渋谷ヒカリエで開催されている「LINE Hello, Friends in Tokyo 2012」に参加しています。これは「LINE」の今後が語られるカンファレンスです。
会場のあちこちが「LINE」のスタンプで装飾され、いきなりテンションがマックスです!!
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モリカワ氏が登壇。「LINE」の歴史について説明。
わずか1年で起こった出来事に関して、ビデオにより説明が行なわれました。
世界はPCからスマートフォンに。スマートフォン革命。24時間365日、インターネットマシンが手元にある生活に。新しいイノベーションを起こした、それが「LINE」。
「LINE」はスマートフォンから生まれた。2011年6月23日にリリース。最初は無料のメッセージ、そして通話、スタンプなど様々なサービスを提供してきた。
キャリア、デバイス、地域を越えて人々を繋ぐのが「LINE」である。これまでのSNSとは違う。ポイントは5つ。
1. PCベースではなくスマートフォンベース
2. オープンではなくクローズド
3. バーチャルではなくリアルな関係性
4. 新しい友だちを見つけるのではなく今までの友だちとの関係性
5. 情報収集のためではなく感情のコミュニケーション
1年で4,500万人。日本だけでも2,000万人。230を越える国や地域で利用されている。ツイッターやFacebookの成長の勢いを越えている。3月時点ではスマートフォンユーザの44%が利用。
「LINE」を使うためにスマートフォンを買う人もいると聞いている。「LINE」こそが、スマートフォン革命ではないか。
今日から「LINE」は新しいステージへ。
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続いてマスダ氏が登壇。
プラットフォーム戦略について。
1. 大規模なユーザベースがあるか
2. サービスが効果的に繋がっているか
3. その場が収益化できるか
以上が価値のあるプラットフォームだと考える。
「LINE」は4,500万人のユーザがいる。国内のスマートフォンユーザには44%以上のリーチ度。
サービスが効果的に繋がっているか検証するために「LINE camera」をリリースした。「LINE」と連携しているというだけでどこまでユーザを増やせるか、が検証ポイント。13カ国で1位に。1ヶ月で500万ユーザを獲得。
同じような試みとしてアーティストなどの公式アカウントを。2,500万ユーザが使用している。
マネタイズ。ここがプラットフォームとしては重要。世界中のプラットフォームが悩み、答えを出せずにいる。「LINE」はそれを検証するためにスタンプショップを開設した。4月末にリリース。タイ、台湾、日本で多くのユーザに使われた。2ヶ月で3億5,000万円の売上。毎月5,000万円の売上。
慎重に3点を検証したところうまくいっていることが確認できた。プラットフォームに進む準備ができた。コミュニケーションツールからプラットフォームへ。
人と人から、コンテンツ、サービス、ビジネスを繋いでいく。「LINEチャネル」新しいエコシステムに。ショッピング、ムービー、グルメなど様々なサービスが「LINE」上で。
「LINEチャネル」は「LINE」とパートナーを繋ぐ仕組み。APIがあり、ペイメントなどマッシュアップツールが提供される。「LINE」がスマートフォンライフのゲートウェイになる。
最初のラインナップ。
・LINE Game
・LINE Talk Novel
(既に20万人の読者・講談社がパートナーに・作家を生み出したい)
・LINE Fortune
(200タイトルの占いを提供・マガジンハウスのanan占い)
・LINE Coupon
(リクルートと提携・ホットペッパー)
・LINE Sounds Shop
(スタンプショップの拡張版・LINEの中で楽しめる・レコチョク)
・Q&A、Gift、News、Locationなども
まさにポータルサイトのイメージ。ある種、ポータルとして存在していくのが我々の構想。
・LINE COIN
(仮想通貨)
パートナーと作り育てていくものだと考えている。
http://line.naver.jp/partner
「LINEチャネル」と共に二つの機能をリリース。ソーシャルネットワーク機能の強化。
・Home
(LINEに存在する自分の場所)
・Timeline
(Homeやチャンネルで友人のアクティビティが流れる・LINEスタンプで感情を表すことができる)
「LINE」が進化するのにあたって気をつけていること。それはシンプルでなければならない。様々な機能が提供されてもシンプルに使えることを大事にしたい。
コアバリューは友達とのコミュニケーション。それも大事にしたい。その上で、様々なサービスを繋げていく。
さらに世界に向けて展開していきたい。東アジアが中心だが、下半期はアメリカ、中国へも展開を進める。2012年中には1億ユーザを目指す。
日本のサービスが世界に流通する、世界のサービスが日本に流通する、そんなエコシステムを築きたい。これが「LINE」のプラットフォーム構想。
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再びモリカワ氏よりゲーム構想について。
ゲーム機の変遷について。コンソールから携帯電話、スマートフォンへ。4,500万人のユーザを抱えた「LINE」が加わる。
ポイントは圧倒的なユーザ数。もう一つが家族や友人といった知り合い。
どんな風に生活を変えるのか?
