ビッグコミックオリジナルで連載中「蔵人」に出てくる居酒屋のモデルが浦和にある「和浦酒場」だということが判明し、近く開催される「浦和ナイト2(和浦の会)」の下見に行ったのが運の尽き。
ミイラ取りがミイラになったという表現は適切ではないですが、下見に行ったはずが下見で終わらなかったというか、またリピートしてしまいました!的な。
そもそも「蔵人」は日本酒のマンガでして、アメリカからやってきた日系3世のクロードが、祖母の好きだったお酒(生酛)を復活させるために、祖先の酒蔵を再建する‥‥というストーリーです。
クロードの居候先が「あやか」という居酒屋で、そのモデルが「和浦酒場」というワケ。著者である尾瀬あきら氏も通っているようで、店内には直筆の色紙もあります。
そして「あやか」といえば日本酒、そして熱燗、ぬる燗なのです。
ぼくは過去に日本酒の洗礼を一度、受けてまして、それがやはり尾瀬あきら氏の書いた「夏子の酒」のモデルになったという「清泉」でした。
知り合いが連れて行ってくれた店の冷蔵庫に、冷えた「清泉」がありまして、それまで日本酒といえば鼻にツーンとくるような、そして悪酔いする酒というイメージしかなかったのですが、口にした瞬間、世界が変わりました。
冷酒、うまい! 純米酒、うまい!
しばらく「清泉」を探して、いろいろな酒屋を渡り歩いたもんでした。
時は流れ、現代。
去年から始まったマイブーム「ハイボール」もありまして、もっぱら外で飲むのはビールにウイスキーが定番でありましたが、そこに新たに日本酒が加わった次第です。
つか、日本酒、うまいよ! ぬる燗、最高!
きもとのどぶ。
父親が電子レンジでチンしている燗酒くらいしか飲んだことなかったのですが、燗の技術を極めるとこんなことになるのか! と驚きました。
口に含むと、ふうわりと優しく、舌の上に流れ込んでくるのです。甘味に旨味に‥‥いろいろなものが引き立ちます。つうっと一口で、猪口が空きます。
ワインでいうならば、時間が経過して開いたような状態、というと分かりやすいでしょうか。日本酒は燗で開くのですね。
あ、まあ御託はもういいですね。
うまい酒にはうまい肴が合うんですけど、それもまた「和浦酒場」は最高なので、写真を眺めながらいろいろ想像してください。
お通しに出てきた、ひじきのオーロラソース和え。
料理を待っている間にサービスで出して頂いたとうもろこし。生です。生だけど十分、甘い。でも生だから、どこか懐かしい土の香りも。それがまた良し。
サメの身入りはんぺん。
ぼんじり。
秋鹿のぬる燗。
生の桜えびの釜揚げ。熱々で食べると、これが旨々!
蓮田の冷酒。
懐かしい感じのコロッケ。旨味ぎっしり。
新じゃが唐揚につける味噌ムース。実はこの味噌ムースが、これまた最高の肴に。
酒盗チーズ。酒を盗んででも飲みたくなる気持ちが、よく分かりました。
店内はそれほど広くないというか、小さいです。テーブルも10人くらい、カウンターに6人くらいでしょうか。
スタッフの方も、お酒や料理のことをとても親切に教えてくれますし、程よく居心地が良いです。
なんとか、このうまい燗酒を自宅でも再現できないものか‥‥とも思ったりしたんですけど、違う違う、そうじゃ、そうじゃない。「和浦酒場」は雰囲気も一緒に飲んでいるんだなぁ。
つまり、うまい日本酒を飲みたくなったら「和浦酒場」に行けってことです。それでいいのだ。
住所:埼玉県さいたま市浦和区仲町1-8-8