サントリー「クラフトセレクト」企画・開発したという二人の若者に会って話を聞いた → ブラマネ中野氏「ビールの未来を変えたい」

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サントリーのクラフトビール「クラフトセレクト」のお話。

大企業がどんな風に製品を企画し、開発しているのかというのは外からうかがい知ることができないところがありますが、新発売されたサントリーのクラフトビール「クラフトセレクト」のブロガー試飲会に招待して頂き、まさに企画と開発を担当した「私たちが作りました!」という二人にお会いし、話を聞くことができました。

上司が「ちょっと作ってみないか? おい、頼むぞ?」といった感じで発案するのかなー、なんて思っていたのですが、さにあらず。クラフトビールにかける熱い二人を中心に海外視察をし、日本でもクラフトビールを飲みまくり、納得のいく味を作り上げていったそうです。

若手が全国規模で発売するビールの開発を引っ張ってたんだ!

(写真左:開発の加藤さん、右:ブランドマネージャーの中野さん)

「クラフトセレクト」開発ストーリー

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箇条書きになりますが、ブロガー試飲会でブランドマネージャーの中野さんに伺った熱い話をレポートします。

・目指すこと:現在のビールのイメージを覆したい!

・ビールこそがわくわくするお酒にしたい

・昨今のクラフトビールブーム(ビールのブームがくることが珍しい)

・それに乗ってビールの楽しさを伝えたい

・クラフトビールブームと言われているが‥‥

  興味はあるが購入して飲んではいない
  興味はある 52% 買って飲んでいる 5%
  買えていないのではないか?

・クラフトビールが流行っているのはアメリカ

・なぜ流行っているのか?

・そもそもクラフトビールの定義はない(日本でもアメリカでも)

・アメリカで小規模のクラフトビールといってももうすぐサントリーを超えそうな規模

・言葉の定義にこだわるのではなくどんな価値を感じているのが重要と考えた

・本当にクラフトビールの価値は小規模ブルワリーの希少性だったりビール職人のこだわりだったのか?

・アメリカでどのようにクラフトビールが流行ったか?

  10種類、20種類のビールサーバーが並んでいる
  飲み比べセットを設けている

・クラフトビールの価値は多彩な味を飲み比べて楽しむことだと気づいた

・サントリーが考えるクラフトビールの価値

・50%以上の人が興味があるのに買えていないのが現状

  興味はあるけど選べない

・ターゲットは変えた

・クラフトビールに詳しい人はターゲットではない

・興味はあるけど難しくて手を出せないユーザーに向けてビールの楽しさを伝えたい

⇒そこで開発したのが「クラフトセレクト

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・世界105種類のビアスタイルを分かりやすく紹介するのが「クラフトセレクト」

 まずはペールエール、ヴァイツェン、ゴールデンエールから

・そもそもペールエールやヴァイツェンと言われて分かるのか?

  多分、分からない

・しかしお客様目線の時にどう選んで貰うのが優しいか?ビールの種類から?醸造所から?

  IPAの中からどれかを飲もうと選ぶ
  ビールの知識がないと醸造所からは選べない

・ビアスタイルで選ぶのはワインでぶどうの品種から選ぶ感じ

・今の日本のクラフトビール市場は小規模醸造所が前に出てきているが、サントリーはビアスタイルを前面に出して商品化した

・ターゲットは醸造所ではなくビアスタイルで選ぶような人においている

・「サントリーが作ったらクラフトビールではないのでは?」と言われるかもしれないが、そもそもの立ち位置が違う

・サントリー品質のクラフトビールだと安心して手を出して貰えるのではないか

最後に、サントリーが目指した「クラフトビール」の特徴が語られたのですが、個性を感じる、しかし飲みやすいという、そのバランスを重視して作っているそうです。クラフトビールの入口に立ち、これからクラフトビールを飲んでみたい、という人向けの製品なのです。

例えば東京ではクラフトビールが流行っているらしいけれど、自分の街には飲める店がない、という場合もあると思います。そういう人たちに向けて、全国津々浦々で飲むことができるクラフトビールが、サントリー「クラフトセレクト」です。

力強く「ビールの未来を変えたい」をおっしゃっていたのが印象的でした。

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「クラフトセレクト」は缶ビールとしては珍しく、グッドデザイン賞も受賞しているそうなので、ぜひ手に取ったら缶のデザインもマジマジと見てみてください。

「クラフトセレクト」があれば、どこでもビアバーになります。

「クラフトセレクト」試飲

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この後、食事とのペアリングを楽しみながら、3種類の「クラフトセレクト」の試飲をさせて頂きました。

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ペールエール。カスケードホップの爽やかな香り。カスケードホップはヤキマ、ワシントン州のもの。飲みやすい。まずは一杯目ですね。

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ペアリングしたのは「ベーコンキムチーズの三角春巻き」です。料理は全てフードコーディネーターの先生が考案されたものなのですが、さすがプロ。キムチとクラフトビールは難しいのでは、と思ったのですが、見事にペールエールと合いました。これは自分でも作れそう!

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ゴールデンエール。希少ホップであるハラタウブランホップは、サントリーで初めて使用。最初に単体で飲んだ時はピンとこなかったのですが、食事とペアリングしたら抜群でした。食中に合います。

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ペアリングしたのは「殻付き海老のガーリックアンチョビソテー」です。アンチョビが合ったのかな、急にゴールデンエールがキラキラと輝き出しました。

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ヴァイツェン。小麦麦芽を50パーセント以上使用。クラフトビールというとヴァイツェンは一つの定番だと思います。フルーティーで飲みやすく、飲み会の後半でもすいすいといける味。

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個人的にも大好きな「豚天のさっぱりサラダ仕立て」です。豚天の粉が小麦に合います。なんというマリアージュ。

同じビールなのに、麦芽とホップで味がこれだけ違うというのは飲み比べてみると驚きと楽しさがあります。しかも開発陣が目指したように「個性はあるけどクセがない」ので、とても飲みやすいのです。ぜひ、これまで「クラフトビール」を飲んだことがなかった人に、楽しんで欲しいです。

さてさて、最後の最後にカクテル仕立てのものも頂きました。フルーツインした「クラフトセレクト」です。

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ペールエールにオレンジ。ペールエールは苦味があるのであえて甘みを加えたそうです。

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ヴァイツェンにグレープフルーツ。甘みのあるヴァイツェンには、グレープフルーツで苦味を。個人的にはヴァイツェン&グレープフルーツが気に入りました。

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