日産、学べる撮影スタジオをメタバースで公開 〜5年かけて回収された伏線に目が丸くなった話

日産自動車が、第5弾となるワールドをVRChatに公開しました‥‥ということで、実写にしか見えない↑の写真は、メタバースで撮影されたものです。実写の実車のようだ!

このワールドは、日産の名車とその時代を感じるセットの中で、写真や動画を撮って楽しむことができる撮影スタジオ「NISSAN Heritage Cars & Safe Driving Studio」です。

なるほど、流麗な撮影スタジオを作り、たくさんの人に使ってもらおうという算段なのだな‥‥と思いきや、実はそれに留まらない仕掛けが用意されていたのです!

※プレスツアーに参加しました。

日産が名車のある撮影スタジオを公開

「NISSAN Heritage Cars & Safe Driving Studio」は、Meta Questでもアクセスが可能です。これが本当に凄いです。Quest 2でアクセスしても流麗。ギミックもちゃんと動作しています。日産ファンには是非ともアクセスしてほしいワールドです。

さて、日産が公開したスタジオは3つあります。

スタジオ(1)

80年代:まるでトレンディドラマの世界のような美しい夜景を再現したスタジオ

車両:シルビア Q’s

スタジオ(2)

70年代:ケンとメリーのスカイラインとともに楽しむドライブ体験ができるスタジオ

車両:スカイラインハードトップ 2000GTX-E

スタジオ(3)

50~60年代:ダイナーとドライブインシアターのあるアメリカンな雰囲気のスタジオ

車両:ダットサンフェアレディ SPL213

スタジオには秘密がある

先にも書きましたが、これらのスタジオは撮影できるだけでなく、アカデミックな仕掛けが用意されているのです。体験型のスタジオです。

スタジオ(1)

体験できる内容:歩行者の服装色に関するフィギアと実車による視認性評価実験

ファッションと交通安全関するポイントについてマネキンを使って体感

協力:相模女子大学 学芸学部 生活デザイン学科 角田 千枝 教授

スタジオ(2)

体験できる内容:交通安全と有効視野計測システムの関連研究

交通安全と有効視野の関係を VR ならではの没入感とともにゲーム感覚で体験

協力:北里大学 医療衛生学部 リハビリテーション学科 視覚機能療法学 川守田 拓志 准教授

スタジオ(3)

体験できる内容:ハンドルぐるぐる体操

日産が新潟大学人文社会科学系教育学系列村山敏夫准教授と共同創案をおこない、これまでもVR でのイベントを実施してきた「ハンドルぐるぐる体操」をいつでも楽しめるスクリーンエリアを設置。

VRでの体験は説得力がある

ある意味、スタジオ(1)とスタジオ(2)の体験は「教習所だな」と思いましたね。教習所に通ったのは30年以上前で、そこで習ったような話なのです。

スタジオ(1)では、とんでもないギミックで桟橋と女性が登場します(ぜひ自分で体験してください!)。

赤い服の女性が3人。一番遠くの女性も、赤だと視認できます。

80年代は原色の服を着る人が多かったのですが、現代になるにつれて黒い服を着る人が増えたそうです。黒い服になると当然、視認性が悪くなります。

では、どうしたら良いか。

また原色の服を着る必要はありません。角田教授の研究によると、ワンポイントとして白いアイテムを持つだけで、視認性が上がるそうです。バッグでも良いし、マフラーでも。

写真で見ても、恐らく教習所で動画で見ても「なるほどな」と思うのでしょうが、メタバースの中で実際に体験すると、説得力が違います。目の前で観ている感覚が強いのです。没入感ヤバい。

夜は明るいアイテムをワンポイントで持つ。これが大事なんだと身にしみて理解することができました。

名車を見に行こう

ワールドのギミックも、名車のデザインも、第5弾でかなり極まったと思います。テーマパークのアトラクションのようです。Questを持っている人は、どんなワールドになっているかだけでも、視察に行く価値があると思いますよ。

最後になりますが、このワールドのスタジオ(3)に立ち入った瞬間に、強烈なデジャヴを感じたのは、今回のプレスツアーではぼくだけだったと思います。

思わず、カッと目を見開きました。

ここ! このシーン!

これ、見たことありますよ!

これでしょ!?

完全に一致!!!!!

ちなみに赤い水玉のワンピースでポーズを決めているのは、日産広報の鵜飼さんです。この日のプレスツアーでも案内係を務めておられてましたし、日産のVRを牽引してきた重要人物の1人でもあります。

そんな鵜飼さんがポーズを決めているこの写真は、2019年に、リアルの「NISSAN HERITAGE COLLECTION」を取材した際に撮影したものなのですが、これがメタバースに繋がるなんて思いもしませんでしたよ。

そりゃあ、目もまん丸になるというものです。

まさか5年の時を経て伏線回収をしてくるとは‥‥恐るべし!!!