渋谷のんべい横丁にある、予約の取れないという焼鳥店「鳥重」に、大根男こと@nori_takaの導きにより行って参りました。
なんでも、イチローも帰国した際には訪れるという店らしいのですが、食べログで見てもレーティングが「4.15」とか強烈なことになっています。
ご覧の通り、店内は10人も座れば満員御礼です。身体を傾けながら、隣の人とひじをすりながら、仲良くみんなで頂きます。
「鳥重」には暗黙のルールがありまして、それはお母さんが一人でお店を切り盛りしているため、注文は決められたタイミングで、ということになります。
みんな「トリ1本」「レバー1本」とか頼んでいるんです。一人じゃないですよ、グループで、ですよ。22時を回ろうかという時間、空腹たまらんという感じの時間帯なのに、なぜみんな少量なのか?
@nori_takaにこっそり耳打ちすると「1本が大きい」との返事が。大きいったってね、大の男が3人で1本はないでしょう?
と思ったら、マジでかかった!!
細腕のお母さんが片手で持って焼くには大きすぎるんじゃないか、というサイズです。ゆうに普通の焼鳥4本分が1本になっている感じです。これは確かに一人1本は多いということがよく分かりました。
注文を済ませると、お母さんはマイペースにお通しやら飲み物を出してくれます。
ビールを飲みながら、じっくりと待ちます。とにかく待ちます。とはいえ、あんなに大きいので時間がかかりそうな焼鳥もお母さんのトークを聞いていると、いつの間にか焼き上がっている感じです。
いわば「鳥重」は、お母さんのステージなんですね。
この日頂いた焼き物は、
・レバー(やわらかいキモ)
・シッポ
・心臓(ハツ)
・合鴨
でしたかな。
ちょっと大きさの伝わる写真をうまく撮れてなくて恐縮なんですが、本当に大きいんですよ。
お母さん一人だから仕込みも相当に大変なんだと思いますが、食べごたえがあってありがたい限りです。もっもっ。
ワインを頼んでいる人もいたのですが‥‥
グラスにグラスを重ねてたっぷりこん。
そしてこの日、最大の驚きはレバー刺しです。
好みに応じてごま油&塩も用意して下さるのですが、これが本当にヤバい美味い!
上品な言葉遣いのお母さんの「みなさん、自己責任で召し上がってくださいよ」という言葉と共に供されます。
レバー刺しをフルーティーといって良いのかどうか分かりませんが、このプルプルとろけるレバーはこれまでの人生で初と言えます。
このレバー刺しだけ2人前食べたい!
もうここまでくると満腹です。数としては少ないのですが、量としては半端ないのですから。〆のご飯も必要ありません。
さあ「鳥重」のお母さんのステージもそろそろ終盤です。定番のお漬物の後に、スープが出て参りました。
器はお通しの大根おろしの入っていたもので、そうなんです、大根おろしを少し残しておいて、そこに鳥のスープを注いでもらうのです。これがまた濃厚で旨味。元気が出てきます。
お母さんに会いたいがために「鳥重」に通うファンも多いのだろうなぁ、と思いました(もちろんとっても美味しいのが前提です)。
しかし、残念ながら「鳥重」は2011年をもって閉店だそうです。お母さんは頑張りたいけど、旦那さんやお子さんが心配しているそうで、店を畳むことを決心したのだとか。
残念ではありますが、お母さんあっての「鳥重」ですからね。いつまでもお母さんには元気でいてもらいたいものであります。
さてさて、気になるお勘定でありますが、ビール2本を入れて、なんと二人で3,800円! 一人2,000円していない! 驚愕! のけぞる! 大丈夫ですか、お母さん!?
安いとは聞いていたものの、これは安すぎる‥‥。
初めてのぼくには「鳥重」はサプライズだらけの店でした(良い意味で)。
なお、お店にいる間に何度も予約の電話もかかってきていましたが、残念ながら年内はもう満席です。さらに付け加えるならば、一度は行ったことがある人を探しだし、その人に連れていってもらうようにしましょう。一見だと、ちょいと厳しいと思います故。
ごちそうさま!!
住所:東京都渋谷区渋谷1-25-10 のんべい横丁