ただいま一部の界隈で「Clubhouse」というサービスが盛り上がっています。iOS版アプリしかないのですが、そのInviteを巡って静かで熱い戦いが繰り広げられているようです。だって、Inviteがメルカリで1万円で買われているんですよ!?
「Clubhouse」とは?
さすがに価格は落ち着いてきているようですが、それでも売る人も買う人もいるという状況には驚かされます。「Clubhouse」ってなんなのだ!?
ということで、運良くInviteを貰うことができたので「Clubhouse」を試したファーストインプレッションをメモっておきます。
「Clubhouse」の名前は、2021年1月24日くらいからTwitterのタイムラインで頻繁に見かけるようになりました。最初は新しいSNSはスルーしようと思っていたのですが、妖怪アンテナがピコーンとなりまして、友人からInviteして貰いました。それが1月24日の夜でした。
ひと言でいうと「Clubhouse」は、音声版TwitterのようなSNSサービスです。ステージ上でやり取りしている人たち(複数人)の音声チャットを、周りでリスナーが聞いているというイメージです。
Twitterでリプライを送り合っている人たちを、周囲で観測しているようなものですね。なので、音声版Twitterと説明するのが、とりあえずは分かりやすいかもしれません。
「Clubhouse」ではルームを作り、その中で音声チャットをしていきます。クローズドなものを作ることもできますが、オープンなルームなら誰でも出入りができます。
リスナーが言いたいことがあれば手を挙げて参加することができます(承認されれば)。モデレーター(ルームの開設者、その人が任命した人たち)がリスナーをスピーカーとしてInviteすることもできます。
スピーカーになるとフォロワーにプッシュ通知が届くようで、新たにスピーカーが加わるとババババッとリスナーが増える現象もあります。このあたりはとてもよくできていると思います。
ルームをシェアするような機能、テキストチャットを投稿するような機能は現在のところはなく、あくまでも「Clubhouse」の中の閉じた世界として、さらに音声のみのコミュニケーションに絞ることでコミュニティをコントロールしているのだろうな、感じました。
「Clubhouse」どんな風に使う?
メインの画面はこんな感じです。
その時点で開設されているルームと、スピーカー、リスナーの数が表示されます。気になるものがあればタップして簡単に参加できます。
ルームを立ち去るときは「Leave quietly」をタップすれば退出できます。「静かに退出しますよ」という心遣いが良いです。
参加している人数まも様々で2人で会話しているだけのルームもあれば、数人のスピーカーに対して1,000人以上が聞いているようなルームもあります。
これはルームの画面です。喋らない人はマイクをミュートすることができます。
もともと「Clubhouse」を知ったのは、Twitterで「Clubhouseでたまたま入ったルームで事業のプレゼンをして投資を受けた」というような話が話題になっていたのですね。
恐らくそこから興味を持ったスタートアップ界隈の人たちが流れ込んだのでは‥‥と推測しています。
実際、今は日本語のタイトルのついたルームで会話している人たち、会話される内容はスタートアップに関する内容が多いです。スタートアップ界隈の有名人が参観している日本人のルームでも数百人規模のリスナーがいるものもあります。
ぼくはビジネス系のネタは持っていないので、流しの四元さんに流しをして貰いました。
「Clubhouse」で流しをしたのは世界初なのでは!? まあ、弾き語りをしている人は世界中でいるでしょうけどね。
まだ実験段階ですし、音声チャット用のアプリなので音質は良くはありませんが、AMラジオを聞いているようなチープさが逆に良かったです。
海外では音楽を流し続けているルームもあるそうで、思っている以上に音楽と「Clubhouse」の親和性は高いのではないかと思っています。むしろ、趣味について語り合う場が「Clubhouse」かもしれないな、とも。
ルーム開設を予約しておくこともできます。カレンダー機能で一覧することができます。
まだぼくは利用できないようなのですが、クラブを立ち上げることもできるようです。
こうしてみると「Clubhouse」は「部室」と考えると利用方法も見えてくるかもしれませんね。
「Clubhouse」の今後は?
