南山大学で学生に聞いた2016年の若者のソーシャルメディアの肌感覚

Nanzan 4968

2015年10月に続いて、名古屋の南山大学の川北先生のクラスでブログと企業広報に関してお話をさせて頂きました。前回は1、2年生の教養だったのですが、今回は3、4年生でした。話した内容は実際に自分が経験している企業広報とのコミュニケーションや記事広告の話、さらには直近のコタキナバルまで旅をするブログの仕事の話などです。

そもそもブログで生計を立てている、ということに興味のある学生さんもいたようで「将来的に本業とブログの二足のわらじでいきたいがどう思うか」という質問には驚きました。「専業にしないで二足のわらじのままがいいと思いますよ」と回答しましたが。

さて、個人的なお楽しみは講演の後のランチタイムです。前回は「マウンテン」でしたが、今回は南山大学の職員食堂で、学生さんも10人くらいがきてくれました。ここで最近の若者のソーシャルメディア事情の肌感覚を聞くのが楽しみなのです!

サンプル数は少ないけど楽しいソーシャルメディア事情

集まったのは男女5人くらいずつの学生さんです。サンプル数は少なく、さらに南山大学の学生さんという限られた話であるものの、興味深い話が聴けました。

記憶を頼りに、箇条書きでまとめておきます。

・「Twitterを始めてLINEのタイムラインを使わなくなった」というのが最も驚いた(大学生になってTwitterを始めたということ)。

・Snapchatを熱心に使っているのは女子1人(高校時代の友だち10人くらいでやり取りしている)。

・Snapchatでわざわざ少数だけに送るのは面倒という女子も。

・Snapchatからブランドの動画が送られてくるのは楽しいという女子。

・Facebookは最近使い始めた子が多い(大学の授業のプロジェクトで必要になった)。

・アカウントを持ってはいるが女子はFacebookには投稿していない(海外の知り合いとりやり取りくらい)。

・Instagramオンリーが女子1人(Twitterは使い方が難しいという声があった)。

・LINEはゼミの連絡ツールとしてほぼ100%の使用率。

・ソーシャルメディアとして最も使用されているのがTwitterだった。

・Twitterのアカウントを複数で使い分けている女子。

・面倒なのでTwitterアカウントは一つだけという女子。

・Twitterでの「幸せアピールにどう反応していいか分からない」という男子(オジさんはみんなFacebookでやってます)。

・iPhoneが9割。

・Androidを使う女子はSDカードを使いたいから。

・iPhoneの最下段に置かれているのは音楽系アプリ多し。

・AWAやLINE MUSICはデータ通信量を食うので使わないという男子(WiFi環境で使うならYouTubeでいい)。

・ニコ動は見ない(ログイン画面が出てくるのが嫌という声あり)。

・動画を見るならYouTube。

・メルカリは最近使い始めた男子(日本では珍しいステッカーを購入したという話あり)。

・iPhoneの容量が小さいので使わないアプリはすぐに削除しているというのは予想通り。

最近の若者はSnapchatだ、Instagramだ、というニュースをよく目にするのですが、今回に限っていうとどちらも少数派でした。ただ、Snapchatを熱心に使用している女子の「消えるからいい」というのは、もしかすると生まれた時からネットがあるデジタルネイティブらしい感覚なのかな、と思いました。

ぼくは25歳くらいからネットの世界に生きていますが、ネットの何がいいかといえば、アーカイブの残ることだと信じて生きてきました。ブログもそうです。情報の蓄積、地層です。むしろ、投稿して残らないと気持ち悪いくらいです。

しかし、生まれた時から何かにつけてデジタライズされてきた世代には、もしかすると「消える」というのが心地よく新鮮なキーワードなのかもしれません。変な写真や動画を投下してやらかしてしまう恐怖も「消える」にはありません。

恐らく、本質的に若者はバカなことをやりがちで、それをみんなに見せたいという気持ちがあります。Snapchatを熱心に使っている女子も「変なものを投稿してもすぐに消えるからいい」という文脈で、その良さを語っていました。やっぱり、変なものを共有して笑ってもらいたいんじゃないかと。だから「消える」ということに、若者たちが惹かれるのかな、と思いました。

となると、大学を卒業すると同時にSnapchatも卒業していくのかもしれませんが。

以上、個人的な雑感とともにまとめてみました。

川北先生、どうもありがとうございました!

追記: