浦和、オフト監督の辞任了承…新監督は年内にということで、オフトとは契約を延長しないことが決定してしまったようです。個人的には重ね重ね残念でなりません。犬飼社長は行動力があっていいんだけど、我が強そうだからな。「もっと見て楽しいサッカーを」と公言してはばからなかったから、そういう部分で反りが合わなかったのではないかと推測。オフトからしてみれば「要求通りに補強しなさいよ」ということに当然なるでしょう。一方的に2年でタイトルを取れ、と言われれば。
オフト監督辞任について、元浦和レッズの西野氏が非常に良いことを言っている。いくつか引用します。
オフトと過ごした時間の中で、’プロフェッショナル’というものの意味を何度も話してもらった。彼は日本のシステム、レッズのシステムについていろいろと注文を付けたり、アドバイスをしてきたわけだが、そこには独自の経験に基づいたしっかりとした哲学があった。それが私には非常に新鮮で、楽しみながら彼の話を聞いていた。彼の言っていることが全て今の日本のサッカー界に取り入れられるとは全く思わない。ただ、彼は少なくとも’プロフェッショナル’という言葉の意味を私たちよりも深く知っている。今回の辞任はそこがネックとなったのではないかと勝手に推測している。
ぼくの推測と、そう遠くないような気がしました。オフト監督は森GMはプロフェッショナルだったとコメントしていることから、やはり社長に不信感を抱いていたんでしょう。犬飼社長も決してサッカーの素人ではないと思いますが、現場に関してはもう少し離れてみていても良かったかもしれませんね。
守備的だという批判もあるかもしれないが、オジェック監督時代の方がよっぽど守備的であったと思う。極端な話、ボールコントロールのおぼつかなかった私は、オジェック監督に「迷ったら蹴り出せ」という指示を受けたことがある。
西野氏はさらに「今年のレッズもオジェック監督の時のサッカーに似ていると思われているかもしれないが、私に言わせればよっぽど進歩している」と語っています。残念なことに、オジェックのサッカーはカウンターという印象しかないのですが、やはりオジェックにしても守備を固めて福田・岡野といった足の速い選手に期待するしかなかった、ということなんでしょうか。守備固めから一歩進んでコンパクトスペースという概念を徹底的に叩き込んだオフトの功績は、やはり大きいですね。
選手たちは確実にパスがうまくなっていますし、そのスピードも向上しています。言うなればジュビロのサッカーに近づいてきた、といっても過言ではないと思います。そう、ジュビロの基礎を築いたのもオフトでした。ジュビロの時も、恐らく志し半ばでチームを去ったと思うのですが、その後ジュビロは大成しました。そう考えれば、当然のことながらレッズの次期監督も非常に重要になります。
将来の監督候補とされていた浦和OBの元ドイツ代表DFギド・ブッフバルト氏(42)ら数人が候補に挙がっている。12月から本格交渉に入り、年内をめどに人選を進める。
ギドの名前は挙がると思っていましたが、経験がないのがネックではないでしょうか。ギドも好きだし監督に迎えたいですけれど、正直なところリスクが伴うと思います。
Jリーグの現状を知り、攻撃的で、優勝を狙えるチームづくりができる指導者という観点で、候補者はすでに4~5人まで絞り込まれている。中には浦和で活躍したブッフバルト氏も含まれている。オフト監督が築いた基盤をさらに発展させられる欧州の監督が候補の中心とみられる。
トニーニョ・セレーゾなんてどうか、と書きましたが、路線的には確かに欧州路線ですから適任ではないかもしれません。ただ、日本を知り実績がある、というところは重要だと思いますので、セレーゾ的な監督が来てくれることを望みます。犬飼社長は「場当たり的に監督を選ぶ不幸な10年間を過ごしてきた。候補者とは私も森も直接会って、話を聞いた上で最終決定したい」と語っています。
いずれにしても、オフトがまた国内で監督を務める可能性は高いですから、非常に嫌な相手になりそうです。ただ京都の時を見ても分かるように、失敗することもあります。それは監督とフロントが一体になれなかった時ではないかと思います。良い教訓だと思います。