世間では広く「薄い財布」で知られる南社長ですが、ネタフル読者には「かわるビジネスリュック」「かわるビジネスリュックmini」「旅ストラップ」を開発・販売するバリューイノベーション社の社長といった方が分かりやすいかもしれません。
外出時にはバッグを持たず、引っ越しもスーツケース、そんな自分のライフスタイルのために「薄い財布」まで作ってしまう男。それが南和繁という男です。
そんな南さんが、自社の新入社員向けとして作っていたマニュアルを「ミニマリスト仕事術」として出版しました。モノを持たないのがミニマリストであると言われることが多いですが、南さんのいうミニマリストとはなんなのか?
出版に際して1冊送って頂いているのですが、添えられたメッセージには「主に若いビジネスパーソンに向け」執筆された仕事術のノウハウとあります。
「ミニマリスト仕事術」を読み実践したとて、ユニークなプロダクトを開発したり、海外に飲食店を開いたり、果ては富士山麓でホテルを開業するような、南さんのようになれるかどうかは分かりません。
しかし、確実に「こんな生き方があるのか」「こんな仕事術があるのか」という、視野を広げる1冊になるのは間違いないと思います。
とかく自己啓発本というのは、ああしろこうしろと、読者に迫るものが多いと思います。これができないといけない的に、どこか焦らせるようなところがあったりとか。
「かわるビジネスリュック」の開発から数えると10年近くのお付き合いになるのですが、個人的に南さんが凄いと思っているのは、実践しているミニマリスト的な生き方を一切、人に勧めたり強要したりしないところなのです。
本書も「こうしないといけない」ではなく「こういう考え方もあるよ」という内容になっており、南さんの考え方に触れ「ちょっとやってみようかな」というポジティブに始められるような書き方になっています。
何より南さんの真骨頂は、人を楽しませ、喜ばせることに、自分自身も喜びを感じる人であるということです。何度、南さんのサプライズに驚かされたでしょうか。
「ミニマリスト仕事術」も、南さんから若い人に向けてのサプライズだと思っています。若い人が読み、実践し、成果を出すのを見て、南さんがニコニコしている姿が目に浮かびます。
自分にとって何が無駄なのかを見極め削ぎ落とす‥‥そんな小さな積み重ねが、間違いなく十年後、二十年後に効いてくるはずです。