吉本隆明氏が話し、それを糸井重里氏がまとめたという「吉本隆明の声と言葉。」を「ほぼ日刊イトイ新聞」より献本で頂きました。ありがとうございます!
「ほぼ日刊イトイ新聞」では、吉本隆明氏の過去の講演録をデジタルアーカイブ化するというプロジェクトを行っているのだそうです。今年がその10周年。
その入門編として「吉本隆明の声と言葉。」が企画されたのですが、これは本というよりはCDブック、もっといってしまえばCDと(厚い)ライナーノーツみたいなものでしょうか。
失礼ながら、ぼくの吉本隆明氏に対する認識は、
・吉本ばななのお父さん
・たまに新聞に出てくる人
くらいの認識しかありません。
献本のお申し出を頂いた際に、自分でもイヤになるくらい読書スピードが遅いのでありがたくもお断りさせて頂いてる場合も少なくないのです。
そして今回も、自分内基準でいけば「ちょっと合わなそうなタイプ」だったのですが、一も二もなく「お願いします!」と返信してしまいました。
なぜなら。
そこに糸井さんというフィルターがあったらです。ただ漠然と「糸井さんが一生懸命になっているコト」だったら、とっても面白いんじゃあないかと、そんな気がしたのです。
そしてまだCDも取り出してないですが、パラパラとめくっていて「これは」というページに行き当たりました。
姪御さんががんになられ、医師から「もう打つ手がないですね」と宣告され、そして姪御さんは「おじさん、この状態はどういうことなの?」と質問され、しかし何も答えることができない。
色んなことを偉そうに言ってきたけど、全部ダメじゃないかおまえ、と思う吉本隆明氏のエピソードがあったのです。
ぼくも似たようなことがあってから、ずっと自問自答しています。末期にその人は何を思っていたのか。もし自分に生きる希望がなくなった時に、どうやって生きたらいいのか。
ふと一人になるとそんなことばかり考えているのですが、答えなんて出てきません。
そういうこともあって、この本はなんとなく巡り合わせでぼくのところにやってきて、そしてすっとiPodの中に入って、これからときどき聞こえてくるんじゃないかと、そんな風に思っているところです。
吉本さんちの門前で
うろうろしていてよかった、
と思うぼが、
近くの友だちに向けて
手招きしているようなものだと
お考えください。
「損はさせねぇ」つもりですから。
帯ですけど、またうまいんだ糸井さんが。