ホーム埼玉スタジアムに湘南ベルマーレを迎えたJリーグ第5節、ロスタイムの失点は余計だったものの、試合内容でも圧倒し2-1での勝利を飾りました。勝ち点は10、3位につけています。
右SBに高橋峻希、左SBには宇賀神、そしてエジミウソンと田中達也のFWにロビーと柏木が2列目に、ボランチは阿部と細貝、CBには坪井に山田という、現状ではほぼベストの布陣だったのではないかと思います。
相手がJ1昇格したばかりの湘南ベルマーレということもあり、ポゼッションも高く、ほとんどの時間帯で試合をコントロールできていたのではないでしょうか。
ワンタッチパスでパスが繋がるのは一つの調子のバロメータですが、非常に小気味よいプレイが続きました。ロビーはもちろんですが、田中達也もキレていますし、度々攻撃に顔を出す阿部も調子が良かったのでしょう。
若い両サイドバックのチャレンジも非常に良かったですし、CBのコンビもかなり安定してきたのではないでしょうか。特に、山田がここにきて成長しているのがすごいと思います。やはり非凡です。
途中交代した原口元気のチャレンジも良かったですね。小さくなってしまっている印象がありましたが、あのプレイを継続できるようになれば、結果は後からついてくるのではないでしょうか。
集中力も高く良かったのですが、最後の最後に気が抜けてしまったのは残念です。上位の2チームと比べると失点が多いのが気になりますが、このあたりを解消しないと最後の最後に泣くことになるかもしれません。今は「勝つこと」が何より大切ですが。
5試合を終えて、3勝1敗1分は上出来ではないでしょうか。このタイミングでこういう試合ができたのもラッキーでしょう。今シーズンに体現したいサッカーが実現できたと思います。
ロビーが完全に復調、途中出場した鈴木啓太もパスの精度が戻ってきて、こちらも復調でしょうか。この調子で夏を迎え、そこを超えていければ‥‥。
どんな相手でも、今日のサッカーができれば自ずと結果はついてくるはずですが、果たして?
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前半44分、ドリブル突破を仕掛けたFW田中達也(27)がPKを獲得し、MFポンテ(33)が決めて先制。後半11分にはMF阿部勇樹(28)が、日本代表の岡田監督も見守る中、直接FKを決めて追加点を奪った。これまでは、リードを得れば守りに入りがちだったが、司令塔役のMF柏木は「ハーフタイムで、今日は前からプレスを仕掛けようとみんなで話した」と攻撃の手綱を緩めなかった。
後半36分に、右足付け根に痛みを覚え交代した。高橋は「疲労がたまると痛みが出ます。あのまま続けていれば大きなケガにつながったと思う。2、3日休めば良くなると思います」と話した。相手ディフェンスが引いている状況での攻略が課題だったが、この日は自信をもってプレーした。「ハーフタイムにスピードアップすれば、もっと良くなると言われたので、意識してやりました」
右サイドの高橋とともに、前半から高い位置をキープし、サイドからの攻撃をサポートした。「ハーフタイムに峻希と2人も高い位置にいるから気を付けようとは話しましたけど、攻めてるんだからしょうがないじゃないって言いました」と笑顔で話した。
1―0の後半11分、自らドリブルでゴール前に切れ込みファウルを受けてFKを獲得。ゴール正面やや左、約20メートルの位置から右足を振ると、6枚の壁に当たり角度を変えたボールが左隅に吸い込まれた。
浦和DF坪井慶介(30)が、ロスタイムの失点を悔しがった。「足が止まったときに、チームでどうするかというのが、はっきりしていなかった」と勝利にも反省点を挙げた。失点シーン以外はディフェンスはほぼ完ぺき。坪井は「ビルドアップもよかったし、各人が仕事をしてくれた。中盤のプレスは本当に良かった」と話した。
浦和MF細貝萌(23)が右足首を痛め、大事をとって後半8分に退いた。細貝は「前半、シュートの時に(足首を)もっていかれました。他の選手が出た方がチームのためになると思ったので、ハーフタイムの時に自分から伝えました」と話した。
直接FKで今季初ゴールを決めた阿部は、幾度となく前線に攻め上がって好機に絡んだ。「相手選手に当たって入ったけど、ゴールはゴール。目の前の試合に勝ててうれしい」と笑みを浮かべた。
約22メートルのFKで右足を振ると、壁に当たりながらゴール。「その前は(柏木)陽介が蹴っていたので、自分が蹴りたいと思っていた」と強く主張した一撃だった。
フィンケ監督は「最初の5試合で勝ち点10を目標にしていた。大きな幸せとは言えないが、ある程度の満足感はある」と手応えを感じていた。