NYTimesのサイト, ブランド依存から脱却し検索エンジン対策もというエントリーより。
つい最近まで,NYTimes.comは検索エンジンを無視し続けていた。検索エンジン対策を講じるようになったのは,同社が昨年,About.comの買収に合わせてMarshall Simmonds を獲得してからである。入社したMarshallが,NYTimes.comのコンテンツを検索エンジン対応(search engine friendly)に変えることに着手したのだ。
メディア・パブで、NYTimes.comが実施しているSEO対策の様子が伝えられていました。これはなかなか興味深いです。
これまでSEOをしていなかったNYTimes.comが、About.comの買収で入社したMarshall SimmondsによってSEOされていったという内容です。
それまで、検索エンジンがほとんどクロールしていなかったというのも驚く話なのですが、しかし社内に専門家がいなければ、記事を検索エンジンがクロールしているかどうか、そしてクロールさせることがいかに重要か、といったことすら気付かないのでしょうね。
“open content”には,特別の仕掛けで検索エンジンの巡回ロボットにも登録者と同じようにアクセスさせているようだ。さらに驚くのは,有料コンテンツも検索させているというのだ。Marshallが言うには,GoogleやYahooの検索エンジンが有料のプレミアムコンテンツ全てを,検索用にインデクス化しているとのことだ。実際,Timeselectのコラム記事などが,検索エンジンで検索されている。
このSEOにより、本来であればクロールされるはずのない有料コンテンツをも、検索エンジンにクロールさせることに成功しているということです。実際にはアクセスすると、ここからは有料ですよ、といった表示がされるのでしょうかね。
ただ手法としては、クローキングのようなところもあるので、グレーゾンかもしれないということです。
そして、こうした技術的なところだけでなく、記事の内容にもSEOは踏み込んでいきます。
Marshallがすごいのは,というかNYTimesのnewsroomがすごいのは,記者や編集者に対し,検索エンジンを配慮した記事作りを徹底的に教育したことだ。まず記事見出しの作り方だ。人間が飛びつく見出しと,機械(検索エンジン)が反応しやすい見出しとは違うのである。
記事タイトルがSEOで大切だというのは、ちょっと勉強した人にはよく知られた話ですが、それを記者や編集者にも徹底したそうです。また写真のキャプションまで検索エンジンに最適化しているとも。
検索エンジンフレンドリーになれば、自然と人間にも分かりやすくなりますから、結果的にはサイト全体が分かりやすくなっているのかもしれません。
そしてこれらの施策の結果、「NYTimes.comに検索エンジンから来るトラフィックが59%も増加している」ということです。しかもこれが2006年4月からなんですよ。
日本の新聞社サイトで、あまりSEOを意識していない場合は、考え直した方が良いかもしれませんね。