準備のお手伝いをしていたVR、仮想空間でのライブ生配信「ASCOT VR LIVE(Veats Shibuya)」が2020年11月22日に開催されました。
コロナ禍によりライブイベントの自由が失われてから久しいですが、それでもライブをしたいアーティストの熱い思いと、仮想世界に情熱を注ぐユーザーたちの熱い思いの交差する熱いライブイベントでした!
会場は実在するライブハウスを模した仮想世界(VRChat)の「Veats Shibuya」です。参加したアーティストはMomochiMinami、麦野優衣、谷本貴義(出演順)の3人。
それぞれがVRゴーグルの「Oculus Quest/Quest 2」をかぶり、仮想世界にダイブ。アバターとなり、生歌を披露しました。
ぼくは本番の作業はなかったので、いち観客としてライブを観ていました。
最初こそ壁際の花として会場全体を俯瞰していたのですが、DJをしているMomochiMinamiの煽りに乗せられて次第に会場中央へ! 気づくとさらに最前列へ!
終盤の盛り上がりで、ふいにMomochiMinamiがステージから降りてきたんです。フロアへ。ぶっちゃけ「えっ!?」と思いました。
「そうか、VRといってもステージから降りてきてもいいんだ」
その瞬間、全身にぶわっと鳥肌が立ちました。アーティスト(のアバター)が目の前に降りてきたことが、やっぱり現実世界と同じように、とんでもなくドキドキする出来事だったんです。
フロアを踊り狂いながら、観客と触れ合いながらMomochiMinamiが目の前を、本当に指先が届くかどうかというくらいの距離を通り過ぎていった刹那、ふいに仮想世界で涙がこぼれました‥‥。
VRワールドで遊ぶようになって気づいたのですが(まだ1ヶ月くらいですが)、グルーミングとも呼べる行動を取る人がとても多いのです。
知り合いのアバターに出会った瞬間にタタタと駆け寄り、かわいいかわいいと言いながら両手で頬をなでたり、頭をよしよしとしたりするんです。多くの人たちが!
最初の頃は驚きました。だって、距離感。目の前に他人のアバターがいるんです。手を伸ばしたら身体を突き抜けていきそうな距離感です。そんな距離で「かわいいかわいい」なんて、大人になってから言われたことありますか!?
無条件に相手を受け入れる、心優しき世界がそこにはあるのです。実際の人物がどんな人かは関係ありません。中には喋らない人もいるから、声すらも分からない場合があります。でも、人はアバターの前に平等で、アバターの前に自由なのです。
そんな距離感を体験している1ヶ月だったので、MomochiMinamiが手の届く距離を通り過ぎていったときに「やっぱりVRって素晴らしい‥‥」と思ったら、VRゴーグルの中で目から汗がぶわっと出てしまいました。
正直、いくら言葉を尽くして書いたところで、未体験の人には間違いなく「ナニイッテンダコイツ」の世界なのです。
だって、ぼくがいかに与那国島が素晴らしいところだったと力説しても、やはりその全ては伝わらないですよね? 仮想世界はそれ以上です。旅どころではなくて、もしかすると宇宙旅行レベルかもしれません。行ったことがない人には、とことん分からない世界。
でも、VRワールドは3万円台の片道切符を購入すれば、誰でも行くことができる世界です。旅をしたり、外出したりが難しい昨今だからこそ、気分転換をしたい人に試してみてほしいな、と思います。
ライブが近づくと、メッセンジャーでもなくZoomでもなく、VRChatで打ち合わせすることが増えました。顔がダイレクトに見えないから話す間を気にしなくて良いし、それでいて喋るので話が早いのです。「20時にVRChatで」そんな感じで打ち合わせしていました。
ちなみに「VRChat」というのは「Oculus Quest/Quest 2」で利用できるアプリの一つで、アバターを使ってチャットをする仮想世界です。今回の生ライブも「VRChat」内で行われました。
VRゴーグルでちゃんと音楽が聴けるのか心配になる人もいるかもしれませんが、音響関係の人たちの努力もあって、普通に聴けるんです(もちろん課題はあります)。麦野優衣さんの素敵な歌声もばっちりでした。
谷本貴義さんはみんなが知っているお馴染みのアニソンを歌う前に「ここでジャンプしよう!」とフリを指示してくれました(アバターは簡単にジャンプはできる)。
ジャンプするタイミングの一体感もまた、言葉にならない感動がありました。VRワールドのライブだって、普通のライブなんだ、と。
初物につきもののトラブル中に、麦野優衣さんが場を繋ぐためにステージに出てきてMCされたのですが「こんなに大勢の前で歌ったのは久しぶり」ということを話していました。
これには、アーティスト側からも「大勢の前で歌っている」という感覚があったんだと嬉しくなりました!(会場には30人弱くらいの人たちがいました)
ライブ終わりには、参加者が口々に「楽しかった」「また観たい」と言っていたのも印象的でした。みんな、同じ気持ちだったんだと嬉しくもなりました。
みんなでステージに上って記念撮影!
面白いことに、このステージからの光景って脳裏に焼き付いているんですよ。それはCGの映像じゃなくて、よりリアルものの記憶として定着しているんです。いずれ仮想世界とリアル世界の記憶の境界線て、とっても曖昧なものになっていくんではないかと感じる部分です。
最後になりますが、今回は準備期間も短く、多くのスタッフが睡眠時間を削りながらフル回転しました。参加されたみなさんに感謝を。ありがとうございました! お疲れさまでした!
今回の実験的な動きがうねりとなって、続いていくことを願ってやみません。VRワールドのライブ配信は、演者にとっても、観客にとっても、素敵な体験になるのは間違いありませんから。
ライブの様子は、同時にライブ配信されていたTwitchのアーカイブで振り返ることが出来ます。
でもやっぱり本当の体験は、VR世界の中から、ですねぇ。
最後にアーティストのツイートも貼り付けておきます。
これぞエモ中のエモな写真…!!!!
ありがともっちでしたー!!!!※DJうさ耳、中の人はもっちだよ〜!!!!#VRChat #veatsshibuya #ascot https://t.co/GPOX2IVZ8j
— MomochiMinami12/2DJ&ライブナンデモAR広報&京都ARミュージアム (@momochi373) November 22, 2020
本当に楽しいライブ空間でした
久しぶりのライブハウスでのライブでした。皆さんと一緒に身体を動かせて声を出せて感動。素敵な体験をさせていただき本当にありがとうございました次回もお楽しみに#veatsshibuya #ascot #vrchat
@momochi373 @tanimoto_tak @YuiMugino https://t.co/OtlU1rwmMW— 麦野優衣 Yui Mugino (@YuiMugino) November 22, 2020
今日はみなさんありがとう!!みんな無事に見れたかな?前例のない企画だからスタッフの方々はイレギュラーなトラブル処理や徹夜作業だったりでめちゃくちゃ大変。歌ってる方は想像していたより臨場感あってすごかったー♪また機会があれば挑戦したい!#ascot #vrchat pic.twitter.com/XXqCGYEqHb
— 谷本貴義 (@tanimoto_tak) November 22, 2020
※写真は @tokikaze_ikebo 撮影です。
↓VRワールドへの片道切符です(とりあえず64GBで良いと思います)。
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