシングルモルトウイスキーも作っており、これは元々は別の会社のものが移ってきたのだそう。

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ウイスキーのケグの数は705樽(1つ270リットル)。チェコの大麦を使っています。ケグもチェコの木材(かしの木)を使用しています。

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1年に15,000ボトルくらいを製造していますが、ターゲットはウイスキーコレクターだそうです。

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ユニークだと思ったのはサポーターズクラブがあることで、サポーターは「イェリネック」のウイスキーのアンバサダーとして活動します。

その代わり年に2回、サポーターはここで無料でプライベートパーティーをすることができるのです。食事、2リットル(スリボビッツェ)付き。

毎年のメンバーフィーは3,500コルナ(2万円弱くらい)で激安だと思ったのですが、やはり人気があり、長いと15年くらい待つそうです。350人がマックスなので、亡くなる人や卒業する人が現れないと入れないのだとか。これはなかなか興味深い仕組みだと思いました。

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「GoldCock」も試飲させて頂きましたが、薫りが高く、飲み口はすっきりとしたウイスキーでした。クセがないのでハイボールにすると美味しそうです。価格は3,000円くらい。

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梨がボトルに入っているお酒もあります。現在はボトルの底から梨を入れているそうですが、かつては梨の木にボトルをつけ、その中で梨を育てたんだとか!

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残念ながら「R.JELINEK(イェリネック)」は日本未進出なのですが、既に交渉は始まっているようで、いつの日かチェコのフルーツスピリッツが日本でも飲める日がやってくるかもしれません!

>>RUDOLF JELÍNEK – RUDOLF JELÍNEK

>>RUDOLF JELÍNEK – Distillery Land

住所:Razov 472, 763 12 Vizovice

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チェコ政府観光局の招待により、建国100周年のチェコを取材しています!

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