テレビ版「この世界の片隅に」が「special thanks to」表記をしたことで映画版「この世界の片隅に」が「一切関知していない」とTwitterで表明して物議を醸すなどしており、原作者のこうの史代氏がどう考えているのか気になっていたのですが、ファンページで「でも大丈夫…「六神合体ゴッドマーズ」よりは原作に近いんじゃないかな!?」と投稿していることを知りました。
こちらのツイートで知りました。
こうの先生。
若干歯切れ悪く無いか? pic.twitter.com/uj1OBlYD81— WT11(わたた) (@takahashiwatar2) 2018年8月6日
これはファンページのスクリーンショットですが、ココがその投稿となります。
「この世界の片隅に」に関係する部分を引用すると以下のようになります。
このドラマ、わたしはいちおう毎回、脚本を見せて貰ってチェックしているのですが、直してもらえるとは限らないみたいです。まあ、脚本の岡田さんがどう展開させたいかはわからないので、あんまり強くは言っていません。文字だけではわからない部分もありますね。
でも大丈夫…「六神合体ゴッドマーズ」よりは原作に近いんじゃないかな!?
ちなみに、現代と過去をつなぐものとして、櫛を提案したのはわたしです。広島には、女の子が生まれるとつげの木を植え、お嫁に行く時に櫛を作って持たせる、という風習があったようだ、というお話をしました。
・脚本チェックはしているものの意見をしても修正して貰えるとは限らない
・現代と過去をつなぐものとして櫛を提案した
といったことが書かれているのですが、恐らく知っている人が驚くのは「でも大丈夫…「六神合体ゴッドマーズ」よりは原作に近いんじゃないかな!?」の部分でしょうか。
「六神合体ゴッドマーズ」より原作に近い!?
「六神合体ゴッドマーズ」はテレビアニメで観た記憶はありますが、その原作との関係に関しては詳しくは知りませんでした。そこでWikipediaを読んでみました。
横山光輝の漫画『マーズ』を原作にすることで企画された。ただし、横山の了解の下、大胆な改編がなされた。主人公側のロボット・ガイヤー(原作ではガイアー)と六神体が戦うという原作に対して、本作ではガイヤーと五神ロボが合体するといったように、根本となる基本設定からして異なるなど、ほぼアニメオリジナル作品と言ってもよい内容となっており、結末も原作の衝撃的なものとは異なっている。共通しているのは一部の固有名詞、ロボットの名称、マーズの意思、またはマーズの死亡によりガイヤーが爆発する設定など。
共通している設定はあるものの、テレビアニメは原作とは全く違うものになっている、というエピソードでした。
こうの史代氏としてはテレビ版は原作と違うところはあるものの、それでも「六神合体ゴッドマーズ」ほどには改編されていない‥‥ということを伝えたかったということなのでしょうか。
なお「六神合体ゴッドマーズ」は「当初は半年の放送予定だったが、おもちゃのセールスが好調だったほか、おもちゃの購買層である低年齢層とは別に、女性ファンを中心にアニメファンの人気が高まり、1年以上放映された」ということで、好評だったようです。
原作は大事だけれど
個人的には、原作を大事にすべきという気持ちも、原作はあくまで原作で、初めてテレビドラマで触れる人もいるから、そうした人に向けてある程度の改編があるのも致し方ないのかな、という両方の気持ちが分かります。
ここ1年くらいはAmazonプライムビデオで多くのアニメ作品を観てきたのですが、原作があるものに関しては「原作と違うところも多々あるのだろうな」と思いながら観ています。でも、アニメとして面白ければそれはそれでありなんだろうな、とも。
原作を読んでその世界観に惚れ込み大事にしたい気持ちも分かりますし、でも原作は読まずに映像作品だけを観る人がいて、それが面白ければそれはそれでありなんだな、と。
ぼくは漫画アクションで「この世界の片隅に」をリアルタイムに読んでいたので、映画版でもやはり違和感を感じるところはあるのです。でも、それはそういうものだな、と。テレビ版も違和感は感じましたが、でもそれもやはりそういうものだな、と。
もし改編されることを原作者が嫌うなら、そもそも映画版やテレビ版の許可がでない、もしくは改編はNGとするでしょう。
だからこうの史代氏が「六神合体ゴッドマーズ」よりは原作に近いんじゃないかなと書いているのは、自分の手を離れたテレビ版がどうなっていくのか楽しんでいる部分もあるのではないかな、と感じました。
映画版やテレビ版を観て原作をたどる人がいれば、マンガ作品が原作となった作品としては幸せなことかもしれませんね。
もちろん契約とは違って「こんなはずではなかった‥‥」となってしまっている作品もあるとは思うのですが‥‥。
追記
こうの史代氏が再び掲示板に投稿し、ゴッドマーズを引き合いに出したことについて「わたしの世代では人気作品」であり「ここ(原作を読んだ人が来る場所)には原作から変わるのが不安だという人がいるわけで、そのために、そこまで違っているわけではないので、食わず嫌いせず見ておくれ」という言いたかったと説明しています。
全文はコチラから確認することができます。