池袋演芸場
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四家正紀と申します。ごく平凡な落語好きのブロガーです。落語を聴きに行っては、ブログを書いています。
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四家です。またまたえらく間が空いてしまいました。どうもすみません。
前回はゴールデンウイーク前ということでお勧めの寄席プログラムなどご紹介しましたが、今回はある日の池袋演芸場の様子をご案内しながら、寄席見物がどんな感じが、ちょっと疑似体験していただこうかと思いますよ。
●池袋演芸場を探せ
では、東京で僕が一番好きな定席の寄席、池袋演芸場に行きましょう。池袋演芸場は都内四軒定席の中で一番小さく、唯一マイクを通さない生声の落語が楽しめます(漫才の時にはマイクが出てきますが、どうも音は出ていない、ダミーマイクらしいですよ)。
定席寄席のなかでは、比較的分かりにくい場所にあるのが池袋演芸場です。いや、駅からは近いんです。でも道がちょっと。
まあ、スマホの地図頼りで大丈夫と思いますが、とりあえず池袋の北口・西口を出て「池袋西口交番」を目印にしてください。近くに「西一商店街」があります。
この看板が目印です。看板くぐってすぐ左に池袋演芸場はあります。
寄席文字の看板が出ているので多分わかります。でもたまに見逃す人もいます。右手を見ておいてください。
目の前にコンビニがあるので、飲み物やちょっとしたお菓子など買うといいかもしれません。中の売店にはあまり食べ物はありません。寄席の番組はけっこう長いですからね。
チケット売り場は1階の奥にあります。人数伝えてチケット買ってください。通常は2,500円です。学割あります。
で、ひょっとしたら、ここでちょっとまごつくかも知れないのが、入口。チケットを買って、一回外に出てください。
よく見ると、すぐ先に別の入口があります。
池袋演芸場は、ここから階段を降りた地下にあるのです。
ま、2回目からは全く迷うことはないのですが、チケット買って下に降りると覚えておきましょう。
■夜の部も、昼の部のトリ前から入る
この日入場したのは16時ちょっと前です。夜の部は17時ですから、かなり早めです。なぜ早めに来たかというと、池袋演芸場は昼の部・夜の部の入れ替えがないからです。
夜の部をなるべく自分の好きな席で楽しみたいのと、トリの三笑亭笑三師匠と、ヒザ(トリの前に出てくる芸人、寄席では多くの場合「色物」と呼ばれる落語・講談以外の芸人が務める)の松乃家千鶴師匠が聴きたかったのです。
この手は覚えておいてください。トリを二回楽しめるお得な手です。特に夜の部で人気のある落語家が出る場合には、席取りのことを考えて、昼の部の途中から入ったほうがいいです。まあ、そんなにあることではないですが。
(ちなみに番組にもよりますが、池袋・新宿末広亭・浅草演芸ホールは昼夜入れ替えなしのことが多いです。つまりその気になれば昼から正午ごろから九時前後までどっぷり寄席につかることも可能です。僕も一度だけやりましたが初心者には勧めません。疲れます)
どの席からも見やすい池袋演芸場。演者が交代する隙にお好きな席について、折り畳み式のテーブルを上げて飲み物を置き、あとはゆるりとリラックス。次々出てくる芸を楽しみましょう。以前も書いたとおり、とりあえず余計な音さえ立てなければ、楽にしていてOKです。
粋な俗曲、三味線弾き語りの松乃家千鶴師匠、なんと87歳の三笑亭笑三師匠にたっぷり笑わせていただいてから、昼の部はいったん終了となります。
■真打披露興行の連係プレー
夜はもう一度前座からスタート。続いて二ツ目は伸び盛りの春雨や雷太さんが若さたっぷりの生き生きとした落語を聴かせます。
この日、夜の部は真打昇進披露で、あまり寄席では見かけない桂米助師匠が登場し、爆笑野球漫談で客席を沸かせました。