・いつでもどこでもゲームで遊べる
・友だちや家族と遊びことができる
・一緒に遊ぶことができる
チャネルの一つとしてゲームが誕生。特徴はフレンドリストから友だちを選んで一緒に遊ぶことができる。プッシュ機能でゲームに誘うことも。ゲームユーザ限定のスタンプも。
今までなかったような、新しいスマートフォンのゲームを提供したい。まずは、一緒に成長できるパートナーを募集している。有力なパートナーとエコシステムを作りたい。
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イデザワ氏よりマーケティングプラットフォームに関して。
3つの大きな流れがある。
1. スマートフォン
(今まで以上にインターネットに繋がれるように。最重要のデバイス)
2. ソーシャルグラフ
(世の中の情報の流れに大きな変化が。インターネットの価値は二つある。情報にアクセスできる。人々が繋がることができる。情報の流れが大きく変わろうとしてる。情報が起点だった。それがソーシャルグラフにより、繋がり経由での情報摂取に)
3. エモーションシェアリング
(ソーシャルグラフには二つのタイプがある。バーチャルグラフ、リアルグラフ。バーチャルグラフはネット上の人間関係。バーチャルグラフはプラットフォームの全てのユーザが参加できるが、繋がりが整理し辛い。リアルグラフは実社会の人間関係を反映するため、影響力が強くなる。バーチャルよりもリアルの方が人間関係が強い。感情の繋がりを共有しているから。インターネットとリアルを繋ぐ鍵となるのがエモーション、それが重要なポイント。感情は人々に注意を喚起したり、消費に向かわせたり、行動への原動力となる。ただ単に企業とユーザのエンゲージメントを助けるのではなく、感情の共有の場として、プラットフォームとしてどれだけ提供できるか、それが重要。エモーションが企業とユーザのエンゲージメントの鍵となる。)
この3つの流れを「LINE」は受け止める。
具体的なソリューションを二つ。
・公式アカウント
(芸能人によるアカウント開設など。プッシュ機能が強力。時限制の高いクーポン。企業は公式アカウントを通じて「LINE」のリアルグラフにコミュニケーション可能)
・スポンサードスタンプ
(企業のスタンプをユーザに無料で使ってもらう。友達の自然の会話の中に、ブランドがスタンプとして入っていく。自然な繋がりを演出できる。事例1:スパイダーマン 公式アカウントとスタンプでキャンペーンを展開。2週間での結果100万登録、200万ダウンロード。スタンプは1,700万回使われた。1日あたり100万回スタンプされた。プレゼントキャンペーンには17万を越える申し込み。事例2:ローソン 通常のキャンペーンに比べて3倍効果。7割がついで買いも。100万人が公式アカウントを登録。マツモトキヨシ、ゲオも参加。パートナーからは効果の高さに評価を貰っている)
「LINE」のマーケティングは始まったばかり。無限の可能性を考えている。
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最後にモリカワ氏よりあいさつ。
キーワードは「チャンネル」。これを元に4つユーザの方針について発表。
1. App Store等での異性との出会いのレビューは削除を依頼。友だち募集のサービスにも抗議、差し止め要求をしている。
2. 未成年保護の対策。キャリアから年齢確認データを貰い、積極的に対応する。
3. スパム対策。スパムIDはすぐに削除。
4. トラフィック軽減の施策。アプリの仕様変更にも順次対応。
