非モテSNS・えがちゃんが起業して社長に「IT業界のダウンタウンになりたい」

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非モテSNSを主宰する「えがちゃん」こと永上裕之氏が起業した(以下、えがちゃん)。「ネタフルで取材して欲しい」と一方的なメッセージがSkypeで寄せられ、本当に本人が浦和にやってきた。

えがちゃんは23歳。学生時代から自身でウェブサービスを構築したり、リクルートに勤務する傍ら、非モテのためのSNS「非モテSNS」を主宰してきた。

世の中は不況と言われて長い。なぜ、このタイミングの起業なのか? えがちゃんに聞いた。

「名刺をもらってください」

差し出された名刺がこれだ。

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「お洒落ですね」と言って机に置くと「裏も見て下さいよ!」と言われる。

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えがちゃんが代表取締役を務める「ホットココア」のロゴが印刷されている。「街のホットステーションと同じコンセプトですね」とお茶を濁す記者なのであった。

実はえがちゃんに会うのは2回目。お互いに何を話して良いのか分からず、空気を探り合う時間が続くが、重い空気に耐えられなくなったえがちゃんが口を開く。

「エバーノートってどうですか?」

えがちゃん曰く「周回遅れ」で流行りのサービスを使用するタイプで、最近になってエバーノートに興味を持っているそうだ。

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リクエストを頂いたので拙著をプレゼントした。

以下、雑談的なインタビューに続く。

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「メインの事業はウェブサービス」

ウェブサービスを作りたい。会社としては(えがちゃんは)ディレクションすらしてない。経理、採用、営業といった、いわゆる社長業をしている。

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「社長がなるべく手を動かさないように」

マンガ「マネーの拳」に影響を受けた。そこには「社長の仕事を減らすようにと書かれていた」他には堀江さん(ライブドア元社長)、けんすう(ロケットスタート)の言う通りに経営しようと思っている。けんすうに憧れてリクルートにも入社した。

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「夏休みはずっとサイトを作っていた」

学校裏サイトを作ったのが初めて。ラジオのファンサイトも作っていた(TFMラジオ黄金時代)。高校3年生の頃は、はがき職人で投稿しまくった。

夏休みはずっとサイトを作っていた。掲示板を作って宣伝しまくって知り合いを増やすのが楽しかった。福井出身で東京に憧れていた。

子供の頃に過ごした夏休みのような生活(好きなサイトを作ること)を続けるのが夢だった。社会人になってもその生活が忘れられず、起業してようやくその夢みたいな生活を取り戻した。

「期待の星と書いてください(笑)」

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「世界を変えるのは出会い系だと思っている」

ツイッター、ニコニコ動画でコミュニケーションが簡易化している。iPhoneで写真撮影してワンクリックでなう、のように。

その最終系として、メールでコミュニケーションが完結すると良いと考えている。女子高生や女子中学生は家に帰ってメール着信があると嬉しいという。「寂しい」をテーマにしたウェブサービスを作りたい「エニィメール」がそれだ。

「エニィメール」は知らない人から自分が興味のあるメールが届く。知らない人とメールで会話できるサービス。話題ごとに自動でスレッドができるメーリングリストだ。

メール内の文章を解析して振り分けるシステムを作りたいが、どこまで先行投資するか会社としては難しい。ぜひ一緒に作りたいという人を募集している。

上場を目指しているというよりは、世界に羽ばたくような会社を作りたい。Facebookの社長には負けたくない、日本のえがみも負けてないぞ! というところを見せたいと思っている。

同年代で話をすると「孫さんかっこいいよね。あれほどチャレンジングな人はいない」という話になる。

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「後輩のために道を作ってあげたい」

– えがちゃんと話をしていると「後輩のために」という使命感が非常に強いように感じた。その使命感はどこからくるのか?

後輩が大好き。年下と話すとインターネットは楽しいのに社会のしがらみに縛られている気がする。ネットは儲からないんでしょ? と。会社を作るのは親から反対されたり。年下が楽しんで会社を作れる世の中にしたい。道を作ってあげたい。

芸人でいうとダウンタウンになりたい。昔、芸人はバカにされる職業だった。ダウンタウン以降、モテる、尊敬される職業になった。ネット業界のイメージも良くない気がする。だから、ダウンタウンのような存在になりたい。

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「社長業はマゾでないとできないかもしれない」

既に毎月100万円以上の売上が会社としてあるので安定はしている。受託をしないで新しいサービスに専念できる環境を構築するために、サラリーマン時代にコツコツやってきた。

インターネットで人海戦術の意味がなくなり、終身雇用が崩壊している。価格.comとか比較サイトが出てきたので1位の商品以外意味がなくなっている。起業した方が楽しいことができる。正直、社長業はマゾじゃないとできない。(えがちゃん自身は)忙しくないと生きてる感じがしない。

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「5年以内に100万人以上の会員サービスを作る」

– 最後に5年後、どうなっていたいか? と聞いた。

会社としては社員30人くらいになっていればいいよね、という話をしている。5年以内に100万人以上の会員サービスを作るのが目標。

個人としては、世界に一つしかない会社になっていたい。堀江さんは日本で一人しかいないキャラクター。サラリーマンをしていて分かったが、大きな声を出して頑張ってもいっぱいある中の一社でしかない。5年以内に自分だけのカラーを見つけたい(サービスで)。

非モテSNSのオフ会を主催して、いろいろな意見を聞いてユーザのために頑張る楽しさを知った。

「ぼくでもできた」

ぼくの起業で若者に勇気を与えたい。年齢も若いし、ネットでもバカばっかりやってたし「えがちゃんでもできた」と見て欲しい。

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数々の修羅場をくぐり抜けてきたせいか、23歳とは思えない落ち着いた雰囲気と、全てを豪快に笑い飛ばすその姿に、新世代の起業家の登場を感じざるを得ない記者であった。

えがちゃんは自分の起業によって「世界を変えてやろう」と考えているし、その可能性はある。もしそうなった時に、ネタフルのことを忘れないでいて欲しいものである。

世界にはばたけ、えがちゃん!