天皇杯の醍醐味の1つがジャイアントキリングです。Jリーグに加盟していないチームでも勝ち進むことで、どんどん強い相手と戦うことができます。Jリーグのチームはリーグ戦の谷間ということもあり、主力選手を温存し、格下相手に普段は出場機会のない選手の経験を積む場とすることが多いです。
昨日の天皇杯2回戦でも筑波大学蹴球部がJ1ベガルタ仙台に勝利しましたし、7部相当の福島県社会人リーグの「いわきFC」もJ1コンサドーレ札幌相手に5-2で勝利するという、ジャイアントキリングを達成しました。
「いわきFC」とは?
「いわきFC」は2012年に設立された福島県いわき市のクラブチームです。2015年にアンダーアーマーの日本総代理店である株式会社ドームがいわき市物流センターを設立、サッカークラブの立ち上げを計画し「いわきFC」から運営権を譲り受けました。本格的な強化がはじまったのが2016年からですから、今回の勝利は本当に驚きです。
「いわきFC」が特筆すべきなのは、フィジカルトレーニングにあるようです。それもあってJ1のチームと戦っても当たり負けない、走り負けないを実現したのかもしれません。実際に、延長30分で3得点をしていますし、コンサドーレ札幌の四方田監督は「終盤はこれから、というところでのパワーが残っていなかった」というコメントを残しています。
「いわきFC」のフィジカルトレーニングに関しては次のような記事がありました。
▼いまJリーグに足りないものは――。信念貫く経営者といわきFCの挑戦。 – Jリーグ – Number Web – ナンバー
「世界のサッカーはもはや守備の概念がないぐらい、前に前にとゴールを目指すのがスタンダードになっている。そういうサッカーがJリーグで繰り広げられてるのかなというのは甚だ疑問ですし、落ちない(降格しない)ように戦っているようにも見える」
▼リスクを冒さぬ退屈な日本のサッカーを、圧倒的なパワーで変革する。 いわきFCが巻き起こすフィジカル革命 ~その1 | いわきFC | DESIRE TO EVOLUTION | DNS ZONE
さらに言えば、Jリーグのサッカーは世界と比べ、明らかにテンポが遅い。ただじっと試合を見ているうちに、時間だけが経っていくような退屈なサッカーを観たい人がいますか? 日本のサッカー選手は、90分間走り続ける自信がないのでしょうか…?
▼わずか半年で選手たちの体つきに明らかな違い!DNSサプリメントがいわきFCイレブンの身体作りを全面サポート | ゲキサカ
菊池「日本のスポーツのフィジカルスタンダードを変えることがこのチームのテーマの一つ。そのためには筋トレしてサプリメントを飲んで体を大きくして、当たり負けをしないこと。チームのコンセプトだから、当たり前のようにやっている感じです」
「いわきFC」ジャイキリの記事
▼“7部チーム”いわきFCがJ1札幌粉砕!天皇杯恒例ジャイキリ― スポニチ Sponichi Annex サッカー
後半終了間際に同点とされても士気が落ちなかった。監督は「これから午前練習後の仕事をやるようなものだ」と送り出すと、札幌を球際や運動量で圧倒。
▼7部相当いわきFCの快進撃はまだまだ続く…J1札幌相手に驚異の5発で延長死闘に決着!! | ゲキサカ
体力勝負となった死闘。しかしこの展開は、日本のフィジカルスタンダードを変えることをチームコンセプトに掲げるいわきFCにとってはお手の物だった。
▼“異端クラブ”いわきFCが延長戦でJ1を圧倒「ジャイアントキリングではない」 | ゲキサカ
そして目に見える形で成果も現れている。10代から20代前半の伸び盛りの選手たちのほぼ全員が体重増に成功。「僕たちはサッカーをするより筋トレをしている時間の方が長い」と苦笑いを浮かべるDF山崎海秀
「いわきFC」の天皇杯3回戦の相手は清水エスパルスです。相手も警戒してくるでしょうから、そう簡単には試合を進めさせて貰えないでしょう。走り勝つことができるでしょうか?