立山連峰が3,000メートル級、富山湾が水深1,000メートル。そんな高低差4,000メートルの世界が広がる富山湾のことを詳しく知ることができるのが、魚津市にある「魚津水族館」です。大正2年に開館した、日本最古の水族館です。富山湾は寒流と暖流がぶつかって流れ込んで魚が豊富で、天然の生簀と呼ばれています。
富山の自然の情報発信する「魚津水族館」
「魚津水族館」はイルカショーなどの派手なショーはありませんが、自然豊かな富山の情報を発信、富山にこだわる展示をしている水族館です。
入館料は大人が750円、小中学生が410円です。開館時間は9時〜17時です。
富山といえばホタルイカ。でっかいホタルイカもいました。
入口では上流域、中流域、下流域と、富山の川が再現されています。魚津は山と海の距離が近く、石が砂にならず、上流域のように大きい石が中流域にもあるそうです。
ヤマメ、イワナがとれる場所からも海が見え、上流域の魚が用水路でも見られるという、他の場所では「考えられない」あり方が、富山ならではなのだとか。
富山といえばマス寿司もありますが、ヤマメがマス寿司の材料になるそうです。ヤマメがマスに!?
ヤマメは縄張り争いで負けると、海に出てくるそうです。海に出るとヤマメはマスになり、やがて山に帰るのだそうです。それを捕まえてマスの寿司ということになります。
「魚津水族館」は現在の建物は3代目で、初代はもう少し海寄りにあったのだとか。生き物だけでなく周辺の環境も含めて展示しているのが魚津水族館の特徴で、こうした展示の稲も本物を育てています。
波を作る水槽もありました。一定の間隔で、水槽に波が発生します。
魚は揺れに対して踏ん張っているのですが、これは環境に慣れたからで、入れたばかりの魚はゆらゆらするそうです。波の下が見られるのは、貴重な光景でした。
餌やりもできます。ゴールデンウイークなどは大人気で、すぐにエサがなくなってしまうのだとか。
ダイバーによる餌付けも見られます。
古い水族館だけあり、1981年に作られた水槽を横切るアクリル製のトンネルは、今では他の水族館でも見られるようになりましたが「魚津水族館」が発祥だそうです。
元祖、水族館のアクリル製トンネル。
ゲンゲのコーナー。漢字で「幻魚」と書きます。
深海魚コーナーなので真っ暗。流通が発達し、料亭などで高級魚としてゲンゲが食べられるようになっているのだそうです。
富山といえばブリ。
出世魚。地方によって呼び名が違います。富山に来たら、ぜひフクラギは食べたいですねぇ。
日本海で揚がるリュウグウノツカイ。地震の前触れなんていう風に言われることもありますね。上は模型です。こんなにキレイな状態で見つかるのは珍しいのだそうです(カラスなどに食べられてしまうため)。
もっと小さいものだと思っていたのですが、数メートルもあってびっくり。こんなのが深海を悠々と泳いでいるんですねぇ。
余裕で人間より多いきいので、けっこう怖い。完全に使徒です。
案内して下さったスタッフの方によると「魚津水族館」のイチオシがマツカサウオとのこと。マツカサウオは、
なぜ「魚津水族館」でマツカサウオがイチオシかとたうと、それは大正3年に発光することがここで世界で初めて発見されたから、だそうです。暴風雨で停電したことで、偶然発見されました。
水族館というとイルカショーなどの派手めのショーを連想する人もいるかもしれませんが「魚津水族館」は昔ながらの「おさかなショー」を大事にしてます。
登場するのはイシダイにウマヅラハギです。
イシダイは好奇心旺盛で調教しやすいそうですが、ウマヅラハギは難しいので、なかなかいないそう。イシダイの中でも性格が違うので、ショー向きの魚を探すのがポイントだそうです。
ユニークな取り組みなのが、自由に入れるバックヤードです。バックヤードツアーを設けている水族館はありますが、いつでも自由に入れるバックヤードは珍しいのではないでしょうか?
お客さんとスタッフが、自由に会話している、なんていうこともしばしばあるそうですよ。気になる魚について話を聞けるなんて、子どもにはたまらないスペースですね!
さっき見た餌付けダイバーが水柱に降りるところ。表だけでなく、裏側も見られるのは水族館への理解が深まります。
長寿飼育動物、日本で第二番目の記録持ちのアオウミガメ。江ノ島水族館からやってきてから44年。その前の記録は分からないそうです。姫路に1位のアオウミガメかいます。
2015年3月19日に生まれた、ゴマフアザラシの赤ちゃん、ハルちゃんがいます。まだ小さくて、好奇心旺盛!?
生まれた時からの写真がズラリと貼られているのですが、人間の赤ちゃんと同じですね。人間の赤ちゃんより、成長のスピードは早そうですが。
ゴマフアザラシのハルちゃんです。水の中から顔は出してくれませんでした。残念。元気に泳ぎまくってました。
ガラエステコーナーは、いわゆる皮膚の角質層は食べてくれるドクターフィッシュというやつですね! 10分1,000円とかで体験できるアレですが、ここなら無料です。
手を入れるとワラワラとドクターフィッシュが集まってきて、ピトピトと手を食べていきます。
なるほど、こういう感触だったのか‥‥これは気持ちいい! 飼えるものなら自宅に欲しいくらいです。
熱心に館内を案内して下さったスタッフの方です博多出身だそうですが、富山の地形の特殊性、素晴らしさ、水のうまさを熱く語って下さいました。ありがとうございました!
「魚津水族館」で作っている魚類図鑑です。これ、地元の子どもなら間違いなく必携です。555種類も載っています。
マスの寿司になるサクラマス、元ヤマメの話。やっぱりそうだったんだ。
時間がなくてじっくり見られなかったんですが、この缶バッジもただ者ではない雰囲気を醸し出してましたよ。なんでしょう、図鑑といい缶バッジといい、不思議なアピールをしきます。
不思議なアピールといえば、最たるものがこれ。
魚の図鑑に対して「居酒屋が2倍以上たのしくなる1冊」て! これはやられましたなぁ。思わず買ってしまいました。居酒屋で楽しくなりたいよ。刺身を食べる前に勉強しよう。ありがたく頂きます。
「魚津水族館」歴史を感じる不思議な楽しさ
時間の関係で全てをじっくりと見ることは出来なかったのですが「魚津水族館」の特徴はよく分かりました。不思議です。不思議な雰囲気の水族館です。これは、積み重なった歴史があるので、底が見えない不思議さなのだと思います。日本最古の水族館は伊達じゃない。つか、面白い。どんどん展示されている魚が美味しそうに見えてしまったことを申し添えてレポートを終わりたいと思います。
「魚津水族館」住所とアクセス
住所:〒937-0857 富山県魚津市三ケ1390
富山プレスツアーについて
富山県とその14市町(富山市、高岡市、魚津市、氷見市、滑川市、黒部市、砺波市、小矢部市、南砺市、射水市、上市町、立山町、入善町、朝日町)が主催するプレスツアーに参加しています。