リンクから支払いができるという「Gumroad(ガムロード)」が、画期的なサービスとして話題になっています。最初は19歳スゲーって話題のなり方をしていたのですが、途中からサービススゲーという方向になりました。
ぼくが最初に「Gumroad」を知ったのは、こちらの記事でした。
▼Pinterestの19歳のデザイナーが起業して110万ドルを調達―Gumroadはリンクから支払いができる画期的サービス
GumroadはFacebook、Twitterを利用してサインし、フォームに収益化したいコンテンツのURLを入力するだけでよい。コンテンツはブログ記事、Spotifyのプレイリスト、Instagramの写真、iPhoneアプリへの招待、調査レポート、その他なんでも思いつくままだ。
リンクを登録することで、課金できるという仕組みです。投げ銭的なサービスだと思いますが、URLを登録するだけで良い、というシンプルなところが良かったのですかね。
なお「Gumroad」の手数料は、取引額の5% + 30セントと低額です。定額が必要ないのも、クリエイターには魅力でしょうか。
そして、日本で「Gumroad」が超話題になるきっかけになったと思われるのがこちらの記事です。
▼誰でもデータを直販できるGumroad入門。クリエイターの生活は変わる? | fladdict
Gumroadを使えば、たとえばイラストレーターやミュージシャンが、そのまま作品をダイレクトにタイムラインで発表して販売できます。手数料はたったの5%(正確には5%+30セント)。Appleの30%や出版社の90%に比べると驚異的なお値段です。個人のクリエイターがクレジットカード決済でデータを販売できる…というのは、なにやら仕事のスタイルそのものが変わりそうです。
詳しい使い方も解説されています。購入に必要なのはメールアドレスとクレジットカード、そして売上を受け取るにはPayPalのアカウントが必要です。
例えばイラストをustreamで実況やリクエストに従って書いて、完成したらそのまま販売といったことができます。購入者のメアドがわかるのでポスターを刷って送ったりすることもできそうです。
ということで、超簡単な決済の仕組みとして、クリエイターが使ったら面白そうだな、と思います。
早速、いろいろと販売する人が登場します。
▼Gumroad – spacer.gif (since 2002/02/01)
私がまだホームページというものを手探りで作っていたころに使っていた、年代物の「spacer.gif」をこのたび売却することに致しました。
なんと、年季の入った「spacer.gif」が売りに!
これはネタですけど、他にもいろいろ登場したようです。
Gumroadで色々なものを売っている人を集めてみました。
URLを登録してソーシャルメディアに流すだけなんですから、そりゃ簡単ですよね。ツイッターのアカウントがあれば、ウェブすら必要ないのです。
続いて同人誌を販売したという記事も登場です。
▼個人コンテンツ販売の新時代を開くか 「Gumroad」で同人誌を売ってみる
Gumroadは有償コンテンツを購入するためのリンクを生成し、そのリンクを経由してコンテンツ販売を代行してくれるサービスだ。従来のダウンロード販売サイトなどと比べた場合の特徴として(1)操作が簡単、(2)ファイル形式の指定がなく、なんでも(公開済みの1枚のWebページでも)販売の対象にできる、(3)Gumroadに支払う手数料がコンテンツ代金の5%+0.3ドルと格安──などが挙げられる。どの点も個人の同人作家にとっては魅力的だ。
「個人が同人誌を販売するという点においては最終兵器に近いもの」と絶賛されています。
ただし「URLがそのままネットに流出すればぶっこ抜き放題」や「他人の同人誌やイラスト、楽曲などのURLを勝手に指定して“カジュアルに”フリーライドする輩が出てくる可能性」にも言及されています。
▼話題のサービス「Gumroad」で星海社が『青春離婚』を販売
このGumroadで星海社が販売を開始したのは、同社Webサイト「最前線」で期間限定公開されていた紅玉いづきさんの恋愛小説『青春離婚』。PDFフォーマットで販売され、価格は3ドル。2月20日までの期間限定で販売される。
出版社も、注目しているのですね。
手軽なのが便利でもあり、手軽すぎて怖いですね。
すぐに類似サイトも登場しました。ガムならぬアメで「Ameroad」です。
「Gumroad」が絶賛される一方で、著作権などの問題を懸念する声も出てきています。
▼Gumroad の危険性について早めに警鐘を鳴らします《物語を語ろう。物語を創ろう。by鷹野凌》
データのアップロードは非常に簡単なので、他人の著作物を上げることも可能。[追記]URLをTwitterなどで流すだけの仕組みなので、海賊版が作られていることに著作者が気づきにくい。
▼RMB: もしあなたの著作物が知らぬ間にGumroadで売られていたら
これまでも似た問題はずっとあったのですが、このサービスは無断転載等をした人間に即座にお金が行く点が厄介です(正しく使う人にとってはそこが有り難い点ですし、サービスの売りもそこなんですが)。
個人的に「Gumroad」をどう思うかというと、正直なところ「ピンとこない」というのが最初に感想でした。そもそもクリエイターではないので、何かを作って販売する、というところに頭がいかないのですね。
ただ、手軽さという部分には非常に可能性を感じます。既に、投資家から110万ドルを集めている訳ですし、もろもろの課題は改善され、クリエイターのための素晴らしいサービスになることを願いたいです。