富士河口湖の1日1組限定の富士山ビューホテル「アブラサスホテル(abrAsus hotel Fuji)」の隣に、新たに「アブラサスハウス(abrAsus house)」が、2023年6月1日に開業しました。
ぼくはかねてより「かわるビジネスリュック」「かわるビジネスリュックmini」「旅ストラップ」のプロダクトデザインに関わっていますが、この開発販売元がアブラサスです。
他には「薄い財布」や「小さい財布」など長くアパレル事業を手掛けてきたのですが、あるとき南社長がホテル事業への参入を宣言。日本全国各地を旅して土地を探し、誕生したのが「アブラサスホテル」であり、今回の「アブラサスハウス」です。
ということで、そんな関係もあり、ホテル開業前の5月某日のチェック最終段階で試泊させて頂きました。正式開業後と違う部分もあろうかと思いますが、雰囲気は感じて頂けるのではないかと思います。
「アブラサスハウス」の場所・アクセス
「アブラサスハウス」は富士河口湖エリアにあります。都内からだとクルマで約90分です。遠くなく近くなく、運転で疲れることない適度な距離だと思います。
地図でも分かりますが、南側の目と鼻の先が富士山です。「アブラサスハウス」から南側の土地はひらけており、ホテル内のどこからでも富士山が見えるロケーションとなっています。それはもう、バスルームでも寝室でも。
「アブラサスハウス」の外観
「アブラサスハウス」は庭付き一棟の建物です。コンセプトは“ホテルとキャンプのハイブリッド”で「記憶に残る体験」を求めてたどり着いたのが「キャンプ」の発想だったそうです。
外観は姉妹ホテルの「アブラサスホテル」と似ているのですが、ホテル内は部屋やバスルームなどの配置が違います。
入口付近にはゆったり座れるソファが置かれ、天気がよければ富士山を拝み続けることができます。
この日は残念ながらあいにくの雨模様でしたが、電気毛布が用意されており、冷たい空気を感じつつソファでぬくぬくするのは気持ち良かったです。
到着したらソファでまったりしながら、翌日のモーニングコーヒーに備えて、コーヒー豆を焙煎しておくのも良いでしょう(焙煎したら一晩くらい寝かせておくのが良いらしい)。
「アブラサスハウス」のホテル内
「アブラサスハウス」のホテル内部の設備を紹介します。
ベッドルーム
ベッドルームはベッドx2の部屋とベッドx4の部屋があります。最大で6人の宿泊が可能です。
まずは2ベッドルームです。
白で統一された部屋。無になって安眠できそうです。
晴れていれば寝室からも富士山が見えます。
4ベッドルームは青い部屋です。
ブラックライトで壁にかけられた絵画が滝のように光ります。もちろん青ではない状態にもできますのでご安心を。
もちろんこちらの寝室の窓からも富士山が見えます。
枕元には電源コンセントとUSBポートがあり、スマートフォンの充電もばっちり。
ちなみに2ベッドルームと4ベッドルームではベッドのマットレスが違い、寝心地を楽しむこともできます。このあたりは南さんのこだわりだなぁ、と思いました。
バスルーム&サウナ
バスルームにも南さんのこだわりが散りばめられています。
左手に浴槽、右手にサウナがあります。「アブラサスホテル」では建物の外にサウナトレイラーが設置されていましたが「アブラサスハウス」では浴室内にサウナがあります。
浴槽は左が温水、右が冷水です。サウナから水風呂に直行できます。
湯船に入りながら富士山も見えます。このあたり、やはり南さんはぬかりありません。
浴槽が赤や青で光っているのですが、それだけではありません。
なんと、バスルームにミラーボールまで導入されています。左の浴槽の上にゴロリと横になれるスペースがあるので、音楽を聴きながら光に包まれてトリップできそうです。
サウナも本格的です。丸窓がまるで船室のようです。サウナ内からも富士山が望めます。神々しい整い方ができるかもしれません。
洗い場もあります。ベッドルームの白と比べ、バスルームは全体的にブラックで統一されており、洞窟の中で静かに瞑想するような気分に浸れそうです。
ダイニングキッチン
「アブラサスハウス」では「プリペアードスタイル」という食事のスタイルが取られています(食事付きプランの場合)。
誰でも手軽に、好きな時間に食事を作れるよう、事前に下準備した食材が冷蔵庫に入っており、庭に面したダイニングキッチンで仕上げをし、みんなでワイワイと食べることができます。
料理のメニューは六本木ヒルズ・西麻布に店を構える「豚組」とコラボレーションしており、冷蔵庫を開ければ下準備済みのすべての食材が入っています。焼く・煮る・蒸すなど、最後の工程を行うだけで食べられます。
グラス類や食器類なども用意されています。グラスには色の付いたゴムが巻かれており、自分の使っているものが簡単に見分けられるようになっています。これまた南さんらしいこだわりだと思いました。
ダイニングの製氷機には氷もたっぷり。これは飲料用だけでなく、サウナでも利用します。
横のバケツにたっぷりと氷を入れ、水風呂に投入すれば、キンキンに消えた状態を楽しむことができるというわけです。氷、使い放題ですね。
その他
ダイニングキッチからベッドルームに続く廊下には、アメニティ類などがいろいろと置かれているのですが、ロッカーもあります。
ホテルに宿泊すると、意外に荷物の置き場というのは困ることがあって、ここが自分のロッカーと決まっていると、バッグを置いて、そこを中心に荷物の出し入れができてとても便利だと思いました。
「アブラサスハウス」は多人数で宿泊する場合もあり、このロッカーがあるだけで荷物の整理がしやすいというのは目からウロコでした。これまた南さんらしい工夫です。
トイレも広く清潔感がありました。
「アブラサスハウス」の食事
先述しましたが「アブラサスハウス」の食事は「豚組」とコラボした料理の「プリペアードスタイル」です。
冷蔵庫に入っている事前に下準備した食材を、ダイニングキッチンで焼く・煮る・蒸すなど、最後の工程を加えて仕上げるというもの。食事のメニューはコチラから確認することができます。
この時はオープン前の最終チェック段階だったので、写っている料理そのままではない場合もありますので、参考としてご覧ください。
基本的に写真映えもするようなメニューが多く、それでいて調理はホットクックを利用したり、鍋で煮るだけ、溶岩プレートで焼くだけなど、簡単なものとなっています。
そうは言っても電子レンジでチンするだけの料理ではありませんので、ある程度は手間と時間がかかります。でも、それだけに「料理をした!」という達成感もあると思います。まさに“キャンプ”ですね。
お子さんと一緒に料理を楽しみたいというパパやママ、おじいちゃんおばあちゃんにも良いのではないでしょうか。6ベッドなので2世代での宿泊も可能です。
人数が多めだと、料理のボリュームもインパクトがありますね!
ぼくは初めてホットクックを使ったのですが、ちょっと欲しくなりました。調理家電のメーカーは「アブラサスハウス」に提供したほうがいいかもしれませんよ!?
おおむね1泊目のディナーとして、
・バーミキュラポットヒーターでつくる「彩り野菜のラタトゥイユ」
・バーミキュラでつくる「ポークスペアリブのジャム煮」
・溶岩プレートで焼く「豚肉と鴨ロース焼き」
・ホットクックでつくる「じゃがいものポタージュ」
・中が見える「土鍋ごはん」
などを作って食べましたが、かなり満腹にもなりました。
お酒を呑みたい人は近くのセブンイレブンが品揃えが良く、買い出しにオススメです。
読めば作れるマニュアルがあります。この日も手順マニュアルに従いながら、ああでもないこうでもないと言いつつ実際に料理してフィードバックしたので、手順マニュアルもかなり進化しているのではないかと思います!
ついでに完全に試作中だったのですが、翌日の朝食にホットサンドを食べまして、その中の1つがこれです。
豚組の角煮サンドです。角煮をホットサンドにするという発想はありませんでしたが、これが超美味しかったのです。唇がテカテカになりますけど、これはとてもいいものでした。
メニューには、2日目の朝食として
・ホットサンドメーカーでつくる「豚組特製角煮とチーズのホットサンド」
というのがありました。さらにチーズ入りで進化したようです。
「以前にご宿泊いただいたお客様や、お好みがございましたら2泊目3泊目のお料理にご変更可能」と書いてあるので、ぜひ2度、3度と行って「豚組特製角煮とチーズのホットサンド」は食べて欲しいです。
ちなみに1日目の「お粥御前(6種お薬味)」も、テスト段階でしたが最高に美味しかったです。ローカルの漬物もあり、メスティンで炊くおかゆで完全にキャンプの朝食気分でした。
なお「アブラサスハウス」では食事なしプランを選択することもできます。その際も、キッチンの道具を使って料理することができます。
「アブラサスハウス」の宿泊予約
宿泊料金の確認・予約はコチラからできます。宿泊する時期、曜日によって料金は変動しますが、6月のウィークデーに大人6人だと33,000円/人です。記念日とかお祝いにぴったりの気がします。
また富士山の絶景をバックに広い庭でコスプレ撮影したり、キッチンで料理しているところを撮影するといったことも可能でしょう。
加えて、大きさや頭数での制限なしでワンちゃんも宿泊できるので(要ワクチン接種)、ワンちゃん同伴のホテルを探している人にも良さそうです。
以上、新しく開業した「アブラサスハウス(abrAsus house)」のレポートでしたが、南さんのこだわりを随所に感じることができるホテルでした。