正直、名古屋も東海アウェイも相性が良くないです。ここで踏ん張ることができれば、浦和レッズとしての戦い方ができてきているのかな、と思っていたのですが、見事にやってくれました。1-0で勝利。
原口元気17歳、流れの中からビューティフルゴールです。
コメントも新人離れしている。自らの一撃で昨季公式戦3敗1分けと苦しんだ名古屋を撃破したが、表情一つ変えない。17歳11カ月3日でのプロ初ゴールは、J1で6番目の最年少弾。永井雄一郎(現清水)のクラブ記録(18歳4カ月25日)を塗り替えた。
田中達也の負傷退場から巡ってきたチャンスを見事にものにしてしまいました。
闘莉王がヘディングで競ったこぼれたボールを、ゴール前でエジミウソンが潰れながら落とし、それを冷静に原口元気がゴール左上隅に決めました。
こともなげに「簡単なゴールでした。喜び? 意外にフツーでした」と言ってしまうあたりは、大物なのでしょうか。
それにしても、優勝候補の一角の名古屋グランパス相手に、良いサッカーを展開できたと思います。前半はショートパスを繋ぎながら、ほぼ支配できていたのではないでしょうか。本来であれば、名古屋もやりたかったサッカーでしょうね。
後半は押し込まれる場面も多かったですが、よくぞ闘莉王と坪井のセンターバックコンビが踏ん張りました。ケガから戻った昨シーズンの坪井は本当に精彩を欠いていて、もう上積みは期待できないかと思ったら、全くそんなことはなく。冷静にチームのためのプレイに徹してくれています。
闘莉王も、なんでもかんでも上がるのではなく、タイミングを計っているのが分かりますし、阿部勇樹、鈴木啓太のボランチコンビも利いています。この無失点は力になりますね。
新聞の方で原口が次のA代表になるべきだとあおられてしまうと、現実から離れてしまうのではないでしょうか。今後も私はできる限り建設的な形で彼の成長をサポートしていきたいと思います。
さりげなくマスコミを牽制。幸いなことに、マスコミの注目は鹿島アントラーズの大迫に向いてますから、原口元気にとっては良いかもしれません。
サッカーを愛する人間ならば、今日のピッチで見ることができたプレーに感激を覚えたのではないでしょうか。すでに33歳の山田(暢久)が非常に喜んで、笑顔で、私たちの目指すサッカーをピッチで表現している、そしてその隣で、18歳の山田(直輝)が同じようなプレーを見せています。その山田直輝がまるで200試合も公式戦に出ているように、とても落ち着いてボールをさばくことができています。
本当に‥‥目から汗が出てきそうなコメントです。あの山田がね。気分屋でムラっけのある山田がね、イキイキと楽しそうにプレイしているんですよ。
サイドバックはイヤだと、トップ下をやりたいと、そんなことも言っていた山田なんですが、本当に楽しそうにプレイしているんですよ。33歳、もう一花咲かせて欲しいです。
2008シーズンは思い出したもないほどのシーズンだったのですが、あの辛さがあったから今シーズンがあるのかな、と思えるようになってきました。
負けることを良しというする訳ではないですが、もし勝ち続けていたならば、このクリエイティブなサッカーを見ることはできなかったかもしれない。3バックで、個の力で押し切るサッカーを続けていたかもしれない。
結果的に、そういうサッカーは続かないということがよく分かったし「サッカーを観る」ことの本当の楽しさを、フィンケ監督から教えてもらっている気がしています。勝つ=楽しいですけど、そうじゃない、サッカー本来の楽しさとでもいいましょうか。
次は攻撃も熟成させていかないと、ですね。高原の復活、セルの覚醒‥‥フィンケ監督に導かれて‥‥。
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チームは原口のゴールで逃げ切り、昨年の公式戦で1分け3敗と苦しめられた名古屋に競り勝った。期待のルーキーは「強い相手から、よく1点を守りきってくれた。先発で出て、いいプレーでチームに貢献したい」と目を輝かせた。
前半22分にFW田中達に代わって途中出場すると、前半終了間際に鋭い反応を見せた。名古屋ゴール前で、左からのクロスを闘莉王が頭で合わせた後のこぼれ球を右足でけり込んだ。
その後はパスサッカーの応酬で一進一退の攻防が続いたが、DF坪井慶介や田中マルクス闘莉王ら守備陣が体を張って相手の攻撃を封じて逃げ切った。
幼少からその名を全国にとどろかせた。小学時代の夢は「すべての年代で優勝して、最後は世界制覇」。言葉通り、小学生時代は全日本少年サッカーを制し、浦和Jr.ユース、ユースでも全国制覇を遂げた。
「打ちやすいところでした。思い切り打とうと。でも、あんまり覚えていない。もっとうれしいと思っていたんですけど」
今季リーグは開幕から2戦連続で先発したが、結果が残せずに最近3試合はベンチスタート。自信を失いかけていたが、高原よりも先に出場機会を与えられ「監督の期待に応えたい」と燃えた。
前半15分ごろから患部に違和感が生じ、前半22分に自ら交代を申し出た。「いつやったのか分からない。そんなに重症じゃないと思うけど、検査はあると思います」
同じユース昇格組で1学年下の原口のゴールには「これで原口らしさが出てきてほしい。これまで遠慮していた」と、今後の爆発に期待した。
フィンケ監督は「長い距離を走って筋肉に違和感を覚えたようだ」と心配顔だった。
原口は浦和ユース、大迫は鹿児島城西のエース同士で、昨年9月23日に西が丘で行われた準々決勝で激突。原口は2点リードの後半44分にセンターサークル付近でボールを奪い、約40メートルをドリブル突破。ペナルティーエリア内でDF2人をかわすスーパーゴールを決めて3―0の勝利に貢献した。
後半38分には、ポンテと増川が言い争って小競り合いとなり、ポンテが頭突きをして増川が倒れたかに見えた場面で家本主審が両者にイエローカードを出した。
FW杉本は「ダビ任せになっている。もっともっと自分を走らせてボールを出してくれればいい」と言う。強力な新戦力の存在が、単調な攻めにつながるもろ刃の剣となった。