保守の論客として知られた評論家の西部邁氏が、2018年1月21日に多摩川で入水自殺して亡くなりました。78歳でした。河川敷に遺書が残されていたということです。西部邁さんが入水自殺か 14年に妻に先立たれ周囲に自死への憧憬明かすという記事になっていました。
捜査関係者によると西部さんは21日未明から行方が分からなくなり、捜索願が出ていた。午前6時40分ごろ、自宅から約7キロの多摩川で「父が川に飛び込んだ」と長男が110番通報。駆け付けた田園調布署の署員が救出したが既に意識がなかった。溺死とみられ、遺書もあったことから同署は自殺とみて調べている。
西部邁氏といえば「朝まで生テレビ!」に出演していたのを思い出す世代です。激論を交わす番組の中で、ゆっくりと落ち着いた語り口を思い出しました。
14年には高校の同級生だった妻に先立たれ、大きな喪失感に襲われ「病院では死にたくない」として自死への憧憬(しょうけい)を周囲に明かした。
このことに関して「朝まで生テレビ!」で共演した田原総一朗氏は「死ぬ時は自殺したいと言っていた。自分のことは自分でけじめをつけるということで、体が不自由な状況が許せなかったのでは」と語ったということです。
妻を亡くした喪失感もそうですが、徐々に不自由になる身体に、自分でけじめをつけたかったというのがあったようです。「生の最期を他人に命令されたり弄(いじ)り回されたくない」とも自著に著していたそうです。
西部邁さん死去 娘の智子さん「父は死にたいと……」によると「背中に持病を抱え、激しい痛みに襲われることもあった」そうで、死にたいと漏らすことも増えていたのだとか。さらには「私がいなくなったあとは家族をよろしく」と年末に知人に話していたそうです。
家族のことを思うと自殺というのは良くないとは思いつつも、本人の気持ちを思うと身体が動くうちに自分でけじめをつけたかったという気持ちを尊重したいとも思ってしまいます。本当であれば、もっと苦しまないような方法だったら‥‥とも思いますが。
心よりご冥福をお祈りいたします。
東京工業大学リベラルアーツ研究教育院教授の中島岳志氏は次のようにツイートしていました。
西部邁先生と最後にお会いしたのは今年の1月5日。ご自宅に招いていただき、約7時間、お話ししました。以前から、「病院での延命が目的化した生」を拒否し、はっきりと自己判断ができる間に死を選ぶというご意志を聞いていたため、1月5日に別れを覚悟して帰路につきました。
— 中島岳志 (@nakajima1975) 2018年1月21日
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西部 邁(にしべ すすむ、1939年(昭和14年)3月15日[1] – 2018年(平成30年)1月21日[2])は日本の保守派の評論家、元経済学者、雑誌『表現者』顧問、元東京大学教養学部教授。
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驚いたが、西部先生は前から『自決する』とおっしゃっていたので、自分の言葉に殉じたと思った。
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昨年12月に刊行された最後の著書「保守の真髄(しんずい)」の中で、西部さんは「自然死と呼ばれているもののほとんどは、実は偽装」だとし、その実態は「病院死」だと指摘。