ゴールデンウィーク、埼玉スタジアムに約47,000人のサポーターを集めた横浜Fマリノス戦は、残念ながら0-2での敗戦となりました。
前半は「それなりにポゼッションして戦えていた」という見方もできますが、しかし「持たされていた」という見方もできます。
前半を耐え、後半に仕掛けてきた横浜Fマリノスを見れば、しっかりと戦術にハマり「持たされていた」のかもしれません。
「守備ブロックを作って守る」という、浦和レッズ対策は、各クラブに浸透してしまっているようです。
基本はサイドにいる原口元気、田中達也らによるサイド攻撃一辺倒ですから、研究されても仕方ありません。
その上で、中央を突破するとか、他の選手を使うとか、別の戦術も取り入れていかなければならないのですが、まだ浦和レッズはそこの上積みはないようです。
名古屋グランパス戦は素晴らしいプレイを見せてくれましたが、あれは幻だったのでしょうか。あの戦いを、相手がどこであろうとコンスタントにできるようにならなければ上位進出はありません。
確かに出場している選手たちのモチベーションは高いと思いますが「俺が、俺が」と気持ちばかりが先行し、チームとして戦うことができていないのではないか、という印象を持った試合になりました。
特に、マゾーラが途中出場して以降は、その傾向はより強まったと思います。というか、FWが4人になって中盤を省略したサッカーになってしまいましたね。
それでも勝てれば良いですが、ああいう試合内容になってしまうと、見ている方はストレスが溜まります。
放たれた矢のように仕掛けていく原口元気と田中達也の両サイドは確かに魅力的ですが、矢も刺さってこそ。
周りを使う、周りから使われる、チームのために汗をかける選手がもう少し出てこないと、単純な仕掛けに終始する展開から抜け出すのは難しいかもしれません。守備は良くなりましたが、攻撃に関しては個人頼み、というところが強いですからね。
4節を終えて、1勝3敗。まだ挽回のチャンスはありますが、現状が続けば降格争いに加わっても不思議はありません。
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試合結果
浦和レッズ0-2(前半0-0)横浜F・マリノス
得点者:70分 渡邉(横浜FM)、90+4分 大黒(横浜FM)
入場者数:47,056人
▼vs横浜FM「終始攻勢もセットプレーから失点しホームで手痛い敗戦」
田中達也
「向こうの思い通りになってしまったかなと思います。しっかり守って、チャンスを奪われて、セットプレーでやられてから向こうのペースになりました。2失点目に関しては、前がかりになってしまって奪われた失点なので、誰がというよりもチームとしてというところで、0-1でも0-2でも同じだったと思います。1点目を取られるまでは悪くないゲームだったので、よけい悔しいです。
(スピラノビッチを下げて高崎を入れた理由と、その後の戦いについての評価は?)
「スピラノビッチは前半の途中から気分が悪いと言っていて、昨日から体調があまりよくなかったという話も試合前から聞いていたので、すでに鈴木啓太にはいつでも入れるように準備をしておけという話をしていました。その場合、啓太を入れて山田暢を下げるという考え方でしたが、後半に入ってから失点してしまって、その時点で少し攻撃的に、点を取り返しにいくという意図で、スピラノビッチに代えてFWの高崎を入れました。その後は何回かチャンスも作って、良かったと思います」
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FW田中達也(28)は前半22分、左サイドからのDF宇賀神友弥(23)のクロスに頭で合わせるが、クロスバーの上だった。「悪くない試合だったので、余計に悔しい。後半は作戦通り、1発のチャンスでやられた。今日と明日は反省して、しっかり話し合いをしたい。切り替えて、3連敗は避けたい」と、前向きに話した。
後半ロスタイムには、自陣CKのこぼれ球から前に出たGK山岸範宏(32)がかわされ、横浜FW大黒将志(30)に追加点を決められた。山岸は「前半は入りから試合を支配できていた。ハーフタイムには、じれずに我慢強くプレーしようとみんなで話しました。FKの失点は痛いし、相手の思い通りの流れになってしまった」と、反省しきりだった。