国籍なきロヒンギャ族 実は群馬・館林に定住進む:朝日新聞デジタルという記事を読み「ロヒンギャ族」について調べてみました。ミャンマーでの迫害を逃れて、ということですが、ミャンマーでも移民とみなされ、国籍が認められていないそうです。日本では「無国籍者」を認定する法的な仕組みがなく、公的支援が受けられていないそうです。
1990年代から偽造旅券などを使い来日し、難民認定されたり、在留資格を与えられたりして徐々に定住が進んでいる。
さらに、少し前には少数民族6千人が海上漂流か ミャンマーでの迫害逃れ:朝日新聞デジタルという記事にもなっていました。マレーシアに船で到着したものの「難民の大量流入を警戒する措置」として追い返され、海上で6,000人が漂流しているとも見られているそうです。
そもそも「ロヒンギャ族」とは? ということで、ロヒンギャ – Wikipediaを見てみました。すると次のように説明されていました。
ロヒンギャが、民族集団、宗教団体、政治結社のいずれであるのか判明していない現在、本頁ではロヒンギャに民族的意味合いを持つ「族」を付加しない。
新聞記事では「ロヒンギャ族」となっていますが、学会でも議論が行われているのだそうです。
さらに。
一般に、ミャンマーの多数派である仏教徒から迫害を受けているため世界各地へ亡命していると説明され、UNHCRは関係諸国に保護を求めているが、タイやマレーシアなどの周辺諸国はロヒンギャを経済移民視しており、難民認定しないことで一致している。
なかなか複雑な問題があるようです。
東南アジアの無国籍少数民族ロヒンギャの悲劇 – 一人ひとりが声をあげて平和を創る メールマガジン「オルタ」という記事で、より分かりやすく説明がされていました。
多民族国家のミャンマーだが、政府はロヒンギャ族を国内の少数民族として認
定せず、バングラデシュから移動してきたベンガル系の「不法移民」として扱い、
国民として認知しないため、無国籍状態に置かれている。
出自とされるバングラデシュでも、一部を難民として認定するも「不法移民」としてミャンマー政府に引き取りを求め、収監や強制送還を繰り返してるのだそうです。つまり「ロヒンギャ族」は宙ぶらりんの状態にあるようです。
ロヒンギャ漂流問題 ミャンマー少数民族の対立と迫害の歴史 | THE PAGE(ザ・ページ)という記事もありました。
民族名としてのロヒンギャが文献に載るようになったのは、1950年以降という報告もあります。こうしたこともあり、ミャンマー政府はロヒンギャを自国民とは認めないのです。「土着の民」ではなく、あくまで「バングラデシュからの不法移民」というわけです。
ロヒンギャはなぜ迫害され貧困に苦しむのか 背景に人身売買組織の「難民ビジネス」によると「どこにも行き場所がなくなったロヒンギャらにつけ込んだのが密航業者」で、これがビジネスになってしまっているということです。
しかし密航しようにも海上に追い返される人もいる訳ですから、どこにもたどり着くことができないのが「ロヒンギャ族」の現状ということになります。群馬県館林市にたどり着けたのも、本当に一部の人たちだけなのかもしれません。