プラットフォーム事業者としての責任を果たしていく。その上で、スマートフォンライフプラットフォーム、コミュニケーションサービスとして成長したい。
one more thing…
KDDIとスマートフォン領域において「LINE」事業において業務提携をすることになった。auスマートパス向けの「LINE」。その他にも未成年保護、トラフィック対策で協力していく。
KDDIタカハシ氏より。
スケールの大きい発表に感動した。モリカワさんとスマートフォン時代について議論した。ユーザ接点が大事である、と。新しいプラットフォームを作ることに関して、KDDIとしても感銘を受けた。KDDIのプラットフォームと「LINE」のプラットフォームで何ができるのか考える。auスマートパスが、我々の一押し。これに加えて「LINE」と何か一緒にやりたい。これがスタートの段階。「LINE for au Smartt Pass」を提供して貰う。KDDIとしても力いっぱい応援したい。
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質疑応答
Q:東洋経済。チャネルの上にのるサービスのゲームが自社開発、他はパートナー。なぜパートナーと組むことにしたのか。海外展開の際は?
A:今回はチャネルのロールモデルとして紹介したかった。パートナーに段階的に拡大したい。ゲーム以外は我々がもっといないもの。海外に関しても同じ。ロールモデルを作って水平展開する。
Q:東洋経済。課金の手法は?
A:いたずらにARPUを挙げるのではなく楽しみを伝えたい。ガチャというよりは、アイテム課金型ではあるが、様々な仕組みを準備したい。
Q:東洋経済。年内1億人の先の目標は?
A:セールスの目標は今はない。まずはユーザ規模の拡大。Facebookは抜かしたい。まずはユーザ規模を増やすことに集中する。
Q:日本テレビ。端末単位にアカウントが存在している。タイムラインやホームをやるにあたっては?
A:電話番号に紐づいたのが「LINE」の特徴。アカウントの方式は変えない。
Q:端末が2台ある人はそれぞれでホーム?
A:スマートフォンとタブレット、スマートフォンとPCでれば同期可能。スマートフォンとスマートフォンでは別のアカウントになる。
Q:ケータイウォッチ。ハンゲームとの統合は?ゲームの利益の分配は?
A:スマートフォンのゲームは「LINE」ブランドに統一する。レベニューシェアについては改めて。
Q:1億人、国内と世界の割合は?
A:現時点では6割が海外。今後は日本が3割くらいになると予想している。
Q:コミュニケーション系からプラットフォームになり既存のSNSと変わらなくなるが、差別化のポイントは?
A:本日、話したことがそれ。スマートフォンネイティブ。リアルグラフを持っている。それが他のプラットフォームとの違い。
Q:フリーランス。実際にユーザに提供する時期は? 通信トラフィックの最適化の話があったが、具体的にどのあたりが問題になっていて、どのように技術的に解決したのか。
A:ホーム、タイムライン、チャネルは近日中のリリース。Appleの審査にかかっている状態。そんなに遠くない。トラフィックの問題は、アプリ開発事業者に分からないことがある。例えば制御信号。どのくらい負荷が発生しているかは分からない。それぞれ情報を公開して最適なソリューションにしよう、というのが現在のステータス。
Q:技術情報の公開はドコモやソフトバンクとも?
A:負荷はAndroidだけで発生するもの。現時点ではドコモと話をしている。
Q:産経新聞。KDDIに。今後のSkypeの方向性について聞きたかったが‥‥LINEとしては?