調べたところ、2020年5月に次のような記事がありました。
▼いまシリコンヴァレーで最も注目されている新サーヴィス、音声SNS「Clubhouse」の正体 | WIRED.jp
Clubhouseで「ルーム」と呼ばれるチャット空間に行くと、まるでホームパーティーに顔を出したような気分になる。ユーザーたちによると、TwitterやTikTokと比べて現実社会で人とつながっている感覚に近いという。
既に多額の投資も集めているそうで、そんなに話題になっているのに気づいていませんでした。最近まで日本では使えなかったというのもあるかもしれません。
▼米国スタートアップ界で話題の次世代SNS「Clubhouse」になぜ100億円以上も時価総額がつくのか? | TechCrunch Japan
現状はAirPodsを常に付けたまま生活を送る人が多くなっている。AirPodから生まれるプラットフォームがあるのは間違いない。
新型コロナウイルスで在宅が長くなっているのに加え、AirPodsを装着したままのライフスタイルが影響するというのは面白い分析です。確かに中学生の次男も、家にいるときはけっこうAirPodsをつけてますね。
久しぶりにガツンとくる新しいサービスに遭遇した感覚がありますが、よく似た雰囲気を感じるのは2007年に日本でも使われ始めたTwitterです。当時はテック系界隈から広まりましたが「Clubhouse」はスタートアップ界隈から広まっている印象です。
黎明期にはコアなユーザーが多く参加しているし、ほとんどが繋がり合っているので場としての居心地の良さがあります。一気に盛り上がりを見せるのも、そういう居心地の良さに起因するでしょう。
しかし、Inviteがメルカリで売られているように、中に入りたい人はまだまだたくさんいます。全く違う界隈にリーチした場合に、Twitterがそうであったように「Clubhouse」も普通の人たちが溢れていくでしょう。
人気の次世代音声SNS「Clubhouse」がクリエイターへの支払い計画を発表、Andreessen Horowitz主導の新ラウンド準備中 | TechCrunch Japanには次のようにあります。
Clubhouseは3つの分野(チップ、チケット、サブスクリプション)について「この数カ月間 」に最初のテストを開始すると述べている。YouTubeなどのクリエーターに収益化の機会を提供するPatreonのような機能をClubhouseプラットフォームに組み込むことを考えているのかもしれない。
クリエイターの収益が上がることは良いことなのですが、マネタイズに敏感な人たちが大量に流入すると「Clubhouse」の雰囲気も代わり、悪い噂が立つこともあるかもしれません。
それでも動画編集のような手間がかからない、リアルタイムに喋るだけで良いというのは、様々な可能性を持っていると思います。聞く方からしても“ながら”ができますから。
コーヒーを淹れるちょっとした時間にも「Clubhouse」を立ち上げて雑談を聞くというのは向いています(実際にやっている)。もっと「どうでもいい話」をするようなルームが増えても面白いかな、と思いますね。
VRChatでアバターでチャットしてても思うのですが、顔がない音声だけのコミュニケーションって気楽なんですね。よそ見しててもいいし。それでいてテキストだけでは感じられない“近さ”があるんです。
最近では「dabel」という、まさに音声チャットでダベるサービスも試しましたが、ポッドキャストも含めて、耳の争奪戦がさらに熱くなっていきそうです。Spotifyもradikoも競合になりますね。
今は面白がって使う人がたくさんいますが、1週間後、1ヶ月後、半年後に「Clubhouse」を使っているユーザーがどんな人たちになっているかは分かりません。「年初に話題になったよね」くらいかもしれませんし。
Twitterも音声チャットの「Spaces」をテストしていますし「音声コンテンツが面白そうだ」というのは間違いなさそうです。
個人的にはTwitter黎明期からやり取りしている人たちと久しぶりに会話したり、ネットでやり取りしているだけの人たちと会話できたりして楽しいです。
Clubhouse: Drop-in audio chat
Alpha Exploration Co.無料posted withアプリーチ