著者の家入社長から献本いただいた「こんな僕でも社長になれた」を読み終わりました。ありがたいことにこんなイラスト入りです。
ONEDARI REDというエントリーで書きましたが、直筆のイラスト入りです。
本を読んで知りましたが、さすが東京芸大を目指していただけありますね。線に力強さがあります。
ということで、本の内容なのですが、家入社長の幼いころから現在まで人生が綴られています。子供の頃は人気者だったこと、ちょっとしたことから浮いてしまい、そのまま引きこもり人生に突入してしまったこと、新聞配達をして新たな道を模索したことなど。
すべての人に等しくさまざまな人生があり、そしてそれぞれはそれぞれにドラマチックだと思うのですが、なかなかこうして人生を記す場というのはありません。いや、仮に発表できる場があったとしても、赤裸々に全てを語るというのはなかなかできないことだと思います。
なんとなく、クラスで浮いていた話とか、パソコン通信に没頭してひきこもりになっていたとか、微妙に自分と重ねてしまうのですね。それだけに読み進むのが心に痛くもありました。
前半はいろいろと考えさせられながら読みました。
そして奥さんとなるアキコさんとの出会いから起業に至る後半では、それまで影を潜めていた家入節が吹き出します。前半が重いテーマであったからかもしれませんが、やはり雰囲気が違いましたし、自分がリアルタイムに目にしてきた“ペパボ”の歴史でもあったので、楽しく読むことができました。
重要なところでアキコさんが家入社長をコントロールしていて、本当に良い出会いをされたなと、うらやましく思います。アキコさんの突っ込み、素敵です。
非常にうらやましく思ったのは、サーバ会社の倒産による急なサーバ移転作業が完了した後の一節です。
「お疲れ様」そう言い合ったとき、ぼくは思わず泣きそうになった。少し前なら、全部一人でやっていたことだった。それを今、こうして一緒に乗り越えられる仲間がいる。乗り越えて、お疲れ様、とねぎらい合える仲間がいる。そのことが、たまらなく嬉しかった。(P.230)
ぼくは一人でブログを書く生活をしているので、こうやって「お疲れ様」とねぎらう仲間がいないのですね。共同作業って苦手にしているのですけど、それでも肩を叩き合い一緒に乗り越えられる仲間がいるのはいいなぁ、と思いました。
あとはGMOのM&Aを受けた際の、率直な気持ちなど。なぜGMOのM&Aを受けたのか? あの頃はいろいろうわさ話も出てましたが、“ペパボ”が変わってしまうことはありませんでしたね。変わらない“ペパボ”テイスト、さらに加速している感じすらします。
さらにすごいのは、家入社長自身が面白いと思うサービスを個人でも作り続けていること。なんだろう、ユーザの立ち位置に近いというか、社長っぽくないというか。
でも、なんで家入社長がいつまでも、そうして個人の視点を失わずに地上(現場)にいるのか、この本を読んで分かるような気がしました。
こんな社長がいたっていいじゃない。
前に「食事しましょうね」と誘って頂いてからそれっきりになってしまっていますが、いつかご一緒に。ぜひ。