「日産サクラ」のメタバース新車発表会はMeta Quest 2対応イベントのクオリティを軽やかに引き上げてしまったと思います!

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2022年5月20日に発表された「日産サクラ」は、搭載するバッテリー容量が20kWh、巡航距離は180kmと普段の街乗りに適した動力性能を持つ、日産初となる軽EVです。

地方ではガソリンスタンドが減っており、給油のためにそこそこ走るという現実があります。地方で所有が多い軽自動車を軽EVにリプレースすることで、自宅充電が可能になり、このガソリンスタンド問題を解消できます。

遠出をしようと思ったら180kmだと心もとないときもありますが、日常の仕事や買い物といった街乗りレベルであれば十分でしょう。それ以上に、ガソリンスタンドから開放されるというのはかなりメリットのある話です。

さて、そのような新しいライフスタイルを数多く生み出しそうな「日産サクラ」は、リアルでの発表同日、メタバースでも史上初となる新車発表会を実施しました。

広報的意味合いではQuestユーザーも大事

日産が発表会の会場として使用したのはメタバースのサービスの一つである「VRChat」です。

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VRchatにはデスクトップPCからログインする方法(モニターで見る2D)、デスクトップPCでのログインをヘッドマウントディスプレイから見る方法(VR)、そしてMeta Quest 2のアプリでログインする3つの方法があります。

VRChatに本格的にハマりゲーミングPCを購入する人は少なくありません。高性能なゲーミングPCを利用することで、流麗かつハイクオリティのPC向けワールドにログインすることができます。

一方でMeta Quest 2はAndroid端末レベルの性能で、制約のあるQuest対応ワールドにしかログインすることができません。

ただ、価格が安いことでMeta Quest 2ユーザーは増えており、メタバースにとっても無視できない存在として成長しつつあるのは間違いないと思います。

VRChatで眼を見張るようなクオリティのイベントが開催されることが多い昨今ですが、多くはPC向けワールドで、Meta Quest 2しか持っていないぼくのようなユーザーは残念ながらそれに触れることはできません。

メタバースに常駐するようなユーザーはゲーミングPCくらい購入しているので流麗な内容のイベントをしようと思ったらPCワールドで開催するのが話が早いのですが、日産のような規模の企業が広報的意味合いでイベントを開催するとなれば、今後はMeta Quest 2ユーザーも視野に入れて開催するのがマスト‥‥だというのもまた真だと思います。

ただ、どうしてもQuest向けワールドは制約があって‥‥といった事情があった上での今回の「日産サクラ」のメタバース発表会なのですが‥‥これがもう! とんでもなかったんですよ!!

Meta Quest 2対応でもここまでできる

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いつものようにVRChat内に再現された「NISSAN CROSSING」に集合し、執行役副社長の星野朝子氏の話を聞きます。

ここまでは今までのイベントと同じでしたが、ここからがとんでもなかったのです。会場を移動した先で行われたのは、パーティクルライブです!

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パーティクルライブというのは、大変な視覚効果のあるライブイベントで、PC向けワールドで凄い凄いと話は聞くのですが、なんせ当方Questユーザーなもので凝ったものは見たことがありませんでした。

しかし、このイベントでは「Questでもここまでできるのか!!!!!」という素晴らしいパーティクルライブの演出を見ることができたのです。

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カソウ舞踏団のyoikami団長が、パーティクルライブの主演を務めましたが、圧巻のステージングでした。素晴らしいダンスに素晴らしい演出、まさに鳥肌ものでした。

PCからの撮影なのでQuestで見ているよりはクオリティは高いですが、雰囲気を掴んでいただくのが十分な動画をご覧ください。

もちろんPCとQuestでは画質のクオリティに違いはあるのですが、演出はそのままQuestでも見えているので、このステージを見ている間はずっと「Questでもここまでできるのか!!!!!」と思いながら見ていました。VR空間内で見ると没入感も凄いのです。

楽曲は音楽ユニット「YSS」によるもので、パーティクル演出はじゃぱあ氏が担当しているそうですが、このクオリティのものをQuest向けに対応させたというのは、並々ならぬ苦労があったのではないでしょうか。いいもの見させてもらいました。