A:他社のことなので我々は答える立場にありません。
Q:週刊アスキー。個人向け提供する予定は?
A:まずは法人と共同開発。その後、サードパーティーへと展開。それが法人か個人かはあまり問わないような形。
Q:日経デジタルマーケティング。公式アカウントが増えた時にアカウント自体を宣伝するようなビジネスも考えられるが。
A:それは準備している。チャネルのサービスが今までのコミュニケーション画面が遷移するので、広告に拒否感がないとも考えられる。時期を見て次の展開を考える。
Q:タイムラインに、クーポンを取得したが表示されるような連携は。
A:タイムラインはそういった使い方を展開していくことになる。が、友だちに公開したくないというユーザもいるので、自分で公開/非公開をコントロールできるように考えている。
Q:フリーランス。発表されたパートナーが日本向けの企業が多かったが、海外向けの事業者と提携していく可能性は。KDDIとの提携は排他的なものなのか。
A:海外のパートナーについて。日本の企業とのパートナーを多く発表したが、日本以外のパートナーとの交渉も進んでいる。段階的に発表する予定。オペレータとのアライアンスは一社だけ、というものではない。
Q:バスキュール。他のSNSとの連携は。タイムラインからフィードするようなことは。スタンプ自体がリッチになることは。
A:他のSNSとの連携。電話番号に紐づいたリアルグラフが外のSNSが連携するとユーザが不安になる。プラットフォームは、プラットフォーム間で連携して価値がすぐに出るとも考えていない。スタンプのリッチ化はたくさん提案がある。一つ一つ検討しているところ。
Q:毎日新聞。登録した時に電話番号を吸い上げているが、電話番号とメールアドレスだけなのか。Facebookを越えたいのはいつ頃を目標か。
A:電話帳の利用目的はユーザー同士のマッチングのためだけ。Facebookは競合というよりは、Facebookのような存在、ユーザ数の多い存在になりたいと考えている。時期はあまり明言してきておらず、まずは2012年中に1億をこえてから、10億へのプロセスを踏んでいきたい。
Q:エンジニアタイプ。スマートフォンベースのコミュニケーションとして位置づけられているが、とはいえウェブアプリの「LINE」もある。ウェブとの連携、ウェブ戦略はあるのか。
A:iOS、Andorid、Windows Phone、フィーチャーフォン、モバイル中心でやっている。PCやタブレットはサブ的な位置付け。あくまでも補助的。今後、スマートフォンのアプリがブラウザに変わるか、ということに関しては、世間のトレンドに合わせてアジャストしていきたい。
Q:毎日新聞。総務省がアプリの規制をする動きがあるが。欧米の当局とは何かコミュニケーションしているか。「LINE」としての独立分社はあるか。
A:総務省のイニシアチブは参考にしている。どんな風に反映できるか。総務省、その他の官公庁ともリレーションしている。世界の現地の政府機関とのリレーションも深めなくてはと思っているが、急成長しているので、今後、気をつけるべきところと考えている。「LINE」の独立分社はない。
Q:フリーランス。スマートパスを使うメリットは。なぜスマートパスに入るのか。
A:スマートパスをどういう形にしていくかは協議をしている。公式アカウントできめ細かいカスタマーリレーションをするのか、など、様々なことを考えている。
Q:財界。独立分社はないということだが、韓国法人の日本本社として「LINE」を提供する意味とは。
A:韓国は韓国の強みを、日本は日本の強みをいかしてい。会社の形態よりもいいサービスを提供することに注力したい。「LINE」自体は日本市場を攻めるために生まれたサービス、結果としてグローバルに結果が出た。もともとグループのグローバルサービスに認定されていた訳ではない。
Q:テレビ朝日。KDDIとの業務提携について。どちら側から話があったのか、いつくらいから交渉していたのか。
A:各種キャリアとは日常的にコミュニケーションをしている。その中で「LINE」が成長するにあたって、通常の会話から話を始めて、3ヶ月くらい前から詰めの作業に入った。
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