新真打の師匠も弟子に花を持たすこともあって、ベテラン真打はさらりと短めの噺で技を見せ、なかでも雷門助六師匠は見事な踊りを披露。還暦過ぎた男が一人で踊って何が面白いかとお思いかもしれませんが、これがまたなんか楽しいのです。
途中に入る色物、この日は奇術や漫才ですが、これも楽しい。舞台まで近いですからライブ感が違います。
休憩前の「仲トリ」チラシでは三遊亭小遊三師匠の名前がありますが、この日は代演ということで、春雨や雷蔵師匠が『片棒』という滑稽噺をたっぷりと。
休憩(仲入り)を挟んで、今度は真打昇進の口上です。黒紋付の羽織袴で、ずらり並んだ新真打三人とその師匠、そして司会とゲスト。歌舞伎のようにかっちりしたものではなく、洒落っ気の強い結構笑えるものになっています。最後は米助師による手〆でシャシャシャンと終了。
後半も落語が続き、トリの一つ前「ヒザ」の色物はボンボンブラザーズ。パントマイム仕立ての曲芸は、いつみてもだいたい同じなのですが、いつみても面白いのが不思議です。
トリは新真打・小助六師匠の『崇徳院』。新真打らしいフレッシュで愛嬌たっぷりの高座に大満足。
ということで、16時ごろに入場して終わったのは21時ちょっと前途中二回の休憩をはさみながら約5時間。生声に生のお囃子で、様々な芸人が緩く連携する「寄席らしい時間」を過ごすことができました。
で、この日僕が書いたブログはこちら。
▼平日の池袋・披露目 池袋演芸場6月中席(芸協)笑三(昼)・小助六(夜)真打昇進披露 2013/06/20
いかがでしょうか、寄席の楽しみ、何となく伝わりましたでしょうか。
何度か寄席に通うと、出番によって役目が違うことがわかってきます。この日は若手に花を持たせて軽い噺や漫談を掛けたベテラン落語家でも、トリを取るときにもう一度聴きに行くと全然印象が違うのです。このあたりが寄席の面白さですね。
「4時間以上はちょっと長いなあ」と感じられる方は、途中から入場する手もあります。正月などの特別興行や、イベント・大人気の落語家がトリでない限り、開演早々に満員になることはそうありません。
なかでも新宿末広亭は夜席割引で19時〜19時45分に入場すると料金2,800円が1,400円になったりします。狙い目です。
落語はいろんな聴き方があるので、定席の寄席もその一つとして、前回のコラムなども参考にしていただきながら、ぜひ一度は、できれば三回くらいは体験してみてください。
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■過去の記事
▼ブロガー的・生落語のススメ(1)「落語は気楽なライブ・エンターテイメントです」
▼ブロガー的・生落語のススメ(2)「落語はいろいろありすぎる」
▼ブロガー的・生落語のススメ(3)「ワンコインで楽しめる落語(1)」
▼ブロガー的・生落語のススメ(4)「ワンコインで楽しめる落語(2)」深夜寄席に行こう!
▼ブロガー的・生落語のススメ(5)「ワンコインで楽しめる落語(3)」深夜寄席に行こう!
▼ブロガー的・生落語のススメ(6)「落語の後は検索!検索!」
▼ブロガー的・生落語のススメ(7)「定席の寄席に行こう(1)」
▼ブロガー的・生落語のススメ(8)「定席の寄席に行こう(2)」
▼ ブロガー的・生落語のススメ(9)「定席の寄席に行こう(3)」
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プロフィール
四家正紀(しけ まさのり)1967年生まれ 都内IT企業勤務
ブログ「裏[4k]」にて落語に関するエントリーを200本以上執筆し、現在も継続中。先日スタートさせた限定20名の小さな落語会「シェアする落語」第1回(出演:立川談吉)は3日で完売。第2回も開催予定。
落語家と落語会主催者をブロガーの立場で応援するために、日々模索してます。
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