富山県では数々の観光地を巡っておりますが、これほどまでに「行くなら今!」と思ったところはありません。富山県高岡市伏木の「勝興寺」は、保存修理のための平成の大修理の真っ最中。ただ工事をしているだけではありません。工事現場好き、ドボク好きにはたまらない、現場見学ができるのです!(500円、要予約)
「勝興寺」は浄土真宗本願寺派の寺です。「勝興寺」が現在の高岡市伏木に移ったのは、1584年のことでした。約3万平方メートルの広大な境内には、本堂と唐門含む12棟の建造物があり、国の重要文化財に指定されています。建造物は200〜300年が経過しており、平成の大修理が平成10年から20カ年計画で保存修理事業が行われています。
「勝興寺(富山)」アクセス・行き方
「勝興寺」はJR氷見線伏木駅から徒歩10分のところに位置しています。氷見線には高岡駅から乗り換えます。能越自動車道の高岡北I.C、北陸自動車道の小杉I.Cなどからもアクセス可能です。
住所は高岡市伏木古国府17番1号です。
「勝興寺(富山)」国指定重要文化財は12棟
「勝興寺」で国指定重要文化財に指定されているのは12棟です。本堂、唐門大広間及び式台、書院及び奥書院、経堂、御霊屋、鼓堂、宝蔵、総門、式大門、 御内仏、台所(附棟札1枚、銘札1枚)です。
写真上部は唐門です。1769年に京都で建立、1893年に京都の興正寺より譲り受け、北前船2艘により運ばれ移築されました。間口6mの四脚門です。
右下の写真は「天から降った石」という注釈がありますが、これは「勝興寺の七不思議」の一つです。コチラで七不思議がまとめられていますが、他には「実ならずの銀杏」や「水の涸れない池」「屋根を支える猿」などがあります。
こちらは本堂です。手前にあるのは雪割合掌。落ちてくる雪を避けるためのものですが、冬ならではの景色です。本堂は幅40m、奥行38m、220年前に建てられました。本堂は平成10年から16年に修復済みです。
本堂の中心には阿弥陀如来像があります。阿弥陀様は東を向いているので、西側が西方浄土と呼ばれるそうです(西の方角に浄土の世界がある)。
梅鉢紋蒔絵女乗物は、1761年に実際に加賀藩から住職になるために、加賀藩6代藩主前田吉徳の11男時次郎が住職として入寺する際に使用された梅鉢紋の籠です。子供だったので、女性サイズの籠を使ったそうです。
「勝興寺」工事の見学
もちろん文化財としての「勝興寺」も素晴らしいのですが、現在の「勝興寺」のクライマックスはここからです!
「平成の大修理工事現場公開」ということで、事前に予約することで工事現場に入ることができます。見学用のコースというよりは、ヘルメットを被り、文字通り工事現場に侵入していく感じです。
工事現場公開についてに詳細がありますが、1週間前までに申し込みが必要です(ボランティアガイドによる案内があります)。工事協力金500円ですが、富山に行ったら大いに見学する価値があります。
現在工事を見学できるのは、大広間・式台・台所などを含む「本坊」と呼ばれる部分で、大きな素屋根の内部に入ることができます。現場では、木造建築の美しさと職人の技に触れることができます。
いつまでも見られるものではありませんし、時々に工事の進行状況も変わっていきますから、いつ見に行くの? 今でしょ! だと思います。
大きな屋根の中は、完全に工事現場でした。バラされた木材はマーキングされ、いずれ元の場所に戻されていきます。高さでいうと、3階くらいまで上がっていきましたね。
そして、いずれ撤去される屋根ですが、いわゆる曳家というのでしょうか、スライドしてから分解するそうです。
というのも、この状態で解体作業をした場合、万が一にも部品が落下する危険性があるため、スライドしてから解体するのだと伺いました。
外から見るのと、中に入るのとは大違いでした。平成17年から続く作業です。あちこちで職人さんが作業しています。まさに、職人作業の博覧会です。
屋根も1枚1枚を敷き、それを竹の釘で止めるという作業が行われました。壁の技術も失われていたので、再現するために何度も材料作りが行われたのだとか。左下の写真は、傷んだ板の間を修復したところです。色が違うのが分かります。
工事現場や土木が好きな方には、ぜひ生で体験して欲しい現場だと思いました。もちろん、そういったことにあまり興味がないという人でも「勝興寺」の工事現場は興奮するはずです。なんといっても、こんなのなかなか見られるもんじゃありませんから!!
▼勝興寺
#富山観光まとめで富山旅行の記事をまとめていますので、ぜひそちらもご覧ください!
「大人の遊び、33の富山旅。」富山プレスツアーについて
富山県とその14市町(富山市、高岡市、魚津市、氷見市、滑川市、黒部市、砺波市、小矢部市、南砺市、射水市、上市町、立山町、入善町、朝日町)が主催する「大人の遊び、33の富山旅。」ハンドブック富山プレスツアーに参加しました。
ハンドブックでは「高低差4000mの世界」「神秘の海 富山湾」「屹立する宗教文化」「魅惑のアーツ&クラフツ」「時代を超える建築」「古今の富山グルメ」と、富山らしい6つのテーマで構成された33の体験型観光プログラムが紹介されています。
今回のツアーでは、2016年3月1日〜5月31日までの春特別プログラムを訪ねました。「大人の遊び、33の富山旅。」ハンドブックは、都営地下鉄線、浅草文化センタなど首都圏をはじめ、関西、東海、北陸で無料配布されています。