チェコといえばビール。チェコは日本でも大手ビールメーカーが醸造している、ピルスナービールの生まれ故郷でもあります。ピルスナービールは世界中で飲まれているビールで、大げさな言い方をすれば”ピルスナービールの聖地”ともいえるのが、この「ピルスナーウルケル醸造所」です。
「ピルスナーウルケル」というのは、この醸造所でつくられるビールの名前でもあり、チェコのレストランではほぼこのビールを飲むことができました。チェコ語では「プルゼニュスキープラズドロイ(Plzeňský Prazdroj)」と呼ばれたりもします。
1839年に市民がビール醸造することを決め、ドイツからブラウマイスターのヨゼフ・グロルを招聘します。そして1842年にこれまでにないビールが誕生しました。それが「ピルスナーウルケル」で、現在は50カ国以上に出荷されています。
「ピルスナーウルケル醸造所」を工場見学
まず初めにガイドの方から説明があったのは「ピルスナーウルケル」が大事にしているものが3つあり、それが門、水道塔、そして煙突だという話がありました。
これが入口にある門です。
そして、これが煙突と水道塔です。いずれも歴史を感じさせる、重厚な建築物です。「ピルスナーウルケル」の歴史を眺めてきたのでしょう。
ビジターセンターからバスに乗り、到着したところから「ピルスナーウルケル醸造所」の工場見学のはじまりです。見学ツアーの価格は大人200コロナです(日本円で約1,000円)。
これが「ピルスナーウルケル」の工場の全体像です。先ほどの写真でいうと、水道塔の右側になります。ここに行くだけでもそれなりに歩くので、移動はバスでした。
2004年から新しい工場が稼働しており、1日100万リットルが生産されています。ボトルの数では200万本にもなります。
ロシアだけは材料を輸出し、ロシアでビール醸造を行っているとのことでした。水が違うので、味の調整を施しての生産になります。
別の棟に移動し、ビール醸造の行程を見学します。水は軟水で、地下100mから汲み上げています。「ピルスナーウルケル」の味を決める重要な要素の一つです。
イーストはこの工場で作っていますが、万が一のために4カ所にサンプルを置いているそうです。プルゼニュ、プラハ、ロンドン、そして東京です。なぜ東京かというと、アサヒビールが2016年12月に「ピルスナーウルケル」を買収したからなのです。
余談ですが、現在でも販売はされているのですが、いつか日本でも手軽に「ピルスナーウルケル」が飲めるようになる日がやってくるのでしょうか?
プロジェクションマッピングで黒板にチョークで描くように説明されるビール醸造行程は、仕組みとして今風、圧巻でありました。古典的な糖化方法を3回繰り返すことが説明されます。
一通りの工場見学をした後は、お待ちかねのビールの試飲です!
と思いきや、ここから先もけっこう長かったのです。
これは日本酒でいうところの杉玉のようなもの? 地下への入口です。
坂を下り始めると、どんどん室温が下がっていくのが分かります。この日はとても暑い日で軽装の人が多かったですが、中は半袖だと寒いくらいでした。
横に伸びる通路にも目をやりつつ、どんどん進むのですが、かなりの広さの地下通路です。知らないで迷い込んだら、戻ってくる自信はありません。
これが地下の貯蔵室のマップですが、奥まで行くととにかく遠い‥‥というようなことをガイドさんは言っていました(確か、北極くらい遠い‥‥と言っていたような記憶が‥‥)。
角を曲がると、樽に入ったむき出しのビールが!
見学用だからなのかもしれませんが、蓋が開いていたのにはちょっと驚きました。
「ピルスナーウルケル」の試飲タイム
そして、ついにグラスが手渡されます。ゴクリ。
順番に並ぶと、入れ替わり立ち替わり注がれていく「ピルスナーウルケル」よ!
大きな樽に囲まれて、ピルスナービールの故郷で、無濾過の「ピルスナーウルケル」を樽出しで頂きます!
ああー! やっぱり樽から出てきたばかりのフレッシュなビールは美味しい!
アルコール度数も高くなく軽めの味わいで、文字通り水のようにゴクゴクと飲んでしまいました。苦みなどもほとんど気になりませんでした。水でした。お代わりしたいけれど、ここでは1杯まで。でも、本当に貴重な味を体験することができました!
今回は立ち寄りませんでしたが「ピルスナーウルケル醸造所」にはレストランも併設されています。さらにビールをゴクゴクと飲みたい人は、レストランに立ち寄る時間も作っておくと良いでしょうね。
缶や瓶の「ピルスナーウルケル」は常に殺菌してるけれど、パブで飲むものは殺菌してないドラフトの状態で提供されているそうです。
「ピルスナーウルケル醸造所」の行き方・アクセス
住所:U Prazdroje 7, 304 97 Plzeň
====================
チェコの旅情報は「チェコ」からチェック!
====================
チェコ取材旅行に関して
チェコ政府観光局が交通費や宿泊費などの旅費を負担している旅です。
>>チェコへ行こう