「君」という敬称を使い始めたのは吉田松陰

Yoshida shoin kun

国会議員がお互いの敬称を「君」と呼ぶのはどういうことだろうと思っていたのですが、調べてみると対等な立場で議論をするため、という理由があったことを知りました。しかも「君」という敬称を使い始めたのは吉田松陰だというのです。

「○○君」は対等な立場で議論するため

不思議に思いはしたものの、ちゃんと調べたことはなかったし、まさか「君」を敬称としている意味があるとは思いませんでした。

西日本新聞では江戸時代の武士の話法なら、相手は「貴殿」で自分は「拙者」…という記事になっています。

「僕」「君」「諸君」「~くん」という言い方は、長州で松下村塾を開いた吉田松陰が始めたという説がある。

吉田松陰の松下村塾では様々な立場、身分の若者を受け入れましたが、それにとらわれずに議論ができるようにと「君」や「僕」という敬称を使わせたのだそう。「君」だけでなく「僕」もそうだったとは。

農民出身の伊藤博文も松陰の薫陶を受けた一人。初代総理大臣として臨んだ第1回帝国議会(1890年)で議員を「~くん」と呼ばせたという。

実は「参議院先例録」には「議員は、議場または委員会議室においては互いに敬称として『君』を用いる。」とあるのだそう。衆議院も参議院にならい「君」を使っているそうです。

なぜ「君」だったかというと次のような理由だったそうです。

どんな身分の者にも共通する敬うべき人物と言えば「君主」「主君」。そこで、「君」と付けて呼び合えば、対等な立場になり、相手に敬意も込められると考えた。

「僕」は「しもべ」とも読み、自分がへりくだるという意味があったそうです。「君」も「僕」も男性社会で広まり、やがて男性が使うものとなっていったのでしょう。

本来の意味を知ると「君」と呼ぶことになるほどなと思うのですが、現代では「君」は男の子のイメージが強いですし「さん」とするほうが適当のように思いますが、今後、変化することはあるのでしょうか。

そういえば、小学校では男女問わずに「さん」と呼ぶようになっていると気づいたのは10年くらい前のことでした。