あら、なんだか可愛らしい花。
去年までならそう思って眺めていたのですが、今年は違います。このオレンジ色の花は「ナガミヒナゲシ」といい、他の植物を駆逐して増えていく危険な花なのです。
ナガミヒナゲシが幹線道路沿いを埋める…危険外来種を超えるオレンジ色の悪魔という友人の記事でその存在を知ったのですが、国立環境研究所の侵入生物DBにも掲載されています。もともとは観賞用として導入されたそうですが、確かにこの見た目ならそうでしょう。
繁殖力が強いのも危険な理由なのですが、それ以上に危険なのが周りの植物の成長を阻害してしまうことでしょう。
他の植物を駆逐して、自分だけ増え続ける性質を持っているわけですね。これ、まだ空き地なんかならいいんですが、農業地域に持ち込まれると甚大な被害を巻き起こすことがあります。
「ナガミヒナゲシ」の危険性
春に気をつける外来植物:ながみひなげしでは、その危険性に触れられています。「ナガミヒナゲシ」には、周辺の植物に及ぼす化学的な影響「アレロパシー活性」があります。これは「ある植物が作る化学物質が、他の植物・微生物・昆虫・動物などに、直接または間接的になんらかの作用を及ぼす現象」で、根、葉ともに周辺の植物の成長を阻害活性があることが分かっています。
「最大で一個体から15万粒の種子が生産」されるという繁殖力も持っており、いかに危険かが分かるかと思います。「未熟な種子にも発芽力があり、開花後の刈り取りは、かえって分布を広げること」にもなりうるということで、見かけたら注意して取り除く必要があるでしょう。
「ナガミヒナゲシ」は漢字だと「長実雛芥子」と書きます。ケシ科の一年草です。秋に発芽し、ロゼット(地表に葉を平らに並べた植物の状態)の状態で冬を越します。
今年は近所で見かけて気づいたので、注意しながら除草しようと思います。
「ナガミヒナゲシ」の駆除方法
「ナガミヒナゲシ」を駆除する際に注意するのは種です。1個体から最大で15万粒もの種子が生産される上に、白い未熟な状態でも発芽、繁殖する力を持つということです。そのため「種ができる前に抜き取り、ビニール袋等に密封して可燃ごみ」とします。種ができている場合は、十分に注意して駆除しましょう。