Jリーグ第5節 浦和レッズ v.s. 名古屋グランパス[2009]

正直、名古屋も東海アウェイも相性が良くないです。ここで踏ん張ることができれば、浦和レッズとしての戦い方ができてきているのかな、と思っていたのですが、見事にやってくれました。1-0で勝利。

原口元気17歳、流れの中からビューティフルゴールです。

決勝弾!浦和の17歳原口がプロ初ゴール

コメントも新人離れしている。自らの一撃で昨季公式戦3敗1分けと苦しんだ名古屋を撃破したが、表情一つ変えない。17歳11カ月3日でのプロ初ゴールは、J1で6番目の最年少弾。永井雄一郎(現清水)のクラブ記録(18歳4カ月25日)を塗り替えた。

田中達也の負傷退場から巡ってきたチャンスを見事にものにしてしまいました。

闘莉王がヘディングで競ったこぼれたボールを、ゴール前でエジミウソンが潰れながら落とし、それを冷静に原口元気がゴール左上隅に決めました。

こともなげに「簡単なゴールでした。喜び? 意外にフツーでした」と言ってしまうあたりは、大物なのでしょうか。

それにしても、優勝候補の一角の名古屋グランパス相手に、良いサッカーを展開できたと思います。前半はショートパスを繋ぎながら、ほぼ支配できていたのではないでしょうか。本来であれば、名古屋もやりたかったサッカーでしょうね。

後半は押し込まれる場面も多かったですが、よくぞ闘莉王と坪井のセンターバックコンビが踏ん張りました。ケガから戻った昨シーズンの坪井は本当に精彩を欠いていて、もう上積みは期待できないかと思ったら、全くそんなことはなく。冷静にチームのためのプレイに徹してくれています。

闘莉王も、なんでもかんでも上がるのではなく、タイミングを計っているのが分かりますし、阿部勇樹、鈴木啓太のボランチコンビも利いています。この無失点は力になりますね。

試合後のフィンケ監督のコメントです。

新聞の方で原口が次のA代表になるべきだとあおられてしまうと、現実から離れてしまうのではないでしょうか。今後も私はできる限り建設的な形で彼の成長をサポートしていきたいと思います。

さりげなくマスコミを牽制。幸いなことに、マスコミの注目は鹿島アントラーズの大迫に向いてますから、原口元気にとっては良いかもしれません。

サッカーを愛する人間ならば、今日のピッチで見ることができたプレーに感激を覚えたのではないでしょうか。すでに33歳の山田(暢久)が非常に喜んで、笑顔で、私たちの目指すサッカーをピッチで表現している、そしてその隣で、18歳の山田(直輝)が同じようなプレーを見せています。その山田直輝がまるで200試合も公式戦に出ているように、とても落ち着いてボールをさばくことができています。

本当に‥‥目から汗が出てきそうなコメントです。あの山田がね。気分屋でムラっけのある山田がね、イキイキと楽しそうにプレイしているんですよ。

サイドバックはイヤだと、トップ下をやりたいと、そんなことも言っていた山田なんですが、本当に楽しそうにプレイしているんですよ。33歳、もう一花咲かせて欲しいです。

2008シーズンは思い出したもないほどのシーズンだったのですが、あの辛さがあったから今シーズンがあるのかな、と思えるようになってきました。

負けることを良しというする訳ではないですが、もし勝ち続けていたならば、このクリエイティブなサッカーを見ることはできなかったかもしれない。3バックで、個の力で押し切るサッカーを続けていたかもしれない。

結果的に、そういうサッカーは続かないということがよく分かったし「サッカーを観る」ことの本当の楽しさを、フィンケ監督から教えてもらっている気がしています。勝つ=楽しいですけど、そうじゃない、サッカー本来の楽しさとでもいいましょうか。

次は攻撃も熟成させていかないと、ですね。高原の復活、セルの覚醒‥‥フィンケ監督に導かれて‥‥。

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