1972年建築で老朽化し、耐震補強が難しく解体が予定される東京銀座の「中銀カプセルタワービル」で、カプセルを取り外して美術館等への寄贈や、宿泊施設等で「再活用」するプロジェクトが開始しています。
「中銀カプセルタワービル」カプセルを再活用へ
「中銀カプセルタワービル」の建物をそのままの姿で保存するのではなく「メタボリズムのコンセプトを引き継ぎ、次に繋げる」という、設計思想の継承としての計画だそう。
「中銀カプセルタワービル保存・再生プロジェクト」が事務局を運営し、カプセルの改修は株式会社黒川紀章建築都市設計事務所の協力により、理想的な姿へと再生するとしています。
「中銀カプセルタワービル」建て替えを計画する不動産業者に売却へという記事を書いていましたが、姿を変えて「中銀カプセルタワービル」の思想が受け継がれていくことになったということですね。
美術館・博物館等への寄贈
再生したカプセルの一部は美術館や博物館に寄贈されます。実は竣工当時のモデルルームカプセルは、現在黒川紀章氏が設計した埼玉県立近代美術館に展示されています。
これまでにもパリのポンピドゥーセンターをはじめ、国内外の美術館からカプセル譲渡の依頼があったそうで、今後は取り外したカプセルを再生し、国内外の美術館や博物館に寄贈し、メタボリズムの思想を伝えていくとしています。
宿泊カプセルの全国展開
宿泊しなければわからないカプセルの魅力を伝えるため「泊まれるカプセル」を全国で展開するとしています。
書籍出版やクラウドファンディングも
現在の建物を記録する書籍「中銀カプセルタワーの記録(仮)」も製作中とのことです。すでに140カプセル中50以上のカプセルの撮影が終了しています。2022年2月に草思社から出版予定です。
美術館などの公共施設に寄贈するカプセルの改修費に充当するクラウドファンディングも、2021年7月2日からスタートしています。
(プレスリリース)