ホームレス“出身”初の直木賞候補「あぽやん」という記事より。
「今となっては、自分が旅行会社の空港係員であったことに思い入れがあるわけでもなく、あくまで(創作の)引き出しの一つ。それを素直にはき出した結果、多くの方が興味を持ってくれた。このことが何と言ってもうれしい」
旅行会社の空港係員、通称「あぽやん」を題材にした小説「あぽやん」で、直木賞候補にノミネートされた新野剛志氏のインタビューです。
旅行会社で空港勤務のある新野剛志氏ですが、ある日突然、出社しなくなって退職したのだそうです。
辞めたいという気持ちを隠しながら、仕事を続けるのが耐えられなくなって。絶対に作家になる、という目標だけで、自分の中で勝手に折り合いをつけてしまったのです。
その後、2年半のホームレス生活を経験。昼間は千代田線に乗り続け、夜はカプセルホテルやマンガ喫茶で小説の構想を練るという生活を続けました。
当時を「自分を追い込むために必要な時間でした」と振り返っています。
それにしても、2年半もストイックな生活を送れるというのはすごいですね‥‥いったい、何作品くらいを書き上げたのでしょうか。当時の作品が江戸川乱歩賞を受賞し、結婚もできたそう。
エアポートを略して「APO」と呼ぶことから、空港職員が「あぽやん」と揶揄されるそうです。
▼あぽやん