(新宿末廣亭に貼ってある深夜寄席の顔付け 撮影:四家正紀)
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四家正紀と申します。ごく平凡な落語好きのブロガーです。落語を聴きに行っては、ブログを書いています。
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大変お待たせしました。『生落語のススメ』今回はいよいよ新宿末廣亭の深夜寄席を聴きに行きましょう。
深夜寄席で落語を聴くために、特に難しいことはありません。毎週土曜日の夜、ふらっと行って500円払えば落語は聴けます。
しかし、心の中でハードルを高く構えてしまうのが、初心者というもの。誰でも初めての時は緊張するものです。
そこでこのコラムでは「こんなことまで言わんでいいよ」というくらい、微に入り細に入った、日本で一番懇切丁寧な説明をするつもりです。すんごく細かいので、全部熟読しなくてもいいですよ。
では、行きますよ。
●まず準備
・服装
できるだけリラックスした恰好で行きましょう。
ただし、寒い日は暖かく、雨の日は防水を考えておきましょう。というのは、この深夜寄席、最近かなり人気があり、よく立ち見が出ています。
座席確保のためには列に並んだほうが確実です。しばらく外で立って待つことになるので、大丈夫、ディズニーランドほどではありません。
・持ち物
必需品はありません。
ですが、以下のものがあると便利です。
・スマートフォン
・手帳
・文庫本やスマホゲームなど暇つぶしツール
以下は途中のコンビニなどでも調達可能です
・ペットボトルの飲み物
・500円玉1枚(なければ1,000円札。「財布の中に万札しかない」状態は避ける)
・お腹が空きそうだったら、お菓子など(食べるときに音や強い匂いがしないもの)
※お酒はNGです。
末廣亭の座席は映画館と同じくらいの狭さですので、できればこれ以外は、あまり荷物を持たないほうがいいです。
●そして下調べ
・出演者
東京の定席寄席四軒のうち、新宿末廣亭・池袋演芸場・浅草演芸ホールに出演しているのは「落語協会」「落語芸術協会」という二つの団体です(上野・鈴本演芸場は落語協会のみ出演)。深夜寄席の出演も、この二つの協会のどちらかです。
たとえば2012年11月24日の深夜寄席は、落語芸術協会所属の4人が出演しています。その日の昼の部・夜の部が落語芸術協会の興行だからです。
ということで、まず新宿末廣亭のサイトにアクセスして、手帳に出演者をメモっておきます。
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瀧川鯉八
柳家小蝠
雷門花助
春風亭昇吉
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こんなふうに 芸名の隣を空けておきます。
・スケジュールとルート
さて何時に行きましょうか。
深夜寄席の開演は21時30分です。しかし既に書いた通り、最近はよく立ち見がでるほど人気があるので、遅くとも20時50分までに行くことをお勧めします。
20時30分~40分あたりから行列が始まることが多いようです。これは顔付け(出演メンバー)や天候で変わります。
末廣亭はとても分かりやすい場所にありますが、念のため、スケジュールとルートを押さえておきます。Googleマップなどを駆使して確認し、スマホから閲覧できるようにしておきましょう。
たとえばAndroid端末の場合、Googleカレンダーの「場所」に「新宿末廣亭」と登録しておくと、後で路線検索するときにGoogleマップと連動するので便利です。
帰りの電車も確認しておきましょう。終演は23時ですが、たまに10分程度押すこともあるので余裕を見ておいてください。
・飲食など
早めに新宿に出て、近所で飲食というのも悪くありません。終演は23時なので帰りに寄るのはなかなか厳しいですし。
末廣亭の周りは、立ち飲み屋・居酒屋・ラーメン屋・レストラン・カフェなどなど、けっこうなんでもあります。これも下調べしてスマホに登録すると、現地で迷わなくてすみます。
ただ飲み過ぎ食べ過ぎは、眠気を誘いますのでほどほどに。深夜ですから。
ケチな私は新宿通りの反対側、バルト9の並び、地下にある「ヴェローチェ」で180円のコーヒーを飲んでいることが多いです。
●さてさて移動
・地下鉄の出口
というわけで、末廣亭を目指します。
末廣亭の最寄駅は地下鉄(メトロ・都営とも)「新宿三丁目駅」この駅はやたらと出口が多いことで知られています。
「C3」が末廣亭に一番近い出口です。新宿線と他の路線をつなぐ地下通路から入ると、すぐに喫茶店ルノワールがあるのが目印です。ただしこの出口、地上までは階段です。足が悪い方はご注意を。
C3出口を出ると、そこが「末広通り」です。左に出てください。少し歩いて四つ角を越えれば左手にもう末廣亭が見えます。
500円玉やペットボトルなどをまだ用意していない方は、C3出口を左に出てすぐの四つ角を右に行くと、右手にファミリーマートがありますので、こちらで調達してください。深夜寄席の場合、末廣亭の売店はやっていません。
・写真撮影と行列・集金
というわけで、新宿三丁目まで来てしまえば、ちょっと歩くと末廣亭なのです。なかなか風情のある建物で、昼の部・夜の部の出演者の名前が入った幟(のぼり)がでていたりするので、撮影しておくのもよいかと思います。
その際には「本日の出演者」看板も一緒に押さえておきましょう。
既に列ができていると思いますので、並びましょう。
列が長くなると、飲食店の前を行列がふさいでしまうのを避けるために、ちょっと離れたところに、もう一つ別の列を作って並ぶことになります。
ちょうどさっきのC3出口を出たあたりです。
目印は、
こういうプラカードを持った人です。
やがて係りの人が集金に来ます。入場をスムースにするためにお金を先に払っちゃうのです。500円玉を渡してチケット貰いましょう。
「係りの人」と書きましたが、深夜寄席の運営は全て二ツ目落語家に任されていて、末廣亭のスタッフはいません。
ですので、集金係・プラカード係・列整理係は、たいてい本日の出演者である二ツ目の落語家さんです。落語芸術協会の場合は講釈師さんもいます。
たまに出演しない二ツ目の落語家さんもお手伝いに来ています。みんな、普通にジーパン姿の青年だったりします。
というわけで「係りの人」は、その日の高座に上がる可能性が高いので、顔を覚えておくと「普段着と着物のギャップ」が楽しめます。
チケットは入場まで大切にとっておいてください。
21時10分~21時20分ごろから入場になりますが、それまで並んでいる間は暇です。文庫本かゲームなどでお楽しみください。まあ二人連れの時は、ふつうにお喋りしていればいいんですけどね。
次回はいよいよ、末廣亭の中に入りますよ!
お楽しみに。
■過去の記事
▼ブロガー的・生落語のススメ(1)「落語は気楽なライブ・エンターテイメントです」
▼ブロガー的・生落語のススメ(2)「落語はいろいろありすぎる」
▼ブロガー的・生落語のススメ(3)「ワンコインで楽しめる落語(1)」
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プロフィール
四家正紀(しけ まさのり)1967年生まれ 都内IT企業勤務
ブログ「裏[4k]」にて落語に関するエントリーを200本以上執筆し、現在も継続中。先日スタートさせた限定20名の小さな落語会「シェアする落語」第1回(出演:立川談吉)は3日で完売。第2回も開催予定。
落語家と落語会主催者をブロガーの立場で応援するために、日々模索してます。
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