Adobeが六本木ヒルズで開催した、新製品・新サービスの発表会「Adobe Creat Now 2014」を取材しました。メジャーアップデートした「Adobe Creative Cloud 2014」に加え、Adobe初のハードウェア製品となる「Adobe Ink」「Adobe Slide」、月額980円でPhotoshop CCとLightroom 5が使える「Creative Cloud フォトグラフィプラン」も発表されました。
「Adobe Creat Now 2014」発表会の様子から
開会の挨拶は、アドビシステムズ株式会社代表取締役社長クレイグ・ティーゲル氏から。
続いて、基調講演はCreative Cloudビジネス戦略およびGTM担当バイスプレジデントであるマーラ・シャーマ氏から。
Adobeでは、ニュークリエイターズリサーチというリサーチを行った。それによると、70%がモバイル向けのクリエティブを作っている。50%はモバイルデバイスでコンテンツを作っている。クリエイティビティ、デザインの重要性がますと77%が回答。つまり、デザイナーの世界が変わっている、複雑になっている。
Adobeでは「Creative Cloud」に、過去2年間で500以上の新機能を導入してきた。今日「Adobe Creative Cloud 2014」をリリース。
新ハードウェア「Ink」「Slide」を紹介。紙を使っているのと同じ気分で使いこなせるもの。アルミニウム製。圧力センサーになっている。モバイルアプリで使うと繊細な絵を描くことができる。日本では2014年下半期にリリース予定。
月額980円でPhotoshop CCとLightroom 5が使える「Creative Cloud フォトグラフィックプラン」の提供も開始。iPadアプリに加えて、iPhoneアプリも利用可能に。
その後、各新製品の機能に関してデモが行われました。
「Adobe Ink」「Adobe Slide」とは何か?
個人的に気になったのは、Adobe初のハードウェアと言われる「Adobe Ink」「Adobe Slide」です。プレスリリースによると次のように説明されています。
Adobe Ink
液圧成型された美しい三面構造のiOS7を搭載したiPad用アルミスタイラスペンです。コントロールされ、表現力に優れた描画を可能にし、Creative Cloudに接続することで、お気に入りの画像、写真、Adobe Kulerカラーテーマなどのクリエイティブアセットにペン操作でアクセスできます。Adonit社のPixelpointテクノロジーを利用して製造された微細な先端を持つ感圧ペンは、軽量で、快適な握りやすさを考慮した形状となっています。
Adobe Slide
新たなカテゴリを形成するiOS7を搭載したiPad向けデジタル定規(Inkのコンパニオン製品)です。コンピューターグラフィックスやデスクトップパブリッシング登場以前に使用されていた伝統的ツールに現代的な手法を取り入れたSlideを利用することで、iPad上で直線、完全な円、バランスのとれた形状による精密なスケッチを行うことができます。
「Adobe Ink」はスタイラスペン、そして「Adobe Slide」は「Adobe Ink」のコンパニオン製品となる、いわゆる定規のような製品になるようです。AdobeがiPadのために、ペンと定規を開発した、ということですね。
まだ会場では製品デモが行われていないので、どんな風に使えるものなのか、といったことは分かりません。
「Creative Cloud フォトグラフィックプラン」が期間限定キャンペーンから通常プランに
月額980円の「Creative Cloud フォトグラフィックプラン」の詳細を聞いて「あれ? どこかで聞いたことあるけど?」と思われた方も少なくないと思いますが、そうなんです、延長され続けていた期間限定キャンペーンが、ついに正式なプランとなりました。非常に人気が高かったというのが、その理由のようです。
新しいモバイルアプリもリリース
Adobe Sketch
フリーフォーム描画用のソーシャルスケッチングiPadアプリ。利用可能な基本描画ツールは、グラファイト鉛筆、インクペン、2種類のブレンドマーカー(先端がブラシとチゼル)、消しゴムなど。作業中に、クリエイティブコミュニティからライブでフィードバックを受けることも可能。
Adobe Line
世界初の精密描画および製図用iPadアプリ。Adobe LineとAdobe Inkと組み合わせる事により、正確な直線、雲形定規による滑らかな曲線を、設定したパースペクティブに合わせて正確に描画する事ができる。LineとSlideを組み合わせると、モバイル用に作り変えられたルーラー、T定規、形状テンプレートなどの従来型の描画ツールが利用できる。
Photoshop Mix
iPad上で合成とマスキングを行うための最も高精細なアプリ。アップライト、コンテンツに応じた塗り、手ブレ補正など、クラウドベースの強力なイメージングテクノロジーをiPadに提供するアプリ。デスクトップ上のPhotoshop CCと連携した連続的なワークフローも実現。
iPhone向けLightroom mobile
iPad向けLightroom mobileの機能がiPhoneでも利用可能に。画像の管理と編集が、デスクトップ、モバイルデバイス、ウェブを問わずに行うことができる。
iPadおよびiPhone向けCreative Cloud
Creative Cloudのユーザが、モバイルデバイスからファイルやアセットなどにアクセスして管理するためのアプリ。