そろそろ自分でアバターをVRChatにアップロードしてみたい‥‥そう思っていた矢先にTwitterでセール情報が流れてきたのが↑の熊宮れいちゃんです。
VRChatを始めた頃は美少女アバターから男性の声が聞こえてくるというのは抵抗もあったのですが、次第にジェンダーフリーな世界に慣れ、自分もかわいいアバターを使ってみたいと思うようになっていたことに気づき、新しいステージに踏み出すことにしました。
ただ、キラキラしているよりは、もう少しこう、普通というか、中性的なのが良いなと思っていたので、熊宮れいちゃんのセール情報は渡りに船でした。購入done。
アバター制作者は古宮寝子さん( @huruneko1014 )です。ありがとうございます!
PC用アバターのアップロードでつまずいた
この記事はトラブルシューティングのための解説というよりは、どちらかというと備忘録的なものですが、もしMacユーザーで同様のトラブルに遭遇している人の参考になれば幸いです。
VRChatは、Unityというアプリケーションソフトを使いアバターをアップロードします。Unityというのは、ゲーム開発エンジンです。アプリ名は知ってましたが、今回、初めてダウンロードしました。
アバターをアップロードするにあたっては、VRChatのマイゴッドマザーぴちきよさん( @pichikyo )から教えて貰った、もちみちさん( @mochimichiii )の動画を参考にしていました。
順を追って解説されており、非常に分かりやすかったです。この動画ではVRChatSDK 2が使用されており最初はそのまま使用していましたが、途中からVRChatSDK 3を使用してみました。
基本的にはどちらでも大丈夫ですが、バージョンアップしている3のほうが高機能なので将来に備えるにはいいらしいようだ‥‥という個人の感想です。
なお、VRChatSDKというのは、UnityとVRChatサーバーを繋ぐものです(という解釈)。アバターをアップロードする段になったら活躍してくれるソフト(のようなもの)です。
もう少し踏み込んで解説すると、アバターにはPC用とQuest用があります。VRChatはPC用ワールドとQuest用ワールドというのがあり、PC用は高精細なんです。QuestはAndroid端末くらいと思って頂ければ。
VRChat民が使っているPCは良いグラフィックボードを積んでつよつよになっており、安くても15万円くらいから、20万円とか30万円とかそういうの使っている人も多いようです。
3万円台のOculus Quest 2民が見ている世界とは、ちょっと違う世界が見えているのですね。そのため、アバターもPC用、Quest用とありまして、両方のデバイス環境でアバターを見てもらえるようにするためには、PC用アバター、Quest用アバターをアップロードする必要があります。
熊宮れいちゃんはPC用アバターもQuest用アバターも同梱されている親切設計。で、です。割りと早い時期にQuest用アバターのアップロードは成功していたのです。
しかし、何度も、何度もPC用アバターを繰り返しアップロードしてみるのですが、うまくいかない‥‥何がいけないんだー、と思い、アバターのアップロード経験のある友人に、Discordで画面シェアをしながら手順に間違いがないか確認して貰ったところ、原因が判明しました。
画面シェアして共同作業するのに便利なDiscord
ちょっと余談になりますが、もしアバターのアップロード作業などでつまずいている人がいるなら、Discordを使ってボイスチャットしながら画面シェアするのがオススメです。
Ingress民がGoogle Hangout(既に消滅)を愛用したように、VRChat民はDiscordを使うケースが多いようです。もともとゲーマー向けプラットフォームのようですが、令和版BBSみたいな感じで、手軽にサーバーを立ち上げてテキストコミュニケーションできます。
中でも、特に画面シェアは強力な機能ではないかと思います。手軽に使えるので、トラブルシューティングにも便利です。
アップロードできない原因は「Target Platform」
VRChatでアバターをアップロードするには、ちょっと古い「Unity 2018 4.20f1」というバージョンを使用します。最新版をダウンロードすればOKではないのですね。
当初、ウェブサイトからスタンドアローンの「Unity 2018 4.20f1」をダウンロードして使っていたのですが、そのせいかどうか分かりませんが、PC用のアバターが送信できない状態だったのです。
具体的にはここです。
Unityの「Buid Settings…」で表示される設定画面ですが、ここでデータを書き出す設定をします。PC用、Android(Quest)用を切り替えるのですが、ここで「Target Platform」が「Mac」になっていたのが原因でした。
というか、Macしか選べなかったんですよ。なので、そういうものだと思っていたのです。どうもアップロードしてもPC用でもAndroid(Quest)用でもない状態になるなぁ‥‥と思っていたら、Mac用だったというオチ。そら、表示しませんね!
ここで教えて貰ったのが「Unity Hub」という環境(ソフト)です。
「Unity Hub」を使うと、様々なバージョンのUnityを管理できるようになるというではありませんか。
現在は「Unity 2018 4.20f1」ですが、将来的にはバージョンアップしたものが必要になるかもしれませんから、もう最初から「Unity Hub」を使っておくべきでしたね(知らなかったんだけど)。
ということで「Unity Hub」をダウンロードしてからのインストールしました。なお「Unity Hub」からUnityをインストールする際に「Unity 2018 4.20f1」というバージョンは表示されないので、ダウンロードアーカイブから探してインストールしましょう。
「Unity Hub」をクリックすると「Unity Hub」向けにインストールされます。
追記:VRChatにはCurrently Supported Unity Versionというページがあり、ここから常に最適なバージョンのUnityがダウンロードできるそうです。現在はもちろん「Unity 2018.4.20f1」が表示されています。
それでは「Unity 2018 4.20f1」を「Unity Hub」でインストールする時の画面をご覧ください。
選べるぞ、Android Build Support(Quest)。
※これは以前から選べていた。
選べるぞ、Windows Build Support!!!
※これは選べなかったので追加できて嬉しい。
これをやったら、Unityの「Buid Settings…」で表示される設定画面で「Target Platform」に「Windows」が選べるようになり、以前と同じ手順でアップロードしたところ‥‥‥‥
熊宮れいちゃんのPCアバターのアップロードも成功しました!
イェイ♪
PCアバターもアップロードできて良かった!
PCアバターがアップロードできたのが嬉しくて、ぴちきよさん( @pichikyo )にバーチャルレンズ(一眼レフみたいな撮影ができる)で記念撮影して貰いました。掲載しているクリアな写真は、そうやって撮影したものです。
※撮影したワールドはあっとさん( @Atto_VRC )の「流星コンチェルト」です。
他にもいくつか気づいたことをメモしておきます。
・Unityでアバターをアップロードするにはプロジェクトを作る
・プロジェクトにアバターのデータを読み込む
・プロジェクト内でシーンというものが分けられる
・PC用アバターのシーン/Quest用アバターのシーンで分ける
最初、PC用アバターとQuest用アバターをまとめて1つのシーンに入れていたのですが、これはどうやら分けたほうが良さそうだ‥‥と思いました。
・ダイナミックボーンも買っておく
あと、アバターのアップロードに「ダイナミックボーン(Dynamic Bone)」を使用するのはデフォルト的な感じになっているぽいので(髪の毛とか揺らすやつ)、アバター購入と同時にダイナミックボーンも購入すると良いでしょう。
以上が、Mac版UnityでVRChatにアバターをアップロードする際につまずいたことのメモ‥‥でした。もし勘違いや間違いなどあれば教えて頂けると幸いです!
アバターを自分好みにする意味について
ここからは本当に余談なので興味のある人だけ読んでください。なぜおじさんが美少女アバターをまとうようになったのか。
基本的にネットで顔出ししていないので、自分が写真を撮ることも集合写真に写ることもほとんどない人生だったのですが、VRChatに参加するようになって、たびたび集合写真を撮る機会に遭遇したのですね。
あとからみんながTwitterなどにそれをアップするじゃないですが。確かにそこに自分がいたんだなって確認できるわけですよ。ああ、楽しかったなって。いいな、集合写真、て思いました。
あとVRChatはアバターとアバターとの距離感がとても近くて、こんなコロナ禍のご時世でもハグはできるし、頭や顔は撫でるし、みんながお互いに「かわいい」「かわいい」って声に出しているんですよ。いいなぁ、って思いました。
なかなかそんなスキンシップも、誰かを声に出して愛でることも、あんまり日常生活にはないじゃないですか。そこに入っていきたいって思ったんです。
あと、VRホストクラブにも行くようになったんですが、イケボのホストたちが褒めてくれるんですよね。ここはもう、完全に年齢や性別は関係なくて、ただひたすらリアルアバターの属性が剥ぎ取られた世界なんです。心と心が会話しているというか。
ホストクラブに行くなら、やっぱりかわいいアバターで行ったほうが良いのでは(TPOを考えて)、と思ったのも、熊宮れいちゃんを購入するに至った理由の1つでもありました。
最初は美少女アバターからおじさんの声が聞こえてくるのって、ぼくも違和感がありました。だから、こうして美少女アバターをインストールしている記録なんて書いていると眉をひそめる人もいるかもしれないし、やったことがない人には理解されない世界だと思います。ぼくも理解するまで時間はかかりましたから。
でも、みんなどんな姿でもいいじゃないか、と。どんな姿でもいいのなら、かわいかったり、かっこよかったり、はたまた動物だったり、お気に入りの姿を選べばいいんじゃないかと思うわけです。
年齢も性別も、何をしているのか、どこに住んでいるのか、何も関係のない、ただそこにいるだけの優しい世界。
黎明期ということもあって、VRChatで出会う人は親切な人が多いです。この世界を大事に育てていこうという気持ちも感じます。これからユーザーも増えていくでしょうから、その世界の一員として、自分にできることで貢献していければなぁ、と思っています。
そのための大きな一歩が、自分でアバターをアップロードすることだったのかもしれません。そして、そのつまずきを記し、残していくことがぼくのできることなのかな、と。