尿1滴でがん検査が約85%の精度で可能な「N-NOSE」2020年1月に実用化へ

尿1滴でがん検査が約85%の精度で可能な「N-NOSE」2020年1月に実用化へ

「線虫」ががん患者の尿に集まる性質を利用した「N-NOSE」というがん検査が、2020年1月より実用化されることが明らかになりました。尿1滴でがん検査が可能ということで注目が集まっています。

尿1滴でがん検査、「線虫」利用した方法が来年実用化という記事になっています。

現時点で大腸や胃などにできた15種類のがんをステージ0や1といった早い段階で見つけることができるとされます。検知率が90%に迫る高い精度であることや、苦痛もなく、検査費用が1万円弱と従来に比べて安価で済むなどのメリットがあります。

ステージ0やステージ1で15種類のがんを早期発見できるというのは、早期中の早期です。仮に国民に検査が義務付けられたら、がんで亡くなる人はかなり減るのではないでしょうか。検査費用が安価なのもメリットです。

開発したのは「HIROTSUバイオサイエンス」という、九州大発のベンチャー企業です。九州大助教だった広津崇亮社長が設立しました。

線虫でがん検査、2020年1月に実用化 約85%の確率で特定 九大発のベンチャー企業という記事によると「犬より優れた嗅覚で、がん患者の尿に含まれる特有のにおいに近づき、健康な人の尿からは逃げる性質を利用」しているそう。

がん患者1400人に実施した検査では的中率は約85%に上り、特にステージ0~1の患者は87%で判定できた。一般的ながん検査「腫瘍マーカー」よりかなり高確率という。

現時点ではがんの部位までは判明しないため「がんがあるらしい」と分かってから詳しい検査をするということなのでしょうが、それでもステージ0やステージ1で分かれば、完治する見込みも高いのでしょう。

「HIROTSUバイオサイエンス」のウェブサイトでは、線虫がん検査に関する世界最先端の線虫行動解析技術として「N-NOSE」が説明されているページがあります。

尿1滴でがん検査が約85%の精度で可能な「N-NOSE」2020年1月に実用化へ

2019年8月現在、線虫が反応することが分かっているがん種は以下の15種類です。

胃、大腸、肺、乳、膵臓、肝臓、前立腺、子宮、食道、胆嚢、胆管、腎、膀胱、卵巣、口腔・咽頭

生物学者として線虫の嗅覚研究をしてきた広津崇亮社長が、ある条件下において、線虫が人の尿中からがんの匂いを検知してがんに罹患している人とそうでない人を高精度に嗅ぎ分けることを発見し、これを ”線虫の鼻”(Nematode NOSE)を意味する「N-NOSE」と名付けたそうです。

線虫は土壌などに生息する微小生物で、体長は約1mmとのことです。「線虫が機械には真似できないほどの優れた嗅覚センサーを持つという点、そして飼育コストが非常に安価という点」というのが、アイデアの発端になっているそう。

読めば読むほど興味深い研究です!

ネタフルでは、2015年3月にがん患者の識別に「線虫」が使えることが明らかに → 尿のにおいで判別という記事を書いていました。いよいよ実用化されるのですね!