友人の仕事の手伝いで足を運んでいるのは長野県だけでなく山梨県もでした。それぞれの土地の名物を食べてみたいね、なんて話しながら大移動を繰り広げているのですが、山梨県甲府市といったら、やはり「鳥もつ煮」です。
宿泊した日の晩酌がてら甲府駅前で大衆酒場を2軒ほどはしご酒したのですが、どちらにも「鳥もつ煮」はありませんでした。あまり居酒屋には置いてないんでしょうか?
でもせっかくなので食べておきたいということで、翌日のランチで向かったのが「そば処 奥藤(おくとう)」です。
「奥藤本店」が「鳥もつ煮」発祥の店
甲府駅前をぶらぶらしている際に、こんな看板を見つけていました。
元祖「鳥もつ煮」発祥の店!
曰く「鳥もつ煮」は戦後間もない昭和25年頃に「奥藤本店」で誕生した料理なのだそう。まだ砂糖が貴重だった時代に、甘辛いタレをまとった「鳥もつ煮」は大好評で、いつのまにか山梨県内のそば店へと広まったということです。
昔はそば屋が居酒屋のように使われていたと聞きますから、そばを食べる前に一杯呑むときのアテとして「鳥もつ煮」が人気だったのでは、と想像しますね。
ただし、この「奥藤本店 甲府駅前店」は営業時間が19時30分までだったのです! 腕時計を見たら19時32分。ということで大衆酒場を彷徨ったのですが「鳥もつ煮」には出会えませんでした。
「奥藤 飯田第四分店」外観と店内
翌日、仕事の前にランチとして「奥藤」に行ってみることにしました。Googleマップで検索すると、クルマの停めやすそうな郊外の店があります。
それで訪れたのが「奥藤 飯田第四分店」です。恐らく「奥藤本店」からの暖簾分けではないかと思うのですが、他にはも「川田奥藤」など「奥藤」を名乗るそば店はけっこうな数があります。
落ち着いた店内。正午より早かったので、お客さんはまばらでした。
窓際の席に案内され、メニューを眺めます。
「奥藤 飯田第四分店」のメニュー
目に入ったのはセットメニューです。「もりセット(990円)」や「かけセット(1,050円)」には「鳥もつ煮」がついています。しかもそばの大盛りが無料。「鳥もつ煮」目当てなら、このどちらかを注文するのが良いでしょう。
さらに様々な種類のそばがあります。一品メニューに「もつ煮」とありますが、甲府で「もつ煮」といえば「鳥もつ煮」のことのようです。
「もりセット(990円)」大盛りを食べた感想
注文したのは「もりセット(大盛り)」です。てりてりと輝く「鳥もつ煮」にやっと出会うことができました!
いわゆる一般的なもつ煮・煮込みというと、汁がたっぷりなものを連想しますが「鳥もつ煮」はてりてりのてりです。これは砂糖と醤油だけでこってりと味付けしたものゆえのこと。
戦後間もなく、捨てられてしまう鳥モツをなんとかできないかと肉屋から相談された「奥藤本店 国母店」の二代目主人が考案したそうです。部位はレバー、砂肝、はつ、きんかんなど。むしろ個人的には大好物の部位ですね。
今では「鳥もつ煮」は甲府のB級グルメ、ソウルフードとして知られ「甲府鳥もつ煮」とも呼ばれています。
ずぞぞと手繰る、そば屋のそばはもちろん美味です。
で、そばを食べながら「鳥もつ煮」を食べる‥‥と、さっぱりした味の後に甘じょっぱい濃い味付けがきて、これがなかなか良いバランスなんです!
さっぱり、濃い、さっぱり、濃い、さっぱり、濃い。
そばも大盛りとなればなかなかの量があります。もちろん美味しいのですけど、間に「鳥もつ煮」を挟みながらだと、美味しさがアップするような気がするのです。
なるほど、セットメニューにごはんがある理由も分かりました。そばと「鳥もつ煮」の相性も良いですが、最高なのは白飯なんでしょうねぇ。
どこかタレのレバー串のような感覚もあるのですが、一般的な焼き鳥のタレよりは遥かに濃厚だと思います。焼いてつけるのではなく、煮込んでいるからこそなのでしょう。
いや〜、記事を書いていたら口の中に「鳥もつ煮」の濃い味付けがよみがえってきて、なんかごはんが食べたくなってきちゃいましたね‥‥浦和でも食べられないものか!? 甲府に行くしかないか!!
ごちそうさま!!!!
「奥藤 飯田第四分店」住所と地図
>>奥藤 飯田第四分店 (おくとう) – 甲府/そば | 食べログ
住所:山梨県甲府市飯田4-8-26