ある文章を読んでいて「手をこまぬく」という表現にであいました。あれ? 手は”こまねく”じゃなかったっけ? と思ったので「手をこまぬく」と「手をこまねく」の語源について調べてみました。
手をこまねく?手をこまぬく?
▼手をこまねく、正しくは…? - トクする日本語 - NHK アナウンスルーム
【何もせずに傍観する】の意味で使われることわざに「手をこまねく」があります。このことわざ、本来は「手をこまぬく」というのが正しいということをご存知でしたか。最近の辞書には「本来は”こまぬく”だが、近年は”こまねく”」と載っています。
元々は「手をこまぬく」だったものが、近年になって「手をこまねく」に変化しているようです。漢字で書くと、どちらも「拱く」となります。「こまぬく」は、腕を組むという意味だそうです。
本来の意味ではない「準備して待ち構える」という意味だと回答した人の割合が,本来の意味である「何もせずに傍観している」と回答した人を上回りました。
2008年の調査では、本来の「何もせずに傍観している」という意味ではなく「準備して待ち構える」という意味だと回答した人が多かったそうです。「まねく」が「招く」に通じてしまうのでしょうね。
「手をこまねいて待っていた。」という文を「(早く来いと)手招きするような気持ちで待ち構えていた。」などと読む人が増えているのかもしれません。
日本語の読み方や意味というのは時代で変わっていくものだとは思いますが、これだと全く違う意味になってしまいますね。
結論:手をこまねく? 手をこまぬく?
元々は「手をこまぬく」だったが、近年は「手をこまねく」と転じており、そちらを使う人が多い、ということです。
似たようなところだと次のような記事も書いています。