日本銀行決済機構局が「モバイル決済の現状と課題」という調査結果を発表しています。それによると、日本では「機能はあるが利用していない」と答えた人が全体の 42%おり、実際に店頭などでスマートフォンや携帯電話をかざすモバイル決済を利用していると回答した人は6%に留まったということです。PDFで全文が配布されていますので、興味のある人はそちらをご確認ください。
このようなモバイル決済は、先進国よりも、むしろ中国やケニアといった、従来はリテール向け銀行サービスが十分に発達していなかった国々で急速に拡がるケースが目立っている。この間、日本では、世界に先立って、既に2004年の段階で、電子マネーの技術を携帯端末に搭載する形で、店頭でのモバイル決済サービスが開始されたが、現在のところ、店頭でのモバイル決済は、広範に利用されているとは言い難い状況にとどまっている。
モバイル決済を利用している人たちの年代別だとこんな感じです。
40歳代が最も多いのですが、これはどんな理由があるのでしょうか。
例えばケニアでは、携帯電話加入者の約 76.8%(2015 年 6 月)
がモバイル決済を利用しているとの調査がある6。また中国でも、都市部の消費
者を対象に実施された調査によれば、回答者の 98.3%が過去3カ月の間にモバイ
ル決済を「利用した」と答えたとの報道7(2016 年 5 月)もある。
これは「リテール向け銀行サービスが十分に発達していなかった国々で急速に拡がるケースが目立っている」という理由があるそうですが、裏を返せば先進国ではモバイル決済を使わなくとも問題がない‥‥ということも言えるかもしれません。特に日本は現金主義も根強いでしょうし。ぼくもiPhoneのモバイルSuicaは便利に使っていますが、切符を買う必要がないのが便利なのと、少額決済で使うくらいですからね。
正直なところ「Apple Pay」もイマイチ分かりにくいので(結局はiDかQUICPayですよね)、もしかすると「楽天Pay」のようなアプリのバーコード決済や「LINE Pay」のような決済時にはプリペイドのJCBカードを使うといった方式の方が分かりやすく普及する可能性もあるかもしれません。ポイント経済圏もありますし。