ついにAppleより新しい「MacBook Air」が発表されました。より軽く、より薄く。13インチモデルだけでなく、待望の11インチモデルも登場しています。
価格的にも11インチモデルが88,800円からと、信じられないような値付けになっています。
もし自分で購入するなら、SSDが128GBのモデルでメモリを4GB、プロセッサを1.6GHzにBTOします。それでも128,645円。それでも超安い。
超安いんですが、既に「MacBook Pro」13インチをメインマシンとして使っている身としては、即“買い!”という気持ちにはなりませんでした。
もし今でも初代「MacBook Air」を使い続けていたなら‥‥どうだろう‥‥新しい「MacBook Air」にそそられただろうか。
これまでAppleからの新製品には大抵ワクワクし、ファーストロットを購入してきたのですが「MacBook Pro」があるからとはいえ、これだけ慎重になってしまうのにはいくつかの理由があります。
個人的な特殊な事情かもしれませんが、ちょっと書いてみたいと思います。
1. スペックがやや不満
自宅が「iMac」ならば、モバイル用途のマシンとして11インチモデルを購入する意味は大いにあると思います。
しかし「MacBook Pro」と比較してしまうと、バッテリの持ちが公称で10時間と5時間だったり、CPUスペックも1.4GHz(1.6GHz)と2.4GHzだったり、軽くはなるのですが、単純にスペック的に見劣り部分が多くあります。
デザインや重量まで見て判断するべきなのですが、普段使いのメインマシンとして考えた場合、初代「MacBook Air」のことを思い返すと「ちょっと厳しいカモ」という感覚が甦ります。
もちろんCPUにCore DuoとCore 2 Duoの違いはあるのですが、Flashの再生などはどうんな感じなのだろうといったあたりも気になります。ぼくは「MacBook Pro」でもFlashはオフにしています。
そしてiPadにインスパイアされたならば、バッテリの持ち時間は最低でも7〜8時間くらいは持って欲しかったところ(できれば10時間)。ここが長いだけでも、随分とイメージが違ったように思います。
2. 熱問題が心配
これはもう完全にトラウマなのですが、初代「MacBook Air」にはいろいろなトラブルがありました。その最たるものが、CPUがシングルコアになってしまうという問題でした。
排熱処理がうまくいかずに高熱になり、マシンが熱を持ち、CPUのコアが一つ止まってしまうという問題で、これには相当苦しめられました。途中から楽しんでいる部分もありましたが、できれば二度と経験はしたくありません。
SSDになって熱は軽減されていると思うのですが、多くの人が購入して、実際に問題がないかどうか明らかにならないと、ちょっと手を出し辛いというのがあります。
3. 実はデザイン以外はそんなに変わっていないカモ?
薄く軽くなり、11インチモデルも登場し、大きく変わったように見える「MacBook Air」ですが、HDDがSSDに変わった、メモリを4GB搭載できる、といった違いはあるものの、基本的な部分は変わっていないというのが第一印象です。
そういう意味では初代「MacBook Air」から非常に完成されていたということだと思うのですが、熱問題の影響もあるのか、中身を大きく変えてくるのは難しいのかもしれません。
では、全く欲しくないかというと、決してそんなこともないのです。常日ごろから「MacBook Pro」を持ち歩いている身からすると、軽さというのは魅力的です。
外出する機会が多く、メモを取ったり、原稿を書く機会が多い人ならば、iPad+Bluetoothキーボードよりも「MacBoook Air 11インチモデル」が特に魅力的に写るのではないでしょうか。
では、どうなったら、ぼくが「MacBook Air」を購入したいと思うようになるか?
・CPUのクロック数が2.xGHz程度になって欲しい
・バッテリの持ち時間が10時間になって欲しい
・11インチモデルでもSSDを256GB搭載したい
要するに、もう少し高スペックになって欲しい、ということなのですね。このくらいのスペックになれば、自宅、仕事場では外付けの液晶ディスプレイを使用し、外出時には軽い本体を持ち歩く、というのも夢ではありません。
専用Dockのようなものがサードパーティーから登場すれば、かつての「PowerBook Duo」のような使い方も可能になるでしょう。
こうなってくると「MacBoook Air 11インチモデル」も俄然、魅力200%アップです(個人比)。
CPUのクロックアップ、バッテリ持ち時間の改善は次のリビジョンアップの時にでもありそうなので、結論としては「ファーストロットに手を出さずにちょっと待つかな」ということになりました。
あくまでも個人的な事情を勘案すると、上述したようなことになりますが、もし自宅にメインマシンがあり、モバイルマシンを検討していたなら大いに“買い”だと思います。
また、iPhoneのデザインに惚れ、パソコンもAppleにしようと考えていた人もいたかもしれません。「MacBook Air」はAppleらしいデザインの集大成ですから、初めてのMacとして考える人も少なくないでしょう。
その場合、もしパソコンの初心者ならば、HDD代わりのSSDが128GBでは明らかに少ないので、13インチ 256GBのモデルをお薦めします。そしてMacの場合、メモリは最低でも4GBです。
SDカードスロットも11インチモデルにはありませんが、13インチモデルには搭載されています。
ちなみに、2.4GHz/250GB/2GBの「MacBook」も88,800円です。もちろん重量はありますが、これでも十分に幸せになれるスペックです(メモリ4GBを推奨)。
本体にSDカードスロットが必要ならば2.4GHz/250GB/4GBの「MacBook Pro 13インチモデル」の108,800円というのもあるでしょう。
とまあ、いろいろと理屈をこねてみましたが、簡単にいってしまえば「欲しい時が買い時」です。ぼくは今回は「MacBook Air」は買い時ではなかった、ということですね。次のリビジョンを待ちたいと思います(ファーストロットの評判を聞きつつ)。
追記:「MacBook Air」関連記事&動画&レビューなどを書きました。
追記:
▼新MacBook Airのバッテリーが持たないたった1つの理由 ([の] のまのしわざ)
ここはトレードオフ、痛し痒しな部分ですが、いくらクロック数が1.4GHzと低いMBA11でも35Whしかないバッテリー容量。ワイヤレス環境で公称5時間はやはり3時間前後が実働だろうと予測されます。厳しい~