「とやま鮨」「すし玉」と富山駅前で回転寿司のハシゴをした後、駅前をブラブラしてすぐに気付いたのが「シネマ食堂街」です。富山駅の目の前、一等地。そんな場所に、古い昭和の佇まいかつ怪しげな雰囲気の飲み屋街が残っていたのです! 吸い込まれるように入っていきました。
「シネマ食堂街(富山)」映画館を中心とした飲み屋街
昼間だから気軽に入ってきましたけど、夜なら少し躊躇したでしょうねぇ。
というような場所です。慣れればどうってことありませんが、映画館を中心に細い路地が入り組んでいるので、ちょっとした迷宮のようでもあります。
娯楽の発信基地である映画館を中心に、今のように飲み屋が増えていったのかな、なんて想像してみたり。
中心にある映画館は「富山シネマ」です。今は営業はしていませんが、かつては成人映画を上映していたそうです。そのせいで、ちょっと怪しげな雰囲気があるのかもしれませんね。
酒場で一緒になった人も、やはり「小さい頃は立ち寄れなかった」とおっしゃってました。
映画館の名残。小人料金はありません。
イングレスのポータルにもなっていたお稲荷さん。
二晩連続でお邪魔したくらい楽しいおでん屋さんがあるなど、非常に味わい深い場所なのですが、残念ながら再開発により壊されることが決まっています。
既に半数以上のの店舗は営業していない感じでした。ここが閉鎖された後は、半数以上は高齢のために店を畳むような話も聞きましたし、まだ移転先が見つからないという寂しい話も聞きました。
駅前の一等地ですし、再開発される候補になるのも分かりますし、防災など色々な理由もあるのでしょうが、この雰囲気も残して欲しかったですね。
あまりにも飲み屋が楽しかったので、また「シネマ食堂街」を目指して富山に行きたいと思ったくらいです。すぐに他のお客さんと仲良くなって地元の話を聞いたりして、大人の社交場でした。
入口は何箇所かあります。
すっかり色あせてしまった、歴史を感じる看板。
どこへ続くの、この道は。
「再びお逢い出来る日を‥‥」というメッセージが、ちょっと切なくもありました。
取り壊しになることが決まってから、人気の出ている店もあるそうです。
「シネマ食堂街」の一角にある「茶文」が55周年のパーティーをすると伺ったので、少なくともそのくらいの歴史のある飲み屋街だったはずです(ちなみにマスターはお母さんから店を受け継いだそう)。
取り壊しは仕方ないにせよ、集っていた店が散り散りになってしまうのは、寂しい気がしました。歴史の積み重ねがあり、そう簡単に取り戻せる雰囲気ではないですから。
次回、富山に行った時は新しいビルが出来ているのでしょうか?
さらば「シネマ食堂街」。
※高速バスで富山を旅しました。