HHKBエバンジェリストの活動の一環として、よりHHKBを使い倒すという方向に舵を切りました。
カスタマイズせず「デバイスに身体を合わせる」という生き方をしてきたのですが、方針転換してHHKBを身体に合わせるようカスタマイズすることにしました。
これは「キーボードはカウボーイにとっての鞍である」という設計思想に共感したものです。カウボーイにとって鞍が代えのきかない大事なインターフェースであるならば、いまメインで使っているHHKBも代えのきかないヤツにしてしまおうではないか、と。
ちなみに「HHKB Professional HYBRID」を使用しています。
HHKBのキートップを変更したい
「HHKBエバンジェリスト」就任しました!かな入力派のエバンジェリストとして頑張る所存ですという記事で、次のように書きました。
使用感をアップさせるために、3Dプリンターで「◇」と「Alt」を合体させたキーを印刷できないだろうか? と画策中です。つまり物理的にカスタマイズです。
もともと⌘(コマンド)キーを多用しているのですが(キーボードショートカット万歳!)、HHKBの場合は⌘キーに相当するキーが小さいのですね。
そのため、Happy Hacking Keyboard キーマップ変更ツールを使用して、◇とAltの2つのキーにそれぞれ⌘キーを割り当てるようにしています(ついでにOptionの位置も変更)。
こうすることで、MacBook Airのキーボードと思いながらブラインドタッチしても、◇かAltかのいずれかは押せるであろう、という算段。
恐らく以前なら、ここから身体を慣らしていったと思います。しかし、今は方向性を変えたのです!
この2つのキートップが1つになったらさぞかし便利だろうなぁ‥‥あ、3Dプリンターがあるじゃない!
ってことで、HHKB用のキートップを自作してみることにしたのです。
HHKBのキートップのCADデータはどうする?
CADアプリを使い、イチからデータを作ろうと考えていました。気の長い話です。でもCADアプリの使い方も学べるし、良いかな、と。
ただ、他にも似たようなことをやっている人がいるのではないかと考え、検索してみたところ、やっぱりいました。
同じくHHKBエバンジェリストのshio先生が、HHKB Professional JPで親指シフトするためのキートップ3Dデータを公開されていたのです。
PFU製のキーボード「[HHKB https://www.pfu.fujitsu.com/hhkeyboard/] Professional JP」や「HHKB Professional BT(日本語配列仕様)」で親指シフトするためのキートップ3Dモデリングデータです。
ぼくの愛機は「HHKB Professional HYBRID」なので、適合しない可能性もあると思いつつ、まずは試しに3Dプリンターでデータを印刷してみることにしました。
こちらで配布されているのはIGSというフォーマットで、中間ファイルのような存在だそうです。汎用性が高いようです。
これはFreeCADにインポートし、そのままの状態でSTLファイルにエクスポートします。さらにそのデータをUltimaker Curaにインポートし、スライスしてgcodeファイルとして出力‥‥。
のはずが、インポートした段階で「モデルはマニホールドではありません」というエラーが表示されます。後から教えて貰ったのですが、マニホールドというのは多様体のことで、要は「STLファイル内の形状に穴が空いていて閉空間を構成できてない」という状態のことのようなのです。
エラーは出ててもスライスしてgcodeファイルは出力できるので、何が問題か分からなかったのですが、ようやく原因が分かりました。
これは印刷できるようになった状態なのですが、当初は上下が逆だったのです(キートップを横から見たところ)。
つまり、上下が逆だと中空になってしまっている場所があって、印刷がうまくできないという状態だったのです。
3Dプリンターが下から上へ積み重ねる立体的な印刷だと考えると、形として▲は得意だけど▼は不得意だというのが分かるのではないでしょうか。
まあ、これでも左下は空中に浮いているので、キレイには出力されないのですが、ようやく原因が分かったので、雑なものではありますが、キートップを3Dプリンターで印刷することができました。
HHKBのキートップを3Dプリンターで自作する
3Dプリンターで印刷したキートップです。
やはり3Dプリンターとして苦手な部分は積層感がバリバリに出ています。しかし、これもまた小さな一歩です。
裏側です。
キートップを取り外して、試しに装着してみることにしました。
なお、キートップの取り外しには、こういうアイテムがあると便利です。
最初はカッターの刃を差し込んでグイグイやっていたのですが、傷もつきますし、高くはないので専用ツールがあると便利です。
Amazonで462円です。
該当するキートップを取り外します。
ここに3Dプリンターで印刷したキートップを装着します。強めに押し込むと、きっちりとハマります。
やはり、幅が少し短かったようです。ただ、このまま使っていても普通にタイプはできるので、しばらくそのまま使ってみました。
すると、やはりとても良いのです。ものすごくしっくりくる⌘キーです。タイプミスも全くありませんし、作業効率も上がった気がします。これはいい!
とりあえずの3Dプリンターでキートップ印刷大作戦は成功です!
3Dプリンターで印刷したキートップを磨く
とりあえずいい具合にキートップがハマったので、さらに調整をしてみることにしました。調整というか、磨いてみます。見た目がガチゴチすぎるので。
ダイソーで購入してあった、耐水サンドペーパーを使います。金属用とありますが、知人に聞いたら問題ないとのことだったので、そのまま使ってみました。
これが元の状態です。アップで見るとガチゴチです。離れて見ると、ここまでは気にならないんですけどね。
400番で磨いた状態です。磨いたというか、ヤスリがけですね。何十年かぶりでヤスリがけしています。
800番を経て1200番で磨いた後です。やはりアップで見ると細かいキズなどもありますが、ツルツルと手触りもよくなりました。これは楽しい!
HHKBのヤスリがけしたキートップを戻してみました。なんだか悪くないですね。仕上げに塗装すると、もっと良いものになるかもしれません。
これがMacBook Airのキー配置。
それにちかづけるため、キートップを2つ外して、3Dプリンターで自作したキートップを配置したHHKBです。Macユーザー的には、やはりキートップは1つが使いやすいです。
この状態でもキータイプ的にはかなりしっくりときています。ただ、やはり寸足らずなところがあるので、そこは今後の改良としたいと思います。そのため、今回は「その1」となっています。
続きますよ!
追記:【HHKB】キートップを3Dプリンターで自作する【その2】
3Dプリンターで記事をまとめていますので、興味のある人はぜひそちらもご覧ください。
↓使用している3Dプリンター