浦和FW原口にフィンケ監督“かん口令”という記事より。
浦和FW原口元気(17)が口をつぐんだ。6日の全体練習後、約1時間の居残り練習をこなした後に報道陣から声をかけられると「監督と話をして、しばらくしゃべらないように…」と言葉を濁し、クラブハウスを後にした。いつもはしっかりと受け答えする原口だけに、珍しい行動。関係者の話を総合すると、フォルカー・フィンケ監督(61)が原口に「かん口令」を敷いたようだ。
原口元気がマスコミに対して話をしなかったことについて、フィンケ監督が「かん口令」を敷いた、という記事です。
もともとフィンケ監督は柏レイソル戦後に「これは私から皆さんにとってのお願いでもあります」と前置きをして、次のように語っていました。
私は数週間前から何度も何度も警告していたのですけれど、あのような非常に若い選手、もちろん才能があって、実力もある選手ですけれど、あのような若い選手が、毎日のようにメディアに出てしまうのはよくないことだと思っています。そして彼らにとっても悪影響を与える可能性が十分あるわけです。そして現在の原口元気の状態を見ますと、やはりどうしてもまだいろいろな意味で問題を抱えている状況だと思います。
フィンケ監督は「大切なのは選手が成長するための環境を整えること」として、今回の措置をしている訳ですが、どうしてもマスコミには理解されにくいようです。
同監督が「選手の成長のため」とする「かん口令」は、「いろいろ悩んでいる」と漏らす原口の助けになるのだろうか?
マスコミに話して解決するのであればそれに越したことはないと思いますが、それが記事となり、いろいろな人からいろいろなことを言われるのは、やはり本人にとっても良くないのではないかと思います。
どうしても日本のシステムとしてスター選手を作り上げたいというのがあるのですが、果たしてサポーターが原口元気の毎日の一挙手一投足に興味を持っているかというと、そうではないはずです。むしろ、今回のフィンケ監督のやり方に賛同するサポーターが多いはず。
そうなると、誰が原口元気の記事を見て喜んでいるのか? ということになると思うのですが、他チームのサポーター‥‥ということもないですよね。
そう考えていくと、フィンケ監督が原口元気に“かん口令”という記事は、いったい誰の為の記事なのか、ということに思い至ります。
もちろんスポーツ新聞を読んで新しい選手に興味を持ち、そこから浦和レッズのサポーターが増えるということもあるでしょう。ただし、若い選手にプレッシャーをかけてまでも、それが正しいとは思えません。
きっとどのクラブのサポーターもそうなんじゃないかと思いますが、選手のコメントよりも、どんな練習内容だったかとか、監督がどんなことを考えているかとか、試合を観戦することの楽しみに繋がるような内容を読みたいと思っている‥‥はず‥‥と思うんですけど、どうでしょうかねぇ。
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取材規制の期間などは広報部と指揮官が今後話し合い決定する。選手に対する取材規制としては、東京Vがデビュー当時の森本(現カターニア)の取材を試合前日の筆談と試合後のインタビューに限定した例がある。
5日の柏戦では前半で交代した原口はこの日、サテライト組と共にミニゲームなどをこなした。だが原口は練習後「監督と話をして、しばらくはしゃべらないようにと…」と話し、申し訳なさそうに大原グラウンドを後にした。
同監督は5日の柏戦後にも「才能ある若い選手が毎日のようにメディアに出るのはよくない。情報規制ではない。選手の成長のための環境を整えたい」などと発言しており、実行した形だ。