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VRChatで活動するアイドルグループ「Happy Palette」の副リーダー・桜羽ことね氏による新車紹介もあったのですが、メタバースで活動している才能が結集したような新車発表会でした。

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新車発表会でよくあるようなショットも撮れました。

Questでも試乗ができる「NISSAN SAKURA Driving Island」

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続いては「NISSAN SAKURA Driving Island」というワールドに移動し、試乗会にも参加しました。もちろんMeta Quest 2で。

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「NISSAN SAKURA Driving Island」は一つの島の中に春夏秋冬が再現されたワールドで、周回コースが用意されています。ここを「日産サクラ」に乗って走ることができます。

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自分で運転することもできますし、難しい人には自動運転も用意されています。

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本当に助手席に座っている人を覗き込んでいるようです。

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ぼくもメタバースの「日産サクラ」に乗りました。運転席やスイッチ類などのディテールも再現されていますし、走っていると本当にドライブしているかのようです。

ゲームの中で運転しているのと同じものなのですが、そこはVRの面白いところで、非常に臨場感があり、自分は「日産サクラ」の中にいるという感覚がとても強く残ります。

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もしMeta Quest 2を持っているなら「日産サクラ」にまだ興味はなくても、ぜひ「NISSAN SAKURA Driving Island」はアクセスしてみてください。

この日から「日産サクラ」が気になってしまって、YouTubeで試乗動画を見たりしているんですよね。メタバースで体験して、YouTubeをみて‥‥新車にこんなふうに興味を持ったことはこれまでにはありませんでした。

メタバース新車発表会のクオリティを上げた日産

ということで、史上初の試みとなったメタバースでの新車発表会がありだったのかなしだったのかというと、これは完全にありでした。むしろ200%ありです。

メタバースは間違いなくカタログやウェブを眺めているのと違って、より“触れている”という感覚が強いのです。

行ったことがある、見たことがある、という仮想体験なのですが、自分の中のよりリアリティを持っていることをひしひしと感じます。「心の準備ができる」といったら伝わるでしょうか?

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日産がメタバースに出現したのは1年と少し前の「クロスマーケット2」でした。そこから何回かのイベントを経て、今回の新車発表会に至っているわけで、1年分の試行錯誤の成果がここにでているわけです。

特に継続しているのはメタバースで活躍するクリエイターたちとのコラボレーションで、クリエイターをリスペクトし、関係をとても大切にしているのだなということがよく分かります。

というのも、プレスリリースには必ず参加したクリエイターたちの名前がクレジットされているんですね。ちょっとしたことのように見えて、企業からの公式のプレスリリースにクレジットされるのは大変なことです。

担当者が「載せますね」といってもすぐにOKがでるものではないと思いますし、会社としてクリエイターにリスペクトがないとできないことだと思っています。

そういった良い関係性を築きながら至った今回のメタバース新車発表会。パーティクルライブにしろ、試乗ワールドにしろ、クリエイターも相当な気合いが入っていたのは間違いないというクオリティで仕上がっています。

これまでの日産のメタバースイベントも凝ったものだったのですが、そのクオリティをさらにぐんと引き上げてきたのが今回です。

「Quest対応でもここまでできるんだ!」ということを突き詰めてきたクリエイターと日産の、今後のコラボレーションもますます楽しみになってきてしまったんですけど‥‥!!!

協力クリエイター

VR蕎麦屋タナベ/イカめし/なまのなまこ/にりら/じゃぱあ/YSS/やまみー/ききょうぱんだ/Yoikami(カソウ舞踏団 団長)/Tarako(カソウ舞踏団)/e-suke(カソウ舞踏団)/koua(カソウ舞踏団)/ワグテイル/森尾/えこちん/ライヒ/青猫/ドコカノうさぎ/Arinko/魔法少女シュネー/ろれる/月鏡の灯篭/ /桜羽ことね/匠@くだらないもの工房/黒鳥(順不同・敬